ループ (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.52
  • (145)
  • (166)
  • (302)
  • (65)
  • (15)
本棚登録 : 1678
感想 : 161
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041880067

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前二作をこんなふうに使うとは、すごい思い切りですね!
    ただ仕掛けは面白かったけど、ストーリーの展開が遅くて……。
    参考文献がとっても多い!なので、たしかに読み応えのある考察がいっぱいなんだけど、ストーリーの推進力になってないような……
    エリオットのはぐらかしも、キツかったですね……サムライ8じゃないんですよ!?馨といっしょにイライラを共有しようていう訳じゃないですよね…

    あとがきに、リング→らせん→ループ、最初から全体の構想があったわけじゃない、ということがあとがきに書いてありました。そこから、ここまで膨らませて書き上げられるのは、すごいなと思いました。
    (細かい齟齬はある気もしますが…山村貞子は安藤とエッチしてた気がするから、処女懐胎じゃないとか…)

  • 面白かった。
    途中旅のシーンで少し中弛み感があったが、ループというプロジェクト、なぜ世界がガン化しはじめたのか、最後の螺旋のシーンへと繋がる部分など怒涛の伏線回収はお見事。

    ループは現実世界の物理条件を完全に再現した仮想空間であるのに、生命の自然発生はしなかった。
    なので神が操作を加えた。
    →ということは、現実世界でも生命の自然発生はなかったはずなので、神が操作を加えた。
    →現実世界にも上位概念となる「世界」がある。

    この背理法的な考え方好きです。

    よく世界はパラレルワールドでいろんな世界が同時に存在しているっていうのがポピュラーなのかなと思ったけど、この小説を読むと並列というよりかは直列に世界が存在しているのかもしれない。

    ガン化とは、細胞が多様性をなくすこと。
    なんとなくだが、人間に当てはめると学ぶ姿勢や意欲を失って毎日同じように過ごしていくのはガン化を示唆しているのかも。

  • 馨はかけがえのない家族に囲まれ、幸せな毎日を送っていた。あの日が来るまでは。尊敬していた父がガンで衰弱していく。しかも、それは猛威を振るう新種のガンウイルスによるものだった。馨は家族を救うために、ウイルスに対抗する方法を模索する。 読み終えて一発目の感想は、「貞子はどこに行ったんだ」という感想。リングシリーズはどうやら山村貞子ありきで進むわけではなく、この世界のあり方、生命のあり方など少々哲学的なテーマありきだったようだ。呪怨や着信アリのように山村貞子がパワーアップしてどんどん理不尽に人類を呪うみたいな展開を期待して読み始めた三部作だったのでとってもびっくり。作中に出てくる人間模様や主人公の葛藤などはとても胸に刺さったので、面白かったが……。

  • 内容
    科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。しかし父親が新種のガンウィルスに侵され発病、馨の恋人も蔓延するウィルスに感染し今や世界は存亡の危機に立たされた。ウィルスはいったいどこからやって来たのか?あるプロジェクトとの関連を知った馨は一人アメリカの砂漠を疾走するが…。そこに手がかりとして残されたタカヤマとは?「リング」「らせん」で提示された謎と世界の仕組み、人間の存在に深く迫り、圧倒的共感を呼ぶシリーズ完結編

  • 『らせん』が一作目の続編だとするなら『ループ』は広がった物語を再度収束させるような作りになっていた。ホラー作品の代名詞みたいに思っていたけどシリーズが進むにつれてオカルト要素は次第に影を潜め、三作目に至ってはもはやサイエンスフィクションの趣になってしまった。読み進めるごとに前作の見方が変わっていく作りは見事。

    ただ惜しむらくはどうしても蛇足感が否めないこと。『リング』の完成度があまりにも高かったので続編のストーリーがどうしても納得できない気持ちがある。浅田の家族愛が、竜二の知的欲求が、山村貞子の怨念が、バーチャル世界での出来事だったというのはどうにも釈然としない。これが全く独立した作品だったなら素直に楽しめたのかもしれないのだけど。『リング』は常識じゃ説明できない超常現象を理屈で追及していく過程が最高に面白かったのであって、読み終えてもまだ人知の及ばぬ「何か」を想像する余地が残されていた。だからそれを全部説明されちゃうと興ざめってのもあるんだよね。

    まあなんだかんだ言ってもつまらなかったわけではなく小説としては充分に楽しめたといえる

  • という事で最終章『ループ』。

    そこそこ面白いものの、あくまで『リング』、『らせん』のおまけ。
    前2作を読んだ人はそこそこ楽しめるでしょう。
    カテゴリは前2作の関係からホラーにしましたが、実際SFミステリーでしょう。

    2010/5/14
    『リング』、『らせん』はすばらしかった。
    さらなる続編に良作なしなので敢えて読んでませんでしたが、最近「おもしろい!」という評価を目にしたので読んでみようと思いました。
    amazon評価でも☆4ですね。

  • 『リング』シリーズ完結作!
    今回は貞子の登場は無しで、SFに振り切った感じだったけどそれでもめちゃくちゃ面白い。
    インディアンの部分だけあまり入り込めなくて、読んでてあんまりだったかなあとも思ったり。
    それでもめちゃくちゃ面白い。タイムリープもの好きだけど、こう言うタイプのループものは初めて見た(読んだ)から新鮮!自分の生まれる前にこんな作品あったなんてすごいなー

  • リングシリーズの3作目。ホラー小説を読んでたはずがSF小説になってた。

  • 発想はすごく好き!
    ただ文系人間としては理解できない単語が多く登場してくるので読み飛ばしてしまう箇所があった。
    普段SFを読まないので、読み終わってからみなさんの感想を読んでから、こういうのがSFなんだと妙な感動を覚えてしまいました。

  • 「リング」からこの「ループ」という結末に至ると誰が予想しただろう。あとがきにも「次作の構成はなかった」と書いてあったので、作家の脳内と小説の自由度の凄みを感じた。どこまでも羽ばたける。恐怖!呪いのビデオから、世界の謎に迫る物語に変身。

    正直なんのこっちゃと思いながら読み進めましたが、面白かった。個人的にはリング>ループ>らせん、です。今作はホラーじゃなくてSF。
    今作は貞子が1回も登場せずなのがウケる。彼女にロックしてループ世界を見るシーン欲しかったな。

    結局、過去2作は上位存在が創った仮想世界(?)でした、という壮大な世界観のネタバラシがあるせいで個人の問題は最早どうでもよくなっちゃうのだが、貞子やリングウィルスはバグ的な存在だったということ?その辺りの説明はループを創った当人達も分からない、という感じだったような…
    また、ループと現実は相互関係にあるので、馨こと竜司がループのガン化を阻止しても、馨くんの遺伝子を持つ子が現実世界に生まれたらまたなんやかんやありそうですよね。

全161件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

千葉中央メディカルセンター勤務。認定理学療法士(代謝)、呼吸療法認定士、糖尿病療養指導士、住環境福祉コーディネーター2級。

「2018年 『リハビリのプロがすすめる 健康寿命を延ばす1000冊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鈴木光司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×