世界が完全に思考停止する前に (角川文庫 も 13-3)

  • KADOKAWA
3.72
  • (45)
  • (67)
  • (77)
  • (4)
  • (5)
本棚登録 : 505
感想 : 67
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043625031

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 同著者の「下山事件」は私には難しくて最後まで読めなかったが、こちらは数ページのコラムがたくさん入ったものなので読みやすく、また著者の考え方の特徴を知ることができた。

    内容に同調できる部分とできない部分があったということは置いておいて、書き方が弱気だと思う。

    自分は大した人間ではない。
    自分の意見が全く正しいとは思っていない。

    といった自虐が、随所に書かれており、なんだかんだで批判や人の目を気にするタイプだなと感じた。

    追記:
    >森達也さんは、切れ味鋭いとか、客観的でわかりやすいとか、そういう表現者じゃない。逡巡し、矛盾を抱え、右往左往している。そしてときに感傷的だったりもする。だから私は彼のことが信頼できるんだと思う。

    というレビューを書いている人がいて、納得した。
    なるほど、そうかもしれない。

  • アザラシの命の尊さを声高に叫びながらホタテの命をゴミのように扱ったり、在日外国人に選挙権を与えずにアザラシに住民票を交付することの矛盾に対して、不感症にはなりたくない。

    考えさせられる。

    四半世紀以上生きてきて、まだまだ知らないことがたくさんある。

  • 世の中納得いかないことだらけで、嫌なニュースが溢れていて、多くの人が怒っていて、そのことについて私自身も色々な思いを抱くにもかかわらず、うまく言葉に出来ない。けれど、主流に流されずに、とりあえずそのモヤモヤを自覚すること、首を傾げることだけは止めちゃいけないと思った。
    この本を読んでいるとなんだか涙が出そうになった。この世の中を形成しているのは、「あの人たち」とかじゃなくて「私たち」だから。

  • はじめて読んだのは高1の時。
    自分達の選んだ党の党首、首相が決めたことは選んだ自分達にも責任があるという考え方は大変センセーショナルだった。政治参加はなんて重いことだと関心した。今でもよく読む。社会参加への思想の根幹。

  • 森サンにお会いする前に読んでおきたかったと…
    かなり後悔しています。

    やっぱり凄い人だなぁと。
    こういった考え方ができるのは、森サンしか
    いないんじゃないかって思う。

    自分とは全く違う視点から、物事を見る。
    何かを観察する力。
    教えてもらいました。

    私も死刑制度に関しては、疑問を持っています。

  • 世界、社会に対する「無自覚」や「無関心」といった思考麻痺の恐さ。

  • これは、私の人生を変えた本の中の一冊ですね。衝撃だった。

    当たり前で気付かないような、日常の一部過ぎて皆が通り過ぎてしまうようなことに気付く森さん。
    それを重く書くのではなくカラッと(←カタカナがポイント)笑わせて、ずんっ…と読者に何かを残す問い方をしてくる。
    いや、ちがうかもな、問うてもいないのかもな。ぶつぶつ呟いてる感じ。でもそれが残るんだよね、ずんっ…て。


    森さん、テレビでしか拝見したこと無いんですが、カタカナで笑いそう。笑い声がカタカナなイメージ。カラカラ笑いそう。あ、イメージね、イメージ。


    気になった方は86頁から3頁だけ、立ち読みすると良いと思う。「タマちゃんを食べる会」。


    ちょっと、生きるというか、世界を見渡す目が変わりそうな一冊。


    カラカラカラ。

  • 前半は、全うすぎて読んでて疲れる、私って全うなことを聞き続けてると疲労しちゃう、と思ってたけど、オウム裁判の判決のあたりから、後半は面白かった。メディアについて考えて本出してる人、いろいろいるんだな。

  • やっぱり好きです。森達也。
    まだまだ読みます。

  • (「BOOK」データベースより)
    地下鉄サリン事件から11年、9.11から5年。イラク戦争から3年…。過剰な善意や偏ったヒューマニズムが蔓延する中、いま僕たちはかつてないスケールの麻痺を抱えて生きている。一方テロへの不安から社会は異質の者への憎悪を加速し、管理統制下の道を辿り続ける。この現実を前に僕らは「一人称の主語」で思考しているか。他者へ想像力を馳せているか。いま最も信頼できるドキュメンタリー作家が煩悶しながら問いかける、まっとうな「日常感覚」評論集。

全67件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。テレビ番組制作会社を経て独立。98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i-新聞記者ドキュメント-』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ』(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)など多数。

「2023年 『あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森達也の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
遠藤 周作
石田 衣良
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×