緋色の研究 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042982210

感想・レビュー・書評

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  • ホームズとワトスンの会話が面白いので、ひきこまれる。
    頭脳明晰なホームズの鋭い推理の描写を読んで、コナン・ドイルもまた素晴らしく観察眼・推理力の優れた人だったのだろうと思った。
    翻訳が読みやすい文章になっているので、一気に読めた。

  • ホームズは青少年時代幾つか読んだはずだが、緋色の研究は初めてだった。BBCの現代SHERLOCKの再放送を見て、元はどんな話なんだ? と思って今更ながら読んだら、思ったより面白かった(青少年時代はホームズにははまれなかった)。
    ワトスンは、ちょっと鈍い幇間役のように思っていたが、ナルシストのホームズを褒め上げて(しかもナチュラルに)喜ばせていて、結構掌の上で転がしてる小悪魔じゃないかと思った。

    クラシックな因縁話を、探偵の語りや犯人の告白によるのではなく、それはそれで語っていて、映画的というか、映像化したらそれは再現映像でいくよね、というのを小説で実現しているのが新鮮だった。しかし、このネタは確かに今このまま使うのは無理だろう。
    過去の因縁の被害者については、そんな待ってないで今すぐ逃げて~、とか、そんな長時間2人を置いてっちゃうなんてなんてバカなの~、とかもどかしかったが、そこで助かっちゃ話にならないから仕方ないか。

    ホームズの推理は、そんな奇抜でもなく、発想に頼るわけでもなく、現代警察だったら通常の捜査で犯人突き止められたろう、という常識的なものだった。

    (BBCシャーロックは、導入部は意外なくらい原作に忠実だということがわかった。後半は全然違ったけど。肝心の殺害方法は、ドラマのように、確実に毒を選ばせる方法(ドラマでも明らかにされなかったが)があるとかではなく、ガチ勝負だったし。)

  • ホームズは高校生までに全作読破済みでこれまでにもふと読みたくなっては何度も再読を繰り返してきた。ので、初読ではないが、こちらの訳では初読。へえ、こんなの出てるんだ、と表紙につられて思わず購入した。そんなに物凄く違いはしないけど、なんとなく、軽い感じ。でも、読みやすくはなってるような。。。
    とそれはともかく、緋色の研究。
    これはもう言わずと知れたホームズの第一作目にして、ワトスンくんと出合いベイカー街221番地Bでともに暮らし始める記念すべき作品。
    ホームズの長編ではバスカヴィル家の犬が一番好きなのだが、やっぱり緋色の研究も外せない。
    面白かったのが、読みながらついつい折ってしまうドッグイヤーが他の訳のものとおんなじ所につけていたこと。何回読んでも好きなところは好き。
    そういえば、米大統領選の話題でモルモン教と聴いて最初に思い浮かんだのがこれだったなという記憶も新しい。
    ともあれ、ホームズは最高だ。

    • jardin de luneさん
      海外ものは苦手なのでミステリの有名どころも読んだことがないのですが、「緋色の研究」は前々から読んでみたいとおもっていました。面白いのですね…...
      海外ものは苦手なのでミステリの有名どころも読んだことがないのですが、「緋色の研究」は前々から読んでみたいとおもっていました。面白いのですね…うん、やっぱり読んでみないと。と、心に決めました。
      2012/08/26
    • りいこさん
      ホームズはおすすめですよ。というか、私の場合、ミステリは基本的に海外物から入ってホームズあたりが原点なので思い入れが強いということもあり、レ...
      ホームズはおすすめですよ。というか、私の場合、ミステリは基本的に海外物から入ってホームズあたりが原点なので思い入れが強いということもあり、レビューも評価もかなり身贔屓が強いとは思いますが。。
      でも、「緋色の研究」は有栖川さんの「朱色の研究」とも多少関係がありますしね、ここは是非。^^
      2012/08/26
  • ホームズ物は、何度読み返しても新しい発見があって面白い!特に映画やドラマを見た後には再読したくなるのがホームズなのですよね~(^^)第二弾、面白かったです!映画のロバート・ホームズもかなりいいですが、私はジェレミー・ホームズ推しです(^^)ドメジャーですね…
    あ、でもワトソンはジュード・ワトソンが好き~(//v//)
    ワトソンがおデブさんって定型はドラマで作られてるんですよね。原作では太っちょな描写は(多分)無い筈なのに、ぽっちゃりイメージが定着しちゃったワトソン君、ドンマイ(笑)。
    あと、今回改めて読み込んで気付いたけど、緋色の研究のホームズ、今の私と同い年~\(^o^)/ギャー

    閑話休題。ホームズとワトソンの馴れ初め話、緋色の研究です。
    ホームズの人物像や独自の捜査をしっかり描写したシリーズ導入作。ワトソン君、最初からホームズの慧眼に素直に感心しきりなのが可愛い(笑)。もうちょっと「こいつ頭大丈夫か」「一杯食わされてるのかも」な描写があったような気がしたんだけどなあ、気のせいでした(^^)多分パスティーシュとごちゃ混ぜになってるな…

    嫌に「スコットランドヤードに手柄を奪われる」ことに反感を持ってるホームズがちょっと新鮮でした。レストレイド警部に花を持たせてやるべ、な余裕は後年の物だったのね…

    その痕跡で、どうしてそこまで推測できる⁈な推理多数ですが、ワトソン君は感心一徹で突っ込めないし、検討外れな捜査合戦を繰り広げる警部二人は滑稽だし、今読むとちょっとおバカさん多すぎるなあ(笑)。
    第二章の犯人の回想と、結末の切なさがシリアスに舵を戻してますが、最後の最後で結局「手柄横取りのスコットランドヤード」にホームズがチクリとやってるのが楽しい(笑)。
    改めて読んだら犯人当てじゃないですね。ホームズの神業推理と、周りのキャラ達のドタバタが楽しめるホームズデビュー作です(^^)



    戦争で心身共に傷を負い、暫くの間政府の見舞金で怠惰に暮らしていたワトソン。そろそろ資金も尽きかけ、同居人を探そうと考え始めた彼に紹介されたのは、科学実験に傾倒する奇妙な男だった。「アフガニスタンに行っていましたね?」初対面でワトソンの過去を言い当てた彼こそ、知る人ぞ知る名探偵シャーロック・ホームズだった!
    後に数々の事件に探偵&助手として取り組んでいくホームズとワトスンがベイカー街に一緒に住むようになった経緯と、初めて取り組んだ事件。

    • Yoshi_Navyfieldさん
      この本に、最初に出会ったのは、小学校の図書室で子供向けに訳されたものでした。
      タイトルは「赤い文字の秘密」(笑)
      第二部の冒頭で挫折すること...
      この本に、最初に出会ったのは、小学校の図書室で子供向けに訳されたものでした。
      タイトルは「赤い文字の秘密」(笑)
      第二部の冒頭で挫折すること二回!三回目でようやく読み終えたことを覚えてます。
      その後、新潮文庫で全作を揃え、何度か読み返してるはずなのですが、今回のめえこさんのレビューを読んで、「へぇー、そうやったっけ!?」とか「そういう捉え方もできるな」と思わされるところがいっぱいあったんで、また読んでみたいと思います。
      2012/04/01
  • ホームズとワトスンの出会いの話。
    ホームズの変人ぷり・奇才ぷりが存分に発揮されていて、とにかくどきどきする。
    ホームズは推理モノではなく、「探偵小説」なのだなあということを改めて思い知った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「推理モノではなく、「探偵小説」」
      上手い表現ですね!
      「推理モノではなく、「探偵小説」」
      上手い表現ですね!
      2012/04/13

  • 1.おすすめする人
    →探偵小説がすき、イギリスに興味がある、
     短編集がすき。

    2.感想
    →シャーロックホームズと言えば「緋色の研究」
     シャーロックホームズとワトスンの出会いから
     2人で初めて取り組んだ事件の記録。
     第1部は事件を追う内容、
     第2部は犯人がなぜその犯行を行うに至ったかが
     冒険譚と共に明白となっていく様。
     第2部を読むと、切なく、
     犯人に同情してしまう。
     読み応えかなりあり!!!

  • 「緋色の研究」というタイトルからは想像できない程のスケールの大きい物語。始まりはロンドンの小さな空き家で起きた殺人事件が、終わってみれば発端はアメリカの宗教都市に始まった長い復讐劇の終幕。ホームズはホープを僅か3日で捕まえたが、ホープは何年も機会を逃し続けそれでも諦めるこなくヨーロッパを渡りロンドンまでやって来た。目的の為に命を削りながら、ついに宿願を果たしたホープは裁判を前に息絶える。個人的には、一夜にして大切な人を失った彼のことを誰も裁くことはできないし、裁く権利はないという意図のように思えた。

  • 幼い頃からドラマや古い単行本でも読んでいましたが、ワトソンがホームズに出会ったきっかけや同居してる理由などについて知りませんでした。

    本作は、お互いの過去、2人の出会い、最初の事件対応、そして、今回の被疑者の観点から見た過去が主幹となっております。

    後半が被疑者の過去、つまり事件の動機につながる背景が描かれているのですが、「これだけの仕打ちを受けて、よくここまで策略立てる落着きがあったなぁ」と思いますし、かなり同情の念があります。
    結末は彼なりに幸せになれたのかなと。

  • シャーロックホームズの名前は知っていても作品自体は読んだことがなかった。古典のイメージとは異なり、薄くて読みやすいものであった。
    第二部は、事件とは時代も場所も異なる場面から始まった。これがどう事件に関連していくのかドキドキしながら読んだ。

  • ホームズとワトソンの原点という意味でも、1人の人間が殺人をするに至る理由をとても壮大に描いているという意味でも、どっちにしてもとても面白かったです。
    ホームズという探偵の非凡さの描かれ方、ワトソンがいかにして彼の才能に魅入られたかがわかるお話でもあり、今後のシリーズを読みたくなるような、そんな作品でした。

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著者プロフィール

アーサー・コナン・ドイル(1859—1930)
イギリスの作家、医師、政治活動家。
推理小説、歴史小説、SF小説など多数の著作がある。
「シャーロック・ホームズ」シリーズの著者として世界的人気を博し、今なお熱狂的ファンが後を絶たない。

「2024年 『コナン・ドイル⑥緋色の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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