ふしぎな目をした男の子―コロボックル物語 4 (講談社青い鳥文庫 18-4)

著者 :
  • 講談社
4.01
  • (39)
  • (18)
  • (32)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 287
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061470354

作品紹介・あらすじ

コロボックルのどんなすばやい動きも見えてしまう、ふしぎな目をした男の子タケルと、へそまがりのコロボックルの老学者・ツムジのじいさまが友だちになった。タケルが小さいころ遊んだ池が、すっかりあれてしまった。この池をすくおうとする少年たちと、かげでそれを助けるコロボックルたちとの楽しい物語。


  もくじ

   はじめに

  第一章 つむじまがりの学者

  第二章 タケルとヒロシと用水池

  第三章 二つのいいつたえ

  第四章 かわいそうな池

  第五章 ほんとうのトモダチ


<A日本の名作 小学上級・中学から>

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • このお話にでてくる子どもたちがとっても魅力的。コロボックルたちはもちろん賢いけど、子どもたちも綺麗で純粋で、でも思慮深いところもあって、登場人物みんな尊敬しちゃう。

  • 老人のコロボックルが人間の子供と友達になるのを通じて、頑なな心を開いていく。田舎風景の開拓工事やそれによって得たもの、失ったものを人間の子どもの心と行動から表現されていて分かりやすかった。コロボックルも「引き継ぎ」で若い世代へ交代していく。

  • 「つむじまがりの学者」
    変わっていく世界。
    味方を見つけたからというのもあるだろうが、現代にあった生き方をしなくてはならないのだろう。
    あれだけ騒いでおきながら、あっさりと友人を見つけた様子は見ていて面白かったろう。

    「タケルとヒロシと用水池」
    小耳に挟んだ話し。
    気付いていたとしても子供だから大丈夫だと話を進めていただろうが、侮ると痛い目を見るだろう。
    無くなっていくのは悲しいことではあるが、今必要な物かと問われたら分からないかも。

    「二つのいいつたえ」
    次のオトモダチは。
    種族による違いだけで顔が似ているなど、初めて見た時は驚いただろうし不思議な事だと思ったろ。
    年齢のせいもあるだろうが、偶然見えた未来の恐ろしさに慌てていたせいもあるだろう。

    「かわいそうな池」
    昔の景色は無くて。
    過去の綺麗な状態を知っているからこそ、開発により汚れてしまった場所を見るのが辛いのだろう。
    自分と似た顔の者が現れたら驚くだろうが、同時に興味も凄くわいてきそうな気もする。

    「ほんとうのトモダチ」
    皆で力を合わせた。
    偶然の出来事であったのだろうが、掘りたかった場所を的確に掘ったからこそ取り戻せたのかもな。
    子供の悪戯レベルだったのかもしれないが、水を流してしまったからこそ出来た事だな。

  • つむじいがかわいい

  • コロポックルが全力で走っても見えるふしぎな目をした男の子のお話。

    ある日ツムじいが人間の公園の梅の木の穴に引っ越して、公園でふしぎな目をした小さいタケルくんを見つけて仲間になろうと小さい頃からタケルがコロボックルになれるように度々会いに行き...。

    面白かったです。
    タケルくんすごいと思いましたし、いいなあと思いました。
    だってコロボックルがまだいたら見えるんだもん。
    いいなあー。

  • 再読。ひねくれもののツムジィが出会ったのは、思いっきり駆けるコロボックルも見ることのできる男の子。このシリーズで一番私が好きな巻です。なんといってもツムジィが素敵!私は一見ひねくれなじじいがだいっすきなのですか、そのタイプまっしぐらな感じなのです。その淡々とした、けれど面白い暮らしっぷりが大好き。

  • 今までの「せいたかさん」たちがコロボックル山で過ごしていた頃とは少しばかり時が流れたようです。
    ただ、当時の建国のヒーローたちもまだまだ現役ですし、せいたかさん一家もたまには遊びに来ているようなので、全体としては大きな舞台設定の変更は起こっていません。

    それまで人間と関わってはならない、という掟がありましたが、1人ならトモダチになってもよい、と決まりが変わります。
    その掟の変更に大反対だった、つむじ曲がりの「ツムジ」おじいさんが2歳ほどのタケル君と出会い、物語は始まります。

    タケルを孫のように可愛がるツムジおじいさんの様子や、日々成長してゆくタケル少年の姿は読んでいて爽快ですし、児童文学ならではの「王道、定型」のストーリー展開も安心して読める要素となっています。

    読後感も良好ですし、小学生に是非勧めたい作品です。

  • セイタカさん一家はもうコロボックル山には住んでいなくて「たまに遊びに来る」程度みたい。それならもう10年以上たってるのか?と思いきや、コロボックルたちは3作目までの登場人物がまだ活躍中なので前作からは4.5年程度か??

    コロボックルの国では人間たちとの距離をもっと近くしようと新たな決まりができました。
    「1人のコロボックルは1人の人間と仲良くなっていい」「人間の町に住みたければ住んでいい」「これらは事前申請不要で、事後報告でいい」
    これに激怒したのがツムジ曲りの
    「わしらはずっと自分たちの国を守ってきた!人間と近くなりすぎたらわしらは自分たちでは何もできなくなってしまう!!」そして人間の町へ出て行ってしまう!…そう、「人間と近づいていい」と言われて激怒して人間の近くに住むというのがツムジ曲りの所以と言うところで(笑)

    まあそんなツムジじいさんは町でまだ幼い少年に見つかってしまいます。
    さて、コロボックルたちは非常にすばしっこくて人間の目には留まらず、非常に早口で人間の耳には聞こえないので、そんなコロボックルの姿が見える目を持つ少年は非常に珍しい。
    コロボックルの国ではこの少年と仲良くなりたいと思います。そこで選ばれたのがツムジじいさん。ここはあまりツムジを曲げずあっさりと不思議な目を持つ少年と友達になることを承知します。

    さて、コロボックシリーズに出てくる人間は「セイタカさん」「オチャ公」などあだ名だったんですが、この4作目では名前が出てきます。
    不思議な目をした少年は”タケル”です。

    タケル少年と、ツムジじいさん略してツムジイは友達であり師匠でもあるような関係になって行きます。
    そこで出てきた小さな池の埋め立ての話。
    すでに小学中学年になっていたタケル少年にとっては思い出の土地です。
    そしてツムジイさんの調べではこの池はコロボックルが水を通し、人間が池にしたという共同作業によるもの。
    池が汚され埋められることを阻止するために行動を起こすタケル少年と、池を蘇らせるため陰から頑張るコロボックルたち。
    この密かな共同作業は成就するのか…

  • 【あらすじ】
    コロボックルのどんなすばやい動きも見えてしまう、ふしぎな目をした男の子タケルと、へそまがりのコロボックルの老学者ツムジのじいさまが友だちになった。タケルが小さいころ遊んだ池が、すっかりあれてしまった。この池をすくおうとする少年たちと、かげでそれを助けるコロボックルたちとの楽しい物語。

    【感想】

  • どの話もだけど、読んでいて本当にほっこりする。
    コロボックルの友達がいるなんて羨ましすぎる・・・
    トトロと同じくらい自分も会いたかった。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤さとるの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×