ユージニア

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735735

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしいストーリーテラー。

  • 2013.01.第59回日本推理作家協会賞受賞作品.k市で起こった町の名主であった青澤家の大量毒殺事件について雑賀満喜子が書いた「忘れさられた祝祭」が以前にベストセラーになった.一族の祝いの際に運ばれてきた酒やジュースに毒が入っていて,参加していた人のほとんどが死に,一族では盲目の美少女の緋紗子だけが生き残った.犯人は自殺しているのが見つかった飲み物を運んで来た男の単独犯ということで捜査は終わったが,主犯は緋紗子ではないかと疑う多くの人がいた.雑賀本人と兄や自殺した弟の友人,取材を手伝った男性,捜査していた刑事などが事件や緋紗子について語り,真相に近づいていく.面白かったが,終わりかたが今一つか.

  • いかんせんよくわからなかったなぁ。

  • 惨劇の舞台は町の名家として知られる医者の家。ある夏の日その屋敷の米寿の祝宴で、
    届けられた酒やジュースに混入されていた毒物によって17名が死亡するという事件が発生。
    後に犯人は見つかるもの、すでに自殺しており、動機がわからないまま事件は一応の決着をみる。
    10年後、事件を取材した本が出版されベストセラーに。著者は少女の頃に惨劇を逃れた
    近所に住んでいた女性だった。
    名家の中でただ一人生き残った美しい盲目の娘、緋紗子がいた。
    直接手を下さず周りを動かしてゆく、しかしその動機も何だったのか、誰が彼女をそうさせて
    ゆくのかもわからず物語は終盤へ向かう。
    ユージニアという詞の内容や母親や家族との関係、わざと文字組を歪ませる装幀が不安定な
    気持ちにさせられてゆく。

  • 見るものと見られるもの。満喜子が感じていたそれは一冊の本に対する読者である(でしかない)私にも通じるものだった。本を手に取り、ページをめくり、けして無限ではない時間を費やして、時に物語の中に放り込まれたように感じることさえあっても私はどこまでも『鑑賞者』でしかない。ならばこそと、やはり満喜子がそう思っていたように「どこまでも鑑賞しつくしてやろう」と向き合ってみれば、いつの間にか犯人は『悪魔的で奸智に長けた、美しい』緋紗子でなければならないと願う自分に出会う。本当に怖く魅力的なのは案外その辺りかもしれない。

  • 自分の家族と多くの人を巻き込んだ殺人事件。ミステリーだが読んでみても結局わからない。でも何となく分かるというお話。

  • 文庫のあとがきを読んだら欲しくなって購入。

  • 読後にネットでレビューや意見を探してしまう。

  • 歪んだ世界に引き込まれるようなお話。




  • 大量殺人の話

    カレー毒物混入事件を思い出した
    (なんて名前だっけ?)

    当時はまだ幼かったためかあまり事件のことがよくわかっていなかったけれど
    今思うととても悲惨な事件だったと思う

    作中に女の子が家族の食事に嘔吐作用のある薬草を入れる場面がある
    その時の少女の言葉

    知りたかったの
    人に毒を飲ませるのって、どういう気持ちなのかって

    という言葉にぞっとした
    こうやって人は毒を入れてしまうのかもしれないと思って


    ミステリーにありがちな
    ドキドキ ハラハラ
    というものはなかったけれど
    じわりじわりと恐怖が忍び寄ってくる感じ


    読み終わった後虚しさを感じた
    それが何に対してなのかはわからないけれど


    この本を読んで人の命を奪うことってとても簡単なことなんだなと思った
    たとえばバイト先のお冷やアイスコーヒーなんかに毒を入れれば簡単に何人もの人の命を奪うことができるし
    でもできるとやるってことは
    似ているけれども決定的に違って
    それをやってしまう人が実際にいるのがとても怖い

    世の中うまくいかないもんだ

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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