犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304051

感想・レビュー・書評

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  • 映画で見たから大体は知っていたけど、母の心情をよりリアルに感じた。悲しい運命だけどそれが素敵。

  • こんなに面白い小説があるのかと震えた。ミステリー小説とはこいつのことだと思った。また一つ文学の世界に引き込まれた作品であった。

  • 面白い。ただただ面白い。
    横溝正史の読者を引き込む力は間違いなく一級品。

    静馬と佐清の入れ替わりのトリックや、母を庇うための死体の移動など、ミステリーとしてのトリックはあまり目を惹くものがあるわけではない。

    見どころはやはり終盤のスリルや、明かされる複雑な人間関係。
    とても有名なあのポーズによる判じ物、そしてそうすることで死体が佐清だと思い込ませるという意味不明なポーズの理由には驚いた。

    推理小説としては現代の作品に比べるとやや劣るが、エンタメ小説としては今でもトップクラスの作品だろう。

  •  信州財界の一巨頭、犬神財閥の社長、犬神佐兵衛が81歳で他界。遺されたのは、腹違いの松子、竹子、梅子という3人の娘と、佐兵衛の恩人の孫娘珠世。
     しかし、遺言状の披露により、遺族間で血みどろな事件が起きるのではと心配した法律事務所の若林から金田一に手紙が届く。事件をふせぐため、金田一は那須に向かうが、すぐさま事件が!!

     もはや、本を読んだか、映像では見たか、あるいは知ってるつもりなのか定かでない、今更な読書。
     時代とはいえ、言葉のチョイスから、これでもかこれでもかと、匂わせる語り口がおもしろく、ツッコミどころも満載で楽しかった。何度も映像化されるのも納得です。

  • 映画が好きだったので、本初挑戦でこの一冊を選んだ。
    映画では猿蔵がラストしか話さないのに、この本ではよく話してる重要人物。
    この本通してグッと犬神家の理解が深まり、もっと大好きになった。

  • 金田一耕助は初めて読んだけど、探偵という割にあまり推理しないし、抜けや見落としも多く名探偵と言われてもそうか?という印象。
    話自体は陰惨な雰囲気がよく出ていた。

  • 日本ミステリーの王道、横溝正史の推理小説だ。全10数作あったと思うが、その中でも人気が高い、「犬神家の一族」を読んだ。うーん、さすがだな!と思った。何度もテレビドラマや映画になっているようだが、シーンが目に浮かぶようだ。
    書かれたのも何十年も前なので、舞台は戦後すぐの長野県伊那地方である。その地方で事業をなした犬神翁が遺言を残して亡くなった。巨額の遺産を巡って、犬神一族が骨肉の争いを始める。
    シリーズを通して出てくるのは、おなじみの探偵、金田一である。ただ、彼は物語中は比較的薄く描かれている。彼の視点で、読者はプロットを追っていく。オーソドックスながら、最初から引き込まれて、読むのを止めることができなくなる。
    たくさん登場人物がいるが、関係性は割りとシンプルである。最近の細かいミステリーを読んだ後だと複線のはり方が粗削りな感じもするが、とにかく面白い。

  • 【概要】
     倒錯と純愛の錯綜!かけ違ったボタンと、ねじ曲がった愛は、信州財界の巨人・犬神佐兵衛没後、その遺産の行く末に、大きく影を落とすのだった。犬神佐兵衛の血脈である佐清(すけきよ)・佐武(すけたけ)・佐智(すけとも)、恩人の孫・珠世(たまよ)、さらには本気となった愛人の息子、巨額の遺産・経営権を巡り、血で血を洗う争いが、犬神家の三種の神器「斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)」を通じ、勃発する。名探偵・金田一耕助は、この陰惨な連続殺人事件を、どのように解決するのか?!

    時期不明        読了
    2018年10月27日 読了
    【書評】
     喜餅の思春期は、江戸川乱歩と横溝正史でできあがっている・・・といっても過言ではない(笑)特に横溝正史の影響は、ほんと・・・デカい(笑)人と人との愛憎に対し、良くいえば、横溝正史のおかげで「寛容」になり、悪くいえば横溝正史のおかげで「欠如」しているという(笑)
     ただ、自己正当化する訳じゃないけれど、作中の「倒錯」「圧倒的にいびつな倫理観」の裏側にある人間の感情の弱さであり純粋さ・・・そういった、ふれたら簡単に壊れてしまうような、繊細な機微・・・を、物凄く、感じるし、物凄く、楽しめてしまった、今回。
     自分も含めて、多くの方達は「スケキヨ(なんでカタカナなんだ?笑)」のイメージが、めっちゃ強いと思う、この作品は。でも実は、冒頭に舞台から(物理的には)消える犬神佐兵衛や、その恩人・野々宮大弐の残留思念の存在感が、凄い。そして、子を想う(想いすぎる)母の人外ぶりも(笑)
     時代背景は昭和20年代、当然、その時代の価値観が、前提として進行する。当たり前だけど、現代と違う。だから「それはそれ」として、楽しめる度量が必要になるよね。久々に読むと、当時は凄い時代だったんだなぁ~と、あらためて、思う。
     ところで、皆さんは、「金田一耕助」といえば、誰を連想する?自分はこの「犬神家の一族」で演じられた石坂浩二さんもイイけど、古谷一行さんもイイよね♪そして、この頃・・・というか、市川崑監督は、影で怖がらせるの、本当に凄いよねぇ。・・・って、映画の話になってしまった(笑)
     久々に読むと、楽しい♪

  • 面白かった〜!!横溝正史、金田一耕助シリーズ5作目にして1番?有名なやつで読むの楽しみにしてたんだけど、流石何度も映像化されてるだけあって、エンタメ性全開でずっと面白い!!後半謎解きからもう読むのが止まらないですね。私、金田一耕助シリーズ全く見たことないけど有名すぎて仮面被ったスケキヨと池に足出てるやつだけ知ってた。こういう話だったのね…!!
    金田一耕助シリーズは本陣殺人事件、獄門島、八つ墓村、悪魔の手毬唄を読んだんですが全体的に結構似ている(戦後の混乱残る、田舎の大きなお屋敷で起こる、相続争い、美男美女、愛憎劇、怪しい得体のしれない第三者、、、とか)…のに毎度全部作者の思う壺で騙されるな。くやしい。
    ミステリー的にはアリバイ工作とかトリックとかではなくて、誰がなぜ?に焦点が当たってるので読みやすいですね。
    次は何読もうかな?何が人気どころ読みたいなー。 
    あとちょうどゲゲゲの謎見たあとだったので、影響受けてるなっての感じれて楽しかった。


  • 読んでから観るか
    観てから読むか

    映画の公開と同時に行われた角川文庫フェアーのキャッチフレーズを思い出す。

    おそらく映画は20回は観ている。
    ただ横溝正史の本は一度も読んだ事が無かった。

    今回、初めて読んでみたが、これが面白い。
    映画の情景が浮かんでくる。

    映画とは異なる場面も何箇所かあるので、
    違いを比べるのも楽しい。

    映画化する際、石坂浩二の金田一耕助は色男すぎると言われてたようだが、なかなかどうして。
    興奮すると吃る癖なんかは原作通り。

    原作も映画も名作だと思う。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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