塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 208
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  • Amazon.co.jp ・本 (636ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820333

感想・レビュー・書評

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  • 関口が出てこない。最後にも出てこない。ネタバレで出てこないということは知っていたけど、本当に一行で終わってしまうとは……。関口が出所した後日談を読みたかった……。
    京極堂の元へ人がぞろぞろ集まってくる場面は面白かった。増岡弁護士は、気遣いのできるいい人だよ!!滅茶苦茶早口なのに噛まないのが羨ましい。
    榎さんの関口は元から壊れている発言と、それに納得済みの雪絵さんになんか衝撃。まぁ奥さんだしね。知っているのか、何かあったのか。雪絵さんは関口と結婚するとき、京極堂と榎さんの両方から結婚反対されてそう。結婚生活の大変さを仄めかされていたりとか。
    「関口を癒した〜」が記憶に残った。
    あと、榎さんの嫌悪感丸出しは珍しい。
    でも、堂島うざいし、藍童児はイライラするし、私が百鬼夜行シリーズに求めているのはこういう話じゃないし。最後に内藤が出てきたのは意外だった。意外性はそれくらいの、本当に長いだけでつまらない本だった。

  • 昔読んで再読したが、内容あんまり覚えてなかったなぁ。

  • 徐福伝説に始まる旧陸軍の関与した陰謀を軸に、記憶を改竄された佐伯一家の本末転倒な話。

     探偵・榎木津の活躍が素晴らしかった。登場人物全員が茫然自失といった状態の中で彼一人が確固たる己を貫いているところに惹かれた。
     合計で何人の人間に催眠術をかけていたんだよっ!というぐらい催眠術だらけの話だった。ただ、意識下に訴える催眠術は二流で、意識上下に訴える言葉の方が一流らしい。やはり、言葉は難しいということを再確認。
     京極堂シリーズを読んで毎回思うことは、幸せって一体何だろう、と。全てを知ることが良いのか、限られた世界で生きるのが良いのか。そんなこと考えること自体が無意味なことなのか。はてさて。

    自分はこう云う人間だ、これが自分の人生だと、そう云い切ることが私には出来ない。誰にも迷惑をかけず、誰にも寄りかからずに生きることなど出来ないと思います。自分は自分はと云うその自分と云うモノは、親に育まれ社会に守られて生きて来た結果な訳でしょうから、自分と云うモノを作っている要素の大半は他人から与えられたモノなのではないのでしょうか。ならば自分なんて、世間を映す鏡のようなものだと―

  • 追加の品なんぞもちょこちょこ出つつ、すべて平らげて片づけて「宴の始末」。
    何度も読んだせいかタイミングが合わなかったのかいまいち乗れず。
    たとえばこの本の中の家族観なんかはいつ読んだって同調できないのだけれど、それはそれとして楽しんできた。
    今回そうできなかったのはキャラ萌えだけで推進力を確保できなかったからか。
    いや、榎さんが出ると明るくなるなあとか下僕ーズが頑張ってるとかそういうのは今回も楽しんだんだけど。

    で、気がついた。京極堂シリーズは口車に乗らなきゃ楽しめない。
    手品を見るときに気持ち良くだまされたほうが楽しいように、このシリーズも素直にだまされたり揺さぶられたりするのを楽しむのが良い。


    2013.4.13 再読。☆2~3

  • 人の記憶のなんと頼りなく、儚いものかと恐くなります。キーワードは”喪失感”と”本末転倒”ですかね。とにかく、狂乱の宴が終わったことに疲れが隠し切れません…。

  • 前回なぜ挫折したのか…
    時間はかかったけど、しっかり楽しんで読めました。
    次から次へと悪そうな連中が登場し、最後はまさに宴の始末。

    また今までの京極堂シリーズを読み返したくなる作品でした。

    • ふうKさん
      前回読んでから8年が経って、クライマックスはまったく覚えていなかった。
      最後は誰が誰だか分からなくなるくらい。
      結局、犯人らしい犯人が居ない...
      前回読んでから8年が経って、クライマックスはまったく覚えていなかった。
      最後は誰が誰だか分からなくなるくらい。
      結局、犯人らしい犯人が居ないという。
      ちょっといただけない終わり方。
      2020/08/04
  • 宴の支度と始末、一気に読んでしまった・・・
    いつもいつも京極さんを読むとフラフラです・・・だってやめられない・・・
    これでもかとはられる伏線に翻弄されて幸せです
    最近気がついたんですがこのシリーズ読むときは
    自分はドMにされてるな~と。
    普段は全然そんな性癖ないんですがこのシリーズは特別、いや特殊です

    堂島さんという新キャラは思いっきり引っかきまわして
    憑き物落とされることなく去っていきましたけど
    (これまた色々含ませつつ)
    今後、京極堂の宿命のライバルみたいなポジションになるので
    しょうか。とても楽しみです

    佐伯家は巻き込まれ不運というか、今後この家族は一緒に
    暮らしていけるのか甚だ不安です。
    茜さん、まさかいなくなってしまうなんて・・・そして犯人が一作目のキャラ
    だなんて。ちゃんと順番通りに読んでいて良かった・・・

    そしてなんだかんだで関口さんの妻、雪枝さんが一番苦労人なんじゃ
    なかろうか。離婚して別の良い人を探した方が良いんじゃないかと
    同じ女として無駄に雪枝さんの心配もしてしまいます
    関口さんはきっと1人にされてもしぶとく生きていけると思うんだけどな~

  • 妖怪がうじゃうじゃ出てきます。シリーズ中でも一番エンターテイメントしている作品だと思います。鉄鼠の檻の次にお気に入りです。

  • 今回は人が死ぬことがほとんどなかったので、ちょっといつもと違った感覚でした。いや、違ってたんですけど。
    京極堂の心の悲しみが出てきていたのがよかったし、えのさんの京極堂に対する友情がぐっときました。

    個人的には支度で死んでしまった人には死んでほしくなかったなぁ、なんて。

    でも話は面白かったから五つ星

  • 面白くなってきやがったゼっ!

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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