- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043625031
感想・レビュー・書評
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同著者の「下山事件」は私には難しくて最後まで読めなかったが、こちらは数ページのコラムがたくさん入ったものなので読みやすく、また著者の考え方の特徴を知ることができた。
内容に同調できる部分とできない部分があったということは置いておいて、書き方が弱気だと思う。
自分は大した人間ではない。
自分の意見が全く正しいとは思っていない。
といった自虐が、随所に書かれており、なんだかんだで批判や人の目を気にするタイプだなと感じた。
追記:
>森達也さんは、切れ味鋭いとか、客観的でわかりやすいとか、そういう表現者じゃない。逡巡し、矛盾を抱え、右往左往している。そしてときに感傷的だったりもする。だから私は彼のことが信頼できるんだと思う。
というレビューを書いている人がいて、納得した。
なるほど、そうかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アザラシの命の尊さを声高に叫びながらホタテの命をゴミのように扱ったり、在日外国人に選挙権を与えずにアザラシに住民票を交付することの矛盾に対して、不感症にはなりたくない。
考えさせられる。
四半世紀以上生きてきて、まだまだ知らないことがたくさんある。 -
世の中納得いかないことだらけで、嫌なニュースが溢れていて、多くの人が怒っていて、そのことについて私自身も色々な思いを抱くにもかかわらず、うまく言葉に出来ない。けれど、主流に流されずに、とりあえずそのモヤモヤを自覚すること、首を傾げることだけは止めちゃいけないと思った。
この本を読んでいるとなんだか涙が出そうになった。この世の中を形成しているのは、「あの人たち」とかじゃなくて「私たち」だから。 -
はじめて読んだのは高1の時。
自分達の選んだ党の党首、首相が決めたことは選んだ自分達にも責任があるという考え方は大変センセーショナルだった。政治参加はなんて重いことだと関心した。今でもよく読む。社会参加への思想の根幹。 -
森サンにお会いする前に読んでおきたかったと…
かなり後悔しています。
やっぱり凄い人だなぁと。
こういった考え方ができるのは、森サンしか
いないんじゃないかって思う。
自分とは全く違う視点から、物事を見る。
何かを観察する力。
教えてもらいました。
私も死刑制度に関しては、疑問を持っています。 -
世界、社会に対する「無自覚」や「無関心」といった思考麻痺の恐さ。
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これは、私の人生を変えた本の中の一冊ですね。衝撃だった。
当たり前で気付かないような、日常の一部過ぎて皆が通り過ぎてしまうようなことに気付く森さん。
それを重く書くのではなくカラッと(←カタカナがポイント)笑わせて、ずんっ…と読者に何かを残す問い方をしてくる。
いや、ちがうかもな、問うてもいないのかもな。ぶつぶつ呟いてる感じ。でもそれが残るんだよね、ずんっ…て。
森さん、テレビでしか拝見したこと無いんですが、カタカナで笑いそう。笑い声がカタカナなイメージ。カラカラ笑いそう。あ、イメージね、イメージ。
気になった方は86頁から3頁だけ、立ち読みすると良いと思う。「タマちゃんを食べる会」。
ちょっと、生きるというか、世界を見渡す目が変わりそうな一冊。
カラカラカラ。 -
前半は、全うすぎて読んでて疲れる、私って全うなことを聞き続けてると疲労しちゃう、と思ってたけど、オウム裁判の判決のあたりから、後半は面白かった。メディアについて考えて本出してる人、いろいろいるんだな。
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やっぱり好きです。森達也。
まだまだ読みます。 -
(「BOOK」データベースより)
地下鉄サリン事件から11年、9.11から5年。イラク戦争から3年…。過剰な善意や偏ったヒューマニズムが蔓延する中、いま僕たちはかつてないスケールの麻痺を抱えて生きている。一方テロへの不安から社会は異質の者への憎悪を加速し、管理統制下の道を辿り続ける。この現実を前に僕らは「一人称の主語」で思考しているか。他者へ想像力を馳せているか。いま最も信頼できるドキュメンタリー作家が煩悶しながら問いかける、まっとうな「日常感覚」評論集。