- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061317772
感想・レビュー・書評
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率直で短い感想は「キザだなぁ〜」だ。舞台は日本なのにすごくアメリカンな話し方でリアリティ(舞台が日本だという現実味)がないように感じた。でもオシャレさは凄かった。エモいの骨頂だと思う。印象に残っているのは鼠の小説だ。「彼の小説にはセックス・シーンはなく、登場人物は誰一人死なない」この内容も考察すれば色々な意味が含まれているのかもしれないが、私はこういう「こだわり」が、格好良さとか、オシャレさ、を感じさせる要因だと思う。特にジョジョのキャラクターにこの「こだわり」を持つキャラクターが多い。他の人にはどうでも良くても、それを突き通していれば格好良さが出てくる。「朝7時に起きて、歯を磨く、そのまた5分後に歯を磨く。」これが1日2日で終われば、なにそれ意味ないじゃん、となるけど、これを毎日やってると、「なんかかっけぇ」、ってなるよね。そういう「なんかかっけぇ」って思えるシーンが多かった。自分は襟足伸ばしてウルフヘアーにしようと思っていたけれど、周りの反発で辞めた。あの時負けずに切らずにいたら、「こだわり」になってたかもなぁ。切ったらダサかったなぁ。
あと良かったのは、主人公が3番目の彼女の「天使の羽根みたいに空から降りてくるの。」という天の啓示の想像をしてみたけれど、ティッシュペーパーが降りてきているようにしか思えないシーンだ。ここにも特に深い意味は見出せないがクスッときた、笑えたのはめちゃくちゃ共感出来たからだ。逆にティッシュ落としたら、天使の羽根だと勘違いする人いるかもしれないね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色々な人が色々な感想を書いているけど、よくわからなかった。
文字通りとったらダメな作品とか。。。
ただ、わかっているのは帰省中の大学生の一夏の恋ってことだと思うんだ。
みんなの感想を読んでいると、村上春樹作品か私から遠ざかるような気がしました。
たぶん、しばらく読まないんだろうな、読書が苦手な私は。。。 -
今さらだけど、字面どおりに読んではいけないのが村上春樹の小説。
よくある日常とはちょっとズレた、独特の世界観に思わず引き込まれる。
若々しさと馬鹿馬鹿しさが混ざったなんとも言えない初々しい雰囲気が良い。
普段私たちは日々の生活に追われ、ゆっくり苦悩する余裕がない。でも小説の登場人物たちは思う存分、思考を巡らせ、ひたすらどうでも良いことを掘り下げる。贅沢である。自分にはそんな余力がないので、登場人物たちに自己を投影して苦悩を楽しんでいるのかもしれない。
村上春樹の原点を垣間見ることができる一冊。
それにしても、ハートフィールドは…。 -
地元の駅で¥20で売られており初めて読んだ村上春樹作品。あとから知って驚いたが、デビュー作だそうな。当時高校生でしたが読みやすかったです。
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「かつて誰もがクールに生きたいと考える時代があった。高校の終り頃、僕は心に思うことの半分しか口に出すまいと決心した。理由は忘れたがその思いつきを、何年かにわたって僕は実行した。そしてある日、僕は自分が思っていることの半分しか語ることのできない人間になっていることを発見した。」(109ページ)
学生だったひと夏のエピソード。
悪友と浴びるほど酒を飲み、本をひたすら読んだ。
何か、宇宙や人生の深淵について、考えたり悩んだりもしたけれど、
結局その夏から生まれたのは、
セックス・シーンがなく、登場人物が誰一人死ない小説を書くようになった友達だけだった。
そんな小説が良い。 -
昔読んだがあまり記憶に残っていない。読み終わったという記憶と主人公かっこつけすぎという記憶しかない。
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読むのは7回目ぐらいだが、ようやくわかってきた気がする。「職業としての小説家」を読んで、重なる部分があった。
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春樹さんはロマンチストだなあ。リアリストには、現実はこんな表面的なやりとりだけで解決するとは思えない。主人公はクールで素敵だけど、結局自分からは何もしないしな。こんな風に生きている人もいるんだなとカタログを眺めているように思う。たまに肩を借りて、そして後ろに置いていくような人だ。
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弱い光を話すから、深い闇を感じ取ってくれ
みたいなことだと思う。