フライ,ダディ,フライ (角川文庫 か 50-3)
- 角川グループパブリッシング (2009年4月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043852031
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
愛娘・遥が暴力事件の被害者になった。
怪我をして病院に担ぎ込まれた遥を見て、動揺した父・鈴木一はつい娘を責めてしまう。
娘には何の落ち度もなかったのに・・・。
遥を殴り怪我を負わせたのは、ボクシングで高校総体三連覇を目前にした石原という男だった。
娘を守ってやれることを証明したい!
鈴木は意を決して包丁を手に石原の高校に向かったのだが・・・。
どこか抜けている鈴木は、「頑張れ」と応援したくなるキャラクターだ。
決死の覚悟で乗り込んだ高校はまったく関係のない別の高校。
在日朝鮮人の朴舜臣にあっけなく倒されてしまう。
朴の友人たちを巻き込んだ鈴木のひと夏の挑戦が始まる。
鈴木と朴がスニーカーを買いに行った先で幼子に見せる朴の優しい笑顔。
直後に不良に絡まれ、情け容赦のない攻撃を仕掛ける朴。
ナイフで刺されたことにも気づいていない朴を見て、鈴木はなぜか怒りを感じる。
朴が胸の内にかかえている怒りと、本来の優しさのギャップが哀しい。
通勤のために乗っていたバスと競争する鈴木。
少しずつトレーニングの成果が出始め、最後に勝てたときの運転手や乗客たちの反応があたたかい。
印象的な場面が数多くある物語だった。
自分の弱さと向き合うことは、とても難しい。
この物語は、向き合った先にあるものをみせてくれる。
読み終わったあとに優しくあたたかな気持ちにさせてくれる物語だった。 -
2/425
-
気持ちいい。
主人公の鈴木さんは自分を責めてばかりいるし、直前になっても腰が引けてるし、かなり歯がゆい。
でも、殆どの人間が彼みたいな反応なんじゃないのかな?彼のリアクション、かなりノーマルで当たり前のものなのでは?
いろんな悩みや弱さや痛みを乗り越えて、娘のために戦った鈴木さんは、格好いいのでは?
対決の場面、最後に我に返って手を離した鈴木さんが一番かっこいい。
私なら最後までやっちゃうんだろうなあ。
あと、山下が好き!
頑張れ山下!お前は愛されてるぞ!
…笑いの神に。
ひさしぶりに、本格的に身体を動かしたくなりました。 -
昔からこの話が大好き。弱い自分を見つめて、努力して成長する姿が好きなんだろうな。あと単純に強い舜臣がかっこいい。
自分の半径1メートルの中で生きていくって、とても平和で暖かくて生きやすいんだけど、そこだけで生きてたら増えてはいかない。守るだけじゃ、増えない居場所。だからその暖かい居場所から、一歩踏み出して殻を破って自由に動き回る。そのことを教えてくれるのがゾンビーズ。
自分だけが大事な大人と違って、あきらめずに立ち向かう勇気、ほしいなぁ。 -
出来過ぎなストーリーだけど、嫌いじゃない。フレフレおとーちゃん!と声をかけたくなる、そしてその姿に勇気をもらえる作品。
-
サクサク読めて面白かった。
ただ残念なのは前作で主人公だった南方の『クレバーな切れ者キャラ』が随分と弱くなっているとこですね。
スンシンのかっこよさだけが引き立ってる感じ。
『ゾンビーズシリーズ』ではあるものの、
外伝って感じが否めない気はする。
まぁ、でもかなり面白いのは確かですね♪
#flydaddyfly #フライダディフライ