はじめての言語学 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497016

感想・レビュー・書評

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  • 言語学の「第一歩」を知りたい人にお勧めの書籍。文体も読み易く、例示も具体的なためスターターキットとしてうってつけだと思う。そのため各自で深掘りをしないといけない説もある

  • 言語学の入門中の入門書。
    所々表現や文章の言い回しが面白く、クスッとする場面も多々。
    初心者に対するハードルが下げられておりオススメ。

  • 言語の世界も奥が深い。
    例えば、インドネシア語の「私たち」は2種類あって、そこに相手を含むか含まないかで使い分けなければならない。スロヴェニア語には単数形と複数形の間に両数形もあって、3個以上から複数形を使う。
    昔、ヨーロッパの言語では男性名詞と女性名詞と中性名詞があると知った時は衝撃を受けたけれど、そのレベルの驚きが言語の世界にはまだまだある。
    機会があればまた言語学の本は読んでみたい。

  • ゆる言語学ラジオで言語学に興味を持ち読んでみた。
    言語学入門以前という雰囲気で、著者いわく「一つ一つの部屋には入らずに、ドアのところから中を覗いてきたようなもの」である。

    言語学は何ではないかから始まり、軽妙な文体で言語学の各要素を踏み込みすぎず、必要なだけ説明し、わかりやすい例を出しながら進んでいくので、初学者にとってもとっつきやすい。

  • 本棚を整理したら、2004年新刊当時の旧カバーの本が出てきた。未読積読かとおもいきや、一新されたカバーに騙されてすでに読んだ本を買ってしまったらしい。とはいえ、このついでにもう一度ざっとでも再読しよう。(2021年2月)

  • わかりやすく、ざっくりと言語学について教えてくれる本。

  • 言語学ときいて心ときめくひと向けの本
    心ときめくということは私と同じく言語学をやることの地味な大変さを知らない言語学素人なので、本書を読んで言語学を体系的に学ぶことの漠然としたイメージを更新しよう。

    本書の良いところはソシュールがどうとかチョムスキーがどうとか、語用論!音韻論!みたいな体系的な説明は一切放棄しているところだと思う。
    安易にわからせた風な感じを出す雑学系の本はよくあるが、本書はそういったアンフェアな態度でなく、むしろ著者自らが体系的な説明には立ち入らないことを明言している。

    私は学問をやるならまず学問史を入口として、その学問の発展、展開を通じて思考のプロセスやテーマを掴むことで前提を共有するのが大事だという持論をもっていて、他の本のレビューでも主張しているのだが、そういった歴史的な縦の展開は、何をその学問が対象としているかという横の範囲が定まっていることが前提として必要になる。
    本書は、そういった言語学の中身ではない外枠を示すことで、言語学の入口まで連れていってくれる。この点で入門書というより啓蒙書のような導入として優れていると思う。神学と宗教学の区別がつかない人や、語学と言語学の違いを理解していないひとはどうやらこのレビュー欄にもいるようだし、こういう態度は大事だろう。社会科学は特にここを共有しないと議論が噛み合わなくなる。

    こういう本は案外少ないように思う。中身に触れずにその学問を面白く説明するのは難しいから仕方ない。
    この本は、「言語学でいうことばとは何か」とか、「言語学ではこういう意味でこの語を使う」とか、きっちりと言語学のルールを示しつつ、ポップでシニカルな語り口でその難しさを乗り越えていて、単純に読み物として面白い。

    そして学問的な態度がよく表れているのもよい。本書では、「言語学は美しいことばというような価値判断はしない」とか「言語学はどのことばが優れているという価値には立ち入らない」というように、言語という社会的な現象を解明するのが言語学であり、価値判断はテーマでないことに度々言及する。
    価値というのは宗教であり、学問(科学)ではない。これは学問をやっていれば大前提になるが、学問の入口まで導く「はじめて」の一冊としてちゃんと示してあるというのは大事なことではないかと思う。

    ただ、さらに学びたい人のためにと勧められている本がけっこう古かったりするのが唯一残念だった。
    学問的にあまり過去の内容が更新されないのだろうか。そのあたりも言及してくれると安心してその本も購入できたのだが。

  • 言葉についての学問の話
    語学ではない
    バルトの方が面白い

  • まさしくタイトルどおり、言語学を知らない人でも誰でも読めるとてもやさしい本。ポップな文体で書かれていて、とても読みやすい。でも言語学の立場として大切なことがきちんと書かれている。ことばは奥が深い。良い本です。

  • まえがきより、「言語研究に携わる人たちが「これは常識だよね」と(たぶん)考えているような基本的なことを紹介していく」本。「言語学と外国語学習は別のもの」
    <著者>黒田龍之助(1964年~) 明治大学理工学部助教授、言語学専攻(2004年当時)

    <目次>
    はじめに
    第1章 言語学をはじめる前に ことばについて思い込んでいること
    第2章 言語学の考え方 言語学にとって言語とは何か?
    第3章 言語学の聴き方 音について
    第4章 言語学の捉え方 文法と意味について
    第5章 言語学の分け方 世界の言語をどう分類するか?
    第6章 言語学の使い方 言語学がわかると何の得になるか?
    もっと言語学を知りたい人へ
    あとがき

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著者プロフィール

黒田 龍之助(くろだ・りゅうのすけ):1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書に『ポケットに外国語を』『その他の外国語エトセトラ』『世界のことば アイウエオ』(ちくま文庫)、『外国語をはじめる前に』(ちくまプリマー新書)、『ロシア語の余白の余白』『外国語の遊園地』『外国語の水曜日 再入門』(白水社)、『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ぼくたちの外国語学部』(三修社)、『物語を忘れた外国語』(新潮文庫)など多数。

「2023年 『ロシア語だけの青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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