ダンジョン飯 1巻 (ハルタコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 346
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047301535

感想・レビュー・書評

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  • 昨今の食をテーマとした漫画のブームは抑圧された性的欲求の代替行為である、とかなんとか適当な評論を言い出す人がでそうなくらい食を扱った作品は濫作されている。そのなかで確固とたオリジナリティを持つのがこの作品だ。
    ダンジョンRPGな世界で飯を食う、だけならまだしもこの主人公は敵となる魔物の巣窟であるダンジョン内で自給自足をはじめようとする。食料は魔物やダンジョン内に生息するもの、作品世界でも普通の人間はしない所詮はゲテモノ食いである。しかし、ただ荒唐無稽に奇をてらったテーマを設定している訳ではなく主人公がダンジョン内で自給自足をはじめようとするのにはきちんとした理由がある。
    この作品の面白さは徹底した設定により空想世界を現実に落とし込んでいるところだ。描かれる食をメインとしたダンジョン内での生活や魔物の生態のディティールの細かさが読者に歩き茸やスライム、バジリスクという現実ではあり得ないものの味を説得力を持って想像させる。出来上がった料理が実在の料理と大差ないのが余計に味の想像を七色のものから「◯◯に似た味なのだろうか?」と現実味を帯びさせる。まさか動く鎧の味を想像することになるとは、発想に一番驚いた食材だ。
    そして主人公たちがダンジョン内で自給自足をする理由となったストーリーも少しずつ進行してゆき、2巻では怪しげな伏線も登場し始める。彼らの“冒険”の中での生活も非常に面白いのだが”冒険”自体もこれからどうなるのか興味深い。
    個人的に絵柄とキャラクターの表情の豊かさがとても好み。特にマルシルがオーバーリアクションで表情がコロコロ変わりとても可愛い。グルメ漫画にありがちな女性の発情したような表情の食事シーンが好きじゃないのでマルシルの素直な「おいしい」表情が非常に好ましい。
    これからどんな生物をどのように理屈付けして料理してくれるのかワクワクする。
    ダンジョン飯できるものなら再現したい。

    本編とは別の雑感としては、スライムやゴーレム、ミミック、動く鎧などRPGにでてくる定番の生物がある程度共通概念として伝わることが凄いなと思った。一番の功績はやはりゲームだろうか?偉大さを感じる。

  • もともと九井諒子さんの短編集が大好きだったが、人気が集まるとなかなか読む気にならない天邪鬼病が発動してなかなか読まなかったが、このたびようやくきちんと読めた。かなり丁寧なダンジョンモンスターの生体とその調理法はさるものながら、九井さんならではの脱力するような不条理が随所にちりばめられていて、やっぱり好き。あと、かわいい絵柄とはミスマッチなほど、人の命が軽い作品でもある。

  • モンスターをオタク的に愛するあまり
    これを味わい、己の血肉にしたいと願う戦士ライオスが
    片足つっこんでるフェティシズムの深淵それは
    「他者」としての人間とモンスターの境界線をあいまいにし
    なおかつ「自己」と「他者」の境界線をあいまいにする
    まさにサイコパスの、狂気の世界なんだ
    だけど彼の人間らしさをかろうじてつなぎとめているようでもあるのが
    仲間たちと火を囲み、食事を囲むというその行為
    やはり人間を人間とするのは家庭的な関係性なんだなあ
    しかし、本当の身内である妹がパーティーに復帰したときどうなるか
    それはまだわからない

  • モンスターを食べる――しかも、おしいく料理して食べる――なんて!
    その発想はなかったwww

    フォーチュンクエストみたいな、かわいくておいしい話なのかなと思ってたら違った
    がっつりモンスター飯だったw

    ダンジョンのトラップを調理に使うって、きっと仕掛けた人は悔しがってるだろうなw

    これ、ちゃんとルールブックつくってTRPGにすればいいのに
    あったら遊びたい(笑)

  • カテゴリはファンタジーでいいのかな?
    とりあえず冒険はしているものの、まさかのモンスター調理漫画(笑)しかも美味しそうに見えるから恐ろしい。ストーリーを進めるごとに主人公のライオスがただのモンスターオタクと化していくのも笑える。しかしこのパーティー、本当に全力で戦ったら強いのかな…

  • ハルタで毎号読んでいるが、好きすぎて単行本も購入。
    ダンジョンで自給自足したら……普通の動植物を食べることはできないわけで……。
    当然、というか必然というか、モンスターを捕まえて食べることになるわけで……。
    グロになってしまいそうなのに、あれ? 寧ろ美味しそう……。
    九井さんは食べ物を描かせると、本当に美味そうに描くから困った。
    読むたびにちょっと食べてみたいかもと思わせる説得力がある。

  • 架空の料理!楽しい!魔女図鑑やらフォーチュンクエストやらのわくわく感を思い出す。

  • ダンジョン内で倒した魔物を美味しく料理してそれを食べる自給自足冒険ファンタジー。確かに戦ってたら腹も減るわな。魔物を料理する!という斬新な切り口で描かれた冒険モノで、笑って楽しく読めた。バジリスクのローストとか卵のオムレツとかは美味しそうだったな(笑)動く鎧すら食べてみたいと思っていたライオスは強者wwあとセンシがいないと話は進まんだろうね〜。料理人がいなくなるから。常識人マルシル頑張れ(笑)あとチルチャック、最初は女の子だと思ってたww

  • 期待の九井諒子さん!お得意のファンタジー×リアリズム!面白くないわけがない!
    ……とちょっとこの評価じゃ信者過ぎるかな。他の人の評価だと、生々しすぎてエグいとか、たまに挟まれるブラックジョークが苦手って人もいるみたい。
    個人的にはそこが面白いんだけどなぁ。スライムの生態とか生っぽくてギャグっぽいんだけどいちいちそれっぽいとことか。デスギャグも厳しさを直視しているようで好きだな。
    一番笑ったセリフは「アイツ魔物の話になると早口になるの気持ち悪いよな」これ互いに領分をこなして命を預けあう、かつ長い時間をともにするパーティーの距離感を絶妙に示しつつ笑いにするすげーセリフと思う。
    ちなこれ初版発行3日後に2刷。いわゆる発売前から重版決定!ってやつみたいだね。初版を意図的に減らすケースもあるかもだけど、注目されてきたようで嬉しい限り。

  • ダンジョンの深層でドラゴンと戦い、あわや全滅の危機。ファリンが魔法で仲間を脱出させるが自らはドラゴンに食われてしまう。
    兄のライオスはすぐにでも救いに行きたいが、パーティーからは2人が離脱。残ったのはエルフの魔法使いマルシルとハーフフットの鍵師チルチャック。
    しかし腹は減っているが金はない。ファリンが消化されてしまうまでに救い出したいので時間もない。
    仕方ない。とりあえず魔物を料理して食べてみることにするライオス。やけに嬉しそう。
    ドワーフの優しいおじさんセンシが親切にクッキング方法をアドバイスしてくれる。ダンジョン飯、レシピもあるよ。

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著者プロフィール

pixivやコミティアで活動し、2011年、短編集『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』でデビュー。13年『ひきだしにテラリウム』で、第17回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞。14年より「ハルタ」にて連載開始した『ダンジョン飯』は、「2015年度コミックナタリー大賞」「このマンガがすごい!2016」オトコ編、「THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め!」「全国書店員が選んだマンガランキング2016」と数々の賞で1位を獲得した。

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