断章のグリムXIいばら姫・下 (電撃文庫 こ 6-24)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048679398

感想・レビュー・書評

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  • 甲田作品好きすぎて書ききれない!

  • 今月の新刊、断章のグリムでございます。いばら姫の下巻ということで、事件の解決編ですね。
    今回は真喜多家に閉じ込められているということで、泡禍の範囲は狭いのですが、その分逃げ場がないのが厳しいデスね。
    まさに満身創痍という感じでございました。

    例の如くで、登場キャラがほぼ全滅という鬱END。
    ネタばれ回避で書くのが難しいので、まとめて追記部分に書きますけれど…。
    とにかく面白かったデス!
    上下巻だと、どうしても刊行ペースの問題で間があいてしまいますが、潜有者の考察や配役何かを考えられるのも楽しいデスね。
    あんまり当たりませんけど!

    グロokという方にはお勧めですv


    まぁ、ここからはネタばれさせてますので、未読の方はご注意くださいまし。

    今回は配役予想はそこそこあたってたかなぁ、という感じでした。
    前回の予想の1と2を混ぜるといい感じでした。

    死者に生える芽が、いばら姫ということで「茨」にこだわり過ぎていたのが取りあえず敗因だったなぁ。
    考えてみれば、「死者」に「弔いの花」なんて、なでしこでも使われてたのに…orz
    まさか「死者」に生えるなんて思いつきませんでした。

    まさか、100年後に目覚めたいばら姫が、魔女を恨んでいる可能性は考えてもいませんでした。

    母親の中にあった針は、やはり馳尾でしたね。
    名前は思い出せなかったのですが、赤ずきんの時の彼かなー、という気はしていましたw
    瑞姫がいる時点で、物凄く怪しいですものね。

    しかし、葬儀屋の断章で蘇った瑞姫は、<食害>が使えなくなっているのかしら?
    全く喋りませんし、リカも颯姫を応援に呼んでいるあたり、瑞姫の<食害>に頼れないことにつながる気がいたします。それが、死んで蘇ったからなのか、食害に記憶を食われすぎて、使い方すら忘れてしまったからなのか。
    あと、感情が無くなっているように見えましたので、純粋に断章を使えなくなっているのか…。
    上巻で颯姫が、忘れてしまう恐怖を忘れることはできない、みたいなことを言っていましたし。感情がなければ、断章も使えなくなるんじゃないかな、という気がします。
    夢見子ちゃんは、索引が発動するとちゃんと怯えていますしね。

    葬儀屋の断章で蘇った直後の可南子さんの無双っぷりも凄いデスね。
    蘇って暫くは、理性が吹っ飛ぶとか狂気に駆られるとかするのかしら。死んだはずなのに蘇るわけですからね。
    ある意味では、彼女も異端なのかもしれませんね。初めからそうだった、ということは、葬儀屋の悪夢に深いかかわりがありそうですし。きっと、そのうち解明されるんだろうな、と楽しみデスv

    風乃さんの異変は、下巻の72Pからの雪乃との会話からもうかがえてますね。
    今まではアリス(蒼衣)も可愛がっていましたけれど、雪乃がだんだんと蒼衣に気を許し始めているのが気に入らないのか、それとも雪乃が苦しむのが見たいだけなのに…。
    いずれにせよ、そのうち風乃は蒼衣を殺しにかかりそうで怖いデスね…。

    今回の生存者である莉緒も、流石に断章持ちになりそうですね。
    というか、これは普通にトラウマになりますよorz
    千恵もかなり悲惨でしたけれど、莉緒は可哀そうすぎます…。断章も持たずに、無事に復帰できるといいんですけれど…。無理でしょうね、きっと。

    ところで、蒼衣の怪我はどうなるんだろうw
    神狩屋の断章でも完治させるのは厳しいでしょうから、ある程度直したらロッジの息のかかった病院に入院…?
    雪乃も重傷ですけれど、蒼衣も意識保ってるのが不思議なくらい重症ですよね…。腕とか複雑骨折してそうorz

    断章を使わずして、異端と遭遇した時の蒼衣の弱さは凄いデスね…。
    異端化してる母親や赤ん坊すら攻撃できなかったのを「仕方なかった」で済ますのは、普通ではない気がします…。
    あと、ふと気が付いたのが、蒼衣って断章使う時、そんなに苦しそうじゃないな、と。
    雪乃や馳尾は断章を発動させるたびに、トラウマ云々と出てきますけれど、蒼衣はその描写、確か最初の一回だけだったような…。後はあっさりと発動させてますよね。
    千恵は結局発動すらできませんでしたし。それが普通みたいですけれど。
    場面的に、蒼衣の苦痛をすっ飛ばしているのか、何も感じていないのか。蒼衣にとっては、誰かを拒絶したりすることこそ、悪夢デスからね。
    それでも、何だか軽く感じました。

    あれ、今回物凄く長くなってるw
    くそー、でも楽しかったよ!
    本当に不思議の国のアリスになぞられてるのかなぁ?
    アリス配役だと、
    アリス→蒼衣
    白うさぎ→夢見子
    女王→雪乃or風乃
    チェシャ猫→リカ

    ハリネズミが馳尾かな? …ハリネズミがアリスにいたか覚えてないけど…。
    歪アリにはいたんだけどなぁorz
    帽子屋とか時計とかはどうなるんだろう…。
    眠りネズミもか。お茶会、あともう一人いた気がするのにーっ!!

    バラも配役に入れるなら、白薔薇→赤薔薇で雪乃と風乃、なんてのも面白そうですがw
    女王を首狩り=ギロチンとして、笑美さんとか…?

    アリスはキャラをあんまり覚えてないや…。
    某所のアリス考察面白いんですけどね。

  • 印象としてはたった一つなのに、探してみると何パターンにも分かれて様々な姿を見せる。
    童話。
    世界で、各地で、歴史の中で。語り継がれてきたテンプレート。
    それが作る恐怖の悪夢。立ち向かう非力な人間。
    悪夢を生むのもまた人間。
    恐怖と刹那さと決意と。
    気が付いたら10巻も越していました…!!
    今後もどんな展開が待ち受けているのか!雪乃さんがデレる日は来るのか!<そこかよw
    あるいは、あるいは。色々色々、楽しみで仕方が無いシリーズです。

  • 雪乃の身体にも表れたぶつぶつと拡がる小さな芽。
    残された時間は―――。

    「……し……白野さん? 雪乃さん!?」
    真っ黒に焦げたドアと壁と天井。ひっくり返って破壊された棚。床はガラス破の混じった水で水浸し。庭に出されていた田上颯姫は、恐る恐る戻ってきた居間の前で立ち尽くす。床に凄惨な血溜まりと、ずーっと廊下の向こうへと続く人間を引きずったような血の痕が残る、誰もいない返事もない居間の前で――。
    始まりは『生まれ変わりの子供』の話を真喜多莉緒が母親に話したことだった。異形化した母親と荒んでいく家族関係、そして閉ざされた真喜多邸。雪乃たちを助けにきたはずの蒼衣も隔離され、惨劇は予想以上に拡がっていく。抗える者が減っていく中、雪乃の身体に異変が――。

  • 終わってみれば・・・
    希望しか残っていないじゃないか・・・!

著者プロフィール

1977年、岡山生まれ。津山三十人殺しの舞台となった津山市出身。二松学舎大学卒。民俗学および魔術に関して知識を豊富に持ち、『Missing 神隠しの物語』で電撃文庫デビュー。著書に『断章のグリム』『時槻風乃と黒い童話の夜』『夜魔』『ノロワレ』『霊感少女は箱の中』シリーズなど。

「2022年 『Missing13 神降ろしの物語〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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