- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041880067
感想・レビュー・書評
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面白かった。
途中旅のシーンで少し中弛み感があったが、ループというプロジェクト、なぜ世界がガン化しはじめたのか、最後の螺旋のシーンへと繋がる部分など怒涛の伏線回収はお見事。
ループは現実世界の物理条件を完全に再現した仮想空間であるのに、生命の自然発生はしなかった。
なので神が操作を加えた。
→ということは、現実世界でも生命の自然発生はなかったはずなので、神が操作を加えた。
→現実世界にも上位概念となる「世界」がある。
この背理法的な考え方好きです。
よく世界はパラレルワールドでいろんな世界が同時に存在しているっていうのがポピュラーなのかなと思ったけど、この小説を読むと並列というよりかは直列に世界が存在しているのかもしれない。
ガン化とは、細胞が多様性をなくすこと。
なんとなくだが、人間に当てはめると学ぶ姿勢や意欲を失って毎日同じように過ごしていくのはガン化を示唆しているのかも。 -
内容
科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。しかし父親が新種のガンウィルスに侵され発病、馨の恋人も蔓延するウィルスに感染し今や世界は存亡の危機に立たされた。ウィルスはいったいどこからやって来たのか?あるプロジェクトとの関連を知った馨は一人アメリカの砂漠を疾走するが…。そこに手がかりとして残されたタカヤマとは?「リング」「らせん」で提示された謎と世界の仕組み、人間の存在に深く迫り、圧倒的共感を呼ぶシリーズ完結編 -
『らせん』が一作目の続編だとするなら『ループ』は広がった物語を再度収束させるような作りになっていた。ホラー作品の代名詞みたいに思っていたけどシリーズが進むにつれてオカルト要素は次第に影を潜め、三作目に至ってはもはやサイエンスフィクションの趣になってしまった。読み進めるごとに前作の見方が変わっていく作りは見事。
ただ惜しむらくはどうしても蛇足感が否めないこと。『リング』の完成度があまりにも高かったので続編のストーリーがどうしても納得できない気持ちがある。浅田の家族愛が、竜二の知的欲求が、山村貞子の怨念が、バーチャル世界での出来事だったというのはどうにも釈然としない。これが全く独立した作品だったなら素直に楽しめたのかもしれないのだけど。『リング』は常識じゃ説明できない超常現象を理屈で追及していく過程が最高に面白かったのであって、読み終えてもまだ人知の及ばぬ「何か」を想像する余地が残されていた。だからそれを全部説明されちゃうと興ざめってのもあるんだよね。
まあなんだかんだ言ってもつまらなかったわけではなく小説としては充分に楽しめたといえる -
という事で最終章『ループ』。
そこそこ面白いものの、あくまで『リング』、『らせん』のおまけ。
前2作を読んだ人はそこそこ楽しめるでしょう。
カテゴリは前2作の関係からホラーにしましたが、実際SFミステリーでしょう。
2010/5/14
『リング』、『らせん』はすばらしかった。
さらなる続編に良作なしなので敢えて読んでませんでしたが、最近「おもしろい!」という評価を目にしたので読んでみようと思いました。
amazon評価でも☆4ですね。 -
発想はすごく好き!
ただ文系人間としては理解できない単語が多く登場してくるので読み飛ばしてしまう箇所があった。
普段SFを読まないので、読み終わってからみなさんの感想を読んでから、こういうのがSFなんだと妙な感動を覚えてしまいました。