フライ,ダディ,フライ (角川文庫 か 50-3)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
4.06
  • (347)
  • (346)
  • (201)
  • (32)
  • (9)
本棚登録 : 2664
感想 : 285
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043852031

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読後感爽やかで気持ちのいい作品でした。
    鈴木氏と奥さん、娘の遥さんの穏やかな3人家族の描写も織り交ぜながら、鈴木氏の生まれ変わりとでも言うようなトレーニングの日々、一緒に走り抜けるような感覚で一気に読んでしまいました。
    朴君や山下君の微笑ましい?エピソード、魅力のあるキャラクターも私のお気に入り。
    今よりもっと若い頃に読んだ時は、高校生の登場人物達に感情移入して読んでいたのですが、
    今は鈴木氏の、情けなさ、娘への愛、家族への想いに深く感情移入しました。
    だからこそ、最後に鈴木氏が、
    世界は素晴らしい!
    と思えたラストには希望を感じました。

  • お父さん、やれば出来る、寧ろ出来過ぎです。娘がぼこぼこにされ、怒りが不完全燃焼のまま話を終了させられ、最後の手段に出たものの学校間違っちゃったり。間違ったおかげで、とんでもない奇跡が起こってしまうから結果オーライですね。もうお父さんが可愛い、いいなこんな父。テヘッて笑う姿が見たいので、映画も見ようかと思うくらいよかったです。ただ最後が少しあっさりだったのでもう少し後日談がほしかったような気もします。

  • 愛娘・遥が暴力事件の被害者になった。
    怪我をして病院に担ぎ込まれた遥を見て、動揺した父・鈴木一はつい娘を責めてしまう。
    娘には何の落ち度もなかったのに・・・。
    遥を殴り怪我を負わせたのは、ボクシングで高校総体三連覇を目前にした石原という男だった。
    娘を守ってやれることを証明したい!
    鈴木は意を決して包丁を手に石原の高校に向かったのだが・・・。
    どこか抜けている鈴木は、「頑張れ」と応援したくなるキャラクターだ。
    決死の覚悟で乗り込んだ高校はまったく関係のない別の高校。
    在日朝鮮人の朴舜臣にあっけなく倒されてしまう。
    朴の友人たちを巻き込んだ鈴木のひと夏の挑戦が始まる。
    鈴木と朴がスニーカーを買いに行った先で幼子に見せる朴の優しい笑顔。
    直後に不良に絡まれ、情け容赦のない攻撃を仕掛ける朴。
    ナイフで刺されたことにも気づいていない朴を見て、鈴木はなぜか怒りを感じる。
    朴が胸の内にかかえている怒りと、本来の優しさのギャップが哀しい。
    通勤のために乗っていたバスと競争する鈴木。
    少しずつトレーニングの成果が出始め、最後に勝てたときの運転手や乗客たちの反応があたたかい。
    印象的な場面が数多くある物語だった。

    自分の弱さと向き合うことは、とても難しい。
    この物語は、向き合った先にあるものをみせてくれる。
    読み終わったあとに優しくあたたかな気持ちにさせてくれる物語だった。

  • 2/425

  • 気持ちいい。
    主人公の鈴木さんは自分を責めてばかりいるし、直前になっても腰が引けてるし、かなり歯がゆい。
    でも、殆どの人間が彼みたいな反応なんじゃないのかな?彼のリアクション、かなりノーマルで当たり前のものなのでは?
    いろんな悩みや弱さや痛みを乗り越えて、娘のために戦った鈴木さんは、格好いいのでは?

    対決の場面、最後に我に返って手を離した鈴木さんが一番かっこいい。
    私なら最後までやっちゃうんだろうなあ。

    あと、山下が好き!
    頑張れ山下!お前は愛されてるぞ!
    …笑いの神に。

    ひさしぶりに、本格的に身体を動かしたくなりました。

  • 昔からこの話が大好き。弱い自分を見つめて、努力して成長する姿が好きなんだろうな。あと単純に強い舜臣がかっこいい。
    自分の半径1メートルの中で生きていくって、とても平和で暖かくて生きやすいんだけど、そこだけで生きてたら増えてはいかない。守るだけじゃ、増えない居場所。だからその暖かい居場所から、一歩踏み出して殻を破って自由に動き回る。そのことを教えてくれるのがゾンビーズ。
    自分だけが大事な大人と違って、あきらめずに立ち向かう勇気、ほしいなぁ。

  • 出来過ぎなストーリーだけど、嫌いじゃない。フレフレおとーちゃん!と声をかけたくなる、そしてその姿に勇気をもらえる作品。

  • 評価は2

    内容(BOOKデーターベース)

    鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは―。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは―ザ・ゾンビーズの面々だった!脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる。

    確か・・・映画化されたのでは?と思うが・・・娘の敵をとるためってのは分かるが、何故この方法なのか?最後まで同調出来ず。
    しかも、あまりに周囲に役者が揃いすぎ・・・

  • 在日朝鮮人の役柄が余りにも美化されすぎているのがとても気になるけど、スポ根っぽくてこういうのも良いんじゃないかなあ。
    正直娘が殴られたのに警察にも届け出ずに、自分自身が体を鍛えて復讐しようとする父親って、娘から見たら自慰もいいところだと思うけど・・・

  • サクサク読めて面白かった。

    ただ残念なのは前作で主人公だった南方の『クレバーな切れ者キャラ』が随分と弱くなっているとこですね。
    スンシンのかっこよさだけが引き立ってる感じ。
    『ゾンビーズシリーズ』ではあるものの、
    外伝って感じが否めない気はする。

    まぁ、でもかなり面白いのは確かですね♪
    #flydaddyfly #フライダディフライ

全285件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1968年埼玉生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1988年「レヴォリューションNo.3」で第66回小説現代」新人賞を受賞。2000年『GO』で第123回直木賞を受賞。

「2020年 『映画篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金城一紀の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×