楽しい古事記 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 760
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041576236

感想・レビュー・書評

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  • 題名に偽りのない本。古事記の蘊蓄を基軸にした雑談を聞いてる感じ。古文で書かれていても、こういう身近な言葉で面白可笑しい語り口調で読むのが本当の形というものも多いのだろうなと思う。

  • 古事記+史跡巡り 読みやすい さすがアトーダワールド

  • 古事記の平易な入門書。「まぐわって」「歌って」「殺す」日本の創世記のシンプルな物語が、面白おかしく紹介されている。

  • 日本書紀は大和朝廷が渡来人に端を発する天皇家の正統性を担保するために都合のいいストーリーを神話の形をとって作成したものらしい、従って日本書紀にはない記述が多い古事記にこそ真実が散りばめられている。という説を読んだことがありますが、本書を読んでその古事記すらも似たようなものだと知って、がっかりしたというよりむしろ楽しい気分になりました。
    征服とか権力闘争といった生々しい過去すら、どこかのんびりしていて、かつ微笑ましくも滅茶苦茶な神話に仕立て上げてしまった太古の日本人のもつ大らかな気質が感じられ、流石は八百万の神を祀ってきた民族だなぁと感心します。
    今の世知辛い日本では殆ど感じることがないこの気質を、日本人として少しでも次の世に引き継げたらいいのにと思いました。

  • 古事記とはどういった内容のものなのかを何となく知ることができる。
    てか、古事記なんて普通は読めないのでこういったものがあると助かる。

  • 数年間探し回って、漸く本屋で見つけた本。
    毎年夏あたりに文庫で出ているはずなのに、どうして、今まで近所の本屋はこれを置いてくれなかったのだろうか……。

    作者のつっこみを交えつつ、古事記の大体のあらましを追っていく感じ。

  • ギリシャ神話に出てくる神様もそうだったが、古事記に出てくる日本の神様もみな恋多く嫉妬深く慈愛に満ちていて残酷で戦さ好き、なんて人間的なのだろう。その人間臭さが、当たらずも遠からずの人物や出来事があったんだろうなと感じさせる。何々の命(みこと)が代を重ねるごとに徐々に天皇の話になっていく様が面白い。

  • 国生みの神話からはじまって、推古天皇あたりまで。
    古事記にあるエピソードをわかりやすく教えます。

    比較的よく目にするイザナギ・イザナミのあたりのお話は面白いのですが、神武天皇以降のお話はそうでもない。
    だいたい争ってこどもつくっての繰り返しというか。

    神話はあれこれ誰かが咀嚼して興味深くデフォルメなんかしてるってことでしょうか。
    特定のやんごとなき個人(実在しないにせよ)のエピソードはそれほどファンタジーを盛り込むこともできず、結果この感想につながったのだと思います。

    古代は厠で用をたすのも命がけだったのね、と妙なところでトイレと人の関係を勝手に考えました。
    これは別にまったく本筋ではありません。あたりまえ。

  • いやー、面白かった。古事記を面白く分かりやすく解説する本です。解説というと堅苦しいので、古事記を紹介してくれる本です。古事記に登場する神様や天皇ゆかりの地を筆者が訪れた時のことも紹介されており、一種の旅行記としても読める。

    実は、これを読んでからというものの、ゆかりの地に行きたくて仕方がない。奈良とかに行ってみようかと思う。実家近くにもヤマトタケルゆかりの地があるので、そこにも行ってみたいなと思っている。

    この本を読めばきっと出かけたくなるでしょう。ああ、九州にも行きたいな。

  • 現代語訳古事記と並行して読了。いわゆるセカンドオピニオンとでも言える。著者の他作品と同様にユーモアと現地取材のエピソードを交えた筆致は、古事記を理解するうえで本当に「楽しい」雰囲気を醸し出している。史書は時の為政者に都合よく書かれていると教えてくれたのは本書だった(はず)。古事記が天智天皇の直系である元明天皇の代に完成し、日本書紀が天武天皇の直系である元正天皇の代に完成しているのは偶然ではないはず。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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