魔女と過ごした七日間

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 7214
感想 : 479
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041132258

感想・レビュー・書評

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  • 内容としては面白かったと思います。
    あとがさっぱりしすぎてたのが少し物足りない感じでした。

  • 一面、ジュブナイル小説的な作品。東野圭吾は、少年を主人公にした作品も結構あるが、心理描写も含め人物像の描き方がとても上手だと思う。まぁ、大人が思う少年像ではあるが。
    「ラプラスの魔女」から久しぶりに、円華嬢登場。ひょんなことから知り合った少年、陸真を助けて、陸真の父の死の背景を探る。陸真の父は、元見当たり捜査専門の刑事で、人の顔を記憶するプロ。指名手配犯の顔は全て記憶しており、AI が識別できないほど変容した顔でも見つけることができた。円華の特別な能力のお陰で真実に迫るが、、、
    陸真の同級生との友情や腹違いの妹の登場など、作品を厚くしている。スラスラ読めて、無理なく作品に入り込ませる作風も健在。

  • ラプラスシリーズの3作目。
    Nシステム。警察の闇。
    私たち日本人は常に警察に監視されていて、何か悪いことをしてもすぐに捕まってしまうシステムになっているのかもしれない。
    いい事のように思うけれど、闇と表現されている。
    D資料もすごい。例えば、何か健康診断などで血液検査をするが、そういうDNA情報などが全てどこか警察の情報として保管されていて、捜査に活用されているのかもしれないということ?
    許可なく勝手に、警察にDNA情報が採取されている?
    そういうこと?ありそうで怖い。
    中学3年生の月沢陸真くんは、父親を殺した犯人を探すために、羽原円華にたどり着く。
    羽原円華は、私の脳内でもう完全に広瀬すずちゃんで、
    すずちゃんは、最近「夕暮れに、手をつなぐ」を見ていたので、あの、明るいすずちゃん。
    イメージが違うけど、空豆ちゃんが凛々しくなった感じで脳内再生。
    中学3年生男子の女装は、最強に可愛いと思う。映画が楽しみ。
    DNA情報とかマイナンバーカードとか、国民を管理しようとするツールが、本当にあるのかもしれない。
    でも、大事なのは、そんなものに振り回されずに、困難にぶち当たった時には、自分で考え、道を切り開かねばならない。
    頼るのはAIなんかじゃない。自分の頭。
    だから、もっと勉強をしなければいけない。
    陸真くんと純也くんの友情!
    ラストは爽やか。Tシャツの件でガッツポーズしたくなった。
    東野圭吾さんの話は本当にハズレ無しだなぁと思う。めっちゃ面白かった。
    主人公ともいえる陸真くんが中学3年生なので、共感できると思う。
    中学生に薦めたい本だった。

  • あのラプラスの魔女の続編ですね。
    でも円華については深く説明されず、魔女みたいなことができる人ってことで、主役は中学生の陸真かな。
    今回のメインはAIでいろんなところが監視されてたり、DNA情報を国が管理してるってところの問題提起なのかな。
    見当たり捜査員ていう特殊な捜査員も、監視カメラにとってかわられたり。でも人間だからこそわかることもある。
    すごく世の中を見てる感じですごい。
    女装の陸真の度胸もすごい。純也みたいな友達もいいね。

  • どんでん返しに備えて予防線をはりながら深読みしつつ丁寧に読み進めていたけれど、後半ラストでしてやられた。さすが東野圭吾さんは予想の上を行く。警察の嫌なところがクローズアップされていたり、特殊能力をもってしたら一般人は手も足も出ない展開もあったけれど物語のスパイスとしては最高だった。このシリーズ内容を忘れる前に刊行してくれると嬉しいなぁ。

  • めちゃくちゃ面白かった。
    ラプラスの魔女からスタートしているシリーズの最新作であり、監視社会への読者の問いかけもテーマとしつつ、エクスチェッドという科学的な部分の表現もさることながら、思春期男子の友情、それぞれのキャラクターから発せられる台詞、そしてテンポのいいストーリー展開に、後半の以外の展開まで。
    やっぱり東野圭吾さんの作品に、ハズレなし。
    ぐーっと引き込まれました。

  • ラプラスの魔女、魔力の胎動の続編。
    元見当たり捜査員の父親が殺害され、真実を突き止めるべく魔女と捜査を進める。
    一方で、事件を調べる中で不信感を抱き出した脇坂刑事はスタンドプレーで調査を行う。
    刑事と探偵チームが辿り着いた真実は・・・。
    友情あり、相変わらずの非科学的な所もあり、それでいてしっかり推理要素もありで一気読みしました。

  • 時代を感じさせない作品もあるが、やはり時代に応じた作品は違和感なく読めて良かった。

  • 母が本書を図書館で借りてきて、そういえば東野さんの著書を大学に入ってから1度も読んでないなと思い、母が読み終わったあとに貸してもらいました。読む直前に知ったのですが、この本はシリーズの3作目でした。ですが、事前知識なしでも楽しめるとの事だったので、1、2作目は今度また読もうと思います。

    警察のAIが今より更に発展を遂げた日本が舞台でした。話にかなりリアリティがあり、現実の日本も遠くない未来にこの小説のようなAIが警察に導入されて、事件解決に貢献すると思うと、喜ばしい反面、個人情報などの観点から不安も感じました。

    円華さんの不思議な雰囲気と「魔女」という肩書きがお気に入りです。円華さんに関する個人的な質問は禁止だったので、私たち読者も素性を知らないけれど、とても魅了される登場人物でした。

    主人公の父親が殺された事件の方も、闇が深いなとは思っていましたが、読み進めるにつれて、闇に隠された真実がどんどん明るみになっていく疾走感がとても良く、サクサク読み進めることができました。
    主人公の父親が結構終盤まで疑念たっぷりの人物だったので、最後にちゃんとした正義感のある人物だったことが判明して安心しました。
    主人公がまだ中学3年生ということがあり、まだまだ将来が心配です。今シリーズはまだ続きそうな予感がするので、いつか主人公が元気に頑張っている未来が見られたらなと思います。

  • ラプラスの魔女シリーズだったのだと、読み始めてから気づいた。タイトルから気付かなかった自分の鈍感さ…。

    中学3年生の陸真は、母を早くに亡くし、元警察官の父と二人暮らしだったが、その父が死体で発見される。
    母違いの妹がいることがわかり、その子が被験者として円華(魔女)のいる研究所で過ごしていることから、父を殺した犯人を探すために円華と共に独自捜査をはじめる。

    大きなテーマは、AIと人間の頭脳、か。
    陸真の父は、警察で見当たり捜査員をしていて、それは指名手配犯を探す仕事らしい。そんな仕事があるとは知らなかった。
    防犯カメラとDNA情報を集約したAIが指名手配者を探せるという理由で見当たり捜査員は減らされ、その結果警察を辞めた父。AIにはできないことも人間にはできるのだと自負していた父は、なぜ殺されたのか。
    わたしはAIvs人間という、AIと人の対立構造はもう古いと思っていて、対立ではなく共存。人間がAIを利用してより知識を得たり合理的に活動できるようになる、AIとは人のための道具なのだと考えている。当然、AIにはできない、人間にしかできないことがある。
    東野圭吾さんはかなり以前から人工知能をテーマにしていたけど、この本では人間にしかできないことがあり、人工知能の方が人間より優れているという短絡的な考え方への警鐘を鳴らすような内容になっていた。

    中学生男子が美しい円華とともに危険な闇カジノに潜入したり、警察の闇とも戦う冒険譚。
    東野圭吾の本には珍しい国家批判(闇カジノは摘発するのに、依存症になるという意味では同じ危険性がある公営ギャンブルは認める国の二枚舌。結局ギャンブルで得られる収益が反社に流れるか、国に流れるかどうかの違いでしかなく、国に金が流れる分にはむしろギャンブル推奨してる。結局国は金と人を管理したいだけ。)が何度も出てきて違和感があった。本当、東野圭吾さんはこういう批判的なこと滅多に書かないんですよ。なにか心境の変化があったのだろうか。
    だから円華はラストでアメリカに行ってしまったの?東野圭吾さんは、シリーズものの主人公がアメリカ行っちゃうパターン多くて(ガリレオも、マスカレードも)、数年そのシリーズ休んだあとに、帰国したってことでまた始まるよね。円華はもう帰ってこないかもしれないと言ってるけど、東野圭吾さんがラプラスシリーズで書きたい題材が出て来たら日本に帰ってくるかも。

    陸真と純也の友情には、最後泣けたよ。
    友達の代わりはいないよね。
    大人は子供の友情って軽く見る(環境が変わったらまた新しい友達できるんだから、友達と離れたっていいだろとか言うオジサンオバサンいるよね)けど、今だけのものだからこそ大事なんだと、わたしはこのラストを読んで思った。
    今だけのものであっても、それが無くなるのではない、それが一生の宝物になることもあるのだ。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

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