白と黒 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.29
  • (12)
  • (52)
  • (120)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 755
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304136

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東京の新興団地で行きかう怪文書と洋裁店マダムの殺害事件。
    依頼者の旦那が失踪したり、マダムの素性がわからなかったり、代議士のセンセーも絡んできたり…
    定番の「田舎の名家」とは違うドロドロさです
    謎の言葉「白と黒」の意味がわかるとスルリスルリと犯人、動機がわかってきて爽快!
    複数の人間が複雑に絡み合う事件
    金田一が事件にちょっと演出を加えたり、S・Y先生が登場したりともりだくさん
    でもやっぱり金田一には岡山や兵庫辺りで没落した名家のドロドロな事件を解いていて欲しい笑

    2012/11/14-15

  • 田舎でない金田一耕助シリーズ。団地という現代的な舞台装置のせいか、それほど古臭さは感じなかった。そこに違和感があったが、生臭さと現代的チックな展開と相まって不思議な魅力がある。題名に隠された意味に加えて黒色がクライマックスで大きな役割を果たすのが忘れられない。でも張り込み中に寝ちゃいかんでしょう。

  • 新しくできた大型団地の住人・順子は、突然投げ込まれた怪文書に悩まされ、金田一に相談する。彼女の夫も怪文書を読んでから行方がわからない。順子に連れられて団地にやってきた金田一、だがこのとき、ダストシュートからタールにまみれた女性の死体が発見される。捜査がすすむにつれ、この女性にも怪文書が送られたことが判明。その断片と思われる紙には「白と黒」など謎の言葉が残されている。
    「八つ墓村」などの作品にみられる伝奇的な要素は減少し、昼ドラにありそうなドロドロした人間関係が描かれる。文体もより軽妙となり、メタ視点というのか、同時刻における複数の人物の行動も表現される。「これが伏線ですよ」みたいな表現も。
    自分には、最後の最後まで「白と黒」の意味も犯人もわからなかったので、読み終わったあとに表紙を見て驚きました。

  • 金田一耕助ファイル以前の版

  • 初・金田一耕介シリーズ。

    時代は団地が珍しく、どんどん建設された頃。
    団地の側で経営していたマダムが変死した。
    「レディース&ジェントルマン」で始まる怪しい手紙。
    複雑化した事件。

    文体が読みにくい。
    性が赤裸々。

  • あっ……仮面舞踏会まだ買ってなかった;

  • いくつもの筋が複雑に、でも混乱なく組み合わさっている。
    こんなに分厚い本なのに、次々とページを繰っていける面白さがある。
    さすが横溝正史は違うね。

  • 何やら複雑な事情のある、閉鎖的な田舎の旧家が舞台になる金田一作品の中では珍しく、団地を舞台にしたお話。

    集合住宅はあるけど壁を隔てれば閉鎖的で、壁一枚隔てた部屋に得体の知れないものが住んでいるかもしれないという恐怖。活字を切り抜いて作られたいびつな怪文書。それらが混ざり合って、昭和の荒んだ雰囲気を醸し出していた。やはり横溝作品。

  • 単純なはずの事件が関係者のさまざまな思惑から複雑化されていく事件。

    推理は、最後の最後まで出てこない情報が多くて出来ない。

  • 白と黒ってそういう意味だったのかー!これはジェネレーションギャップというものではないだろうか…。
    複雑に思えた事件がするすると解決していく終盤はなかなか読むのをやめられなかった。
    昭和の空気を感じられてとても面白かった!

全51件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

横溝正史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×