塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2993
感想 : 211
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  • Amazon.co.jp ・本 (636ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820333

感想・レビュー・書評

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  • ……いいんですかこれ?(笑) これ使ったらなんでもありじゃないのー! と思ってしまったのは私だけなんでしょうか。いや、読み応えはあるし面白かったけどさあ。まさかすべてが○○○でって……。
    ただ「塗仏の宴 宴の支度」でてんでばらばらに繰り広げられた大風呂敷の数々が繋がっていくのは圧巻ですね。シリーズ各前作との繋がりも見逃せず、おろそかにはできないぞ。シリーズ物としての面白さは充分だったかな。

  • 最後トンデモ展開だったな、が読了後の正直な感想。上手い例えが見つからないけど、急にバトル漫画っぽくなったよね。大味というか、安っぽいというか。
    一気読みできなかったせいもあるのか途中、あまりにも誰が誰で何が何だか不明になってしまい、支度からぱっと読み返す始末。似たような団体・人物が沢山出てくる、語りがしょっちゅう替わる、合間に入る京極堂の蘊蓄もなんッか難しい、が敗因かなあ…。


    今回の事件の結論、催眠術最強!ということでよろしいですか?
    嘘だあ。悲惨である。被害者が多い割にラスボスの動機が(今のところ)浅すぎでは問題。
    そしてほったらかしの関口くんは次作、どうなっているんだ…。

  • 十分に面白いけど、ミステリ小説のストーリーとしてはシリーズ中で最も強引というか、特殊な人物が多すぎてインフレ気味に感じた。
    ただ、このシリーズはリアルな社会問題とも絡めつつ様々な人文科学的視点から妖怪の正体や特徴が語られるところが最も面白く、本作は特に妖怪研究家の多々良氏が登場することによって妖怪談義に深みが増しているのが良かった。妖怪は架空の生き物(?)だけど、人間社会との関係性において現実の生き物と同じように重要な研究対象になるんですねぇ。

  • これだよ、全員集合のラスト、支度の物語からはじまつたそれぞれのなぞが回収される。やっと出てきた京極堂が、不思議なことなどないのだよと言えば事件解決。お気に入りの作品

  •  個人的な百鬼夜行シリーズ再読キャンペーン7冊目。
     そうかあ、鵼の碑は本作の変奏だったんだなあと。
     内容について記憶に残っていなかったのは、宴の支度で書いた要因以外に、記憶改竄というミステリィとしての禁じ手が全開だったからだなあ、と。ミステリィとしてのシリーズは「絡新婦の理」まで、ということなのかもしれない。
     それにしても、堂島大佐というキャラの魅力的なことよ。京極堂がシンプルな善の人ではない一方で、堂島大佐は「この世の理」においては絶対的な悪で、シンプルな敵対関係になっていないところが凄い。それにしても、織作茜を退場させてしまったのは本当に勿体ないなあ。
     このあとは陰摩羅鬼の瑕だけど、先に短編集からかな。

  • 再読。村が一つ消えたという導入がホラーや土着サスペンスのようで秀逸だと思う。再読なのにワクワクした。

  • 複雑に絡んだ物語を解体していく、その複雑さは絡新婦で頂点を迎えた。絡新婦を読んでるときだって、危うい一歩間違えたらSF小説だぞ、これは、と思って読んでいたのだけど塗仏はもはや後もなくその一歩を踏み込んでいった。二項対立の壁を破壊していくこと、白と黒との壁を破壊していことは多分(最初の方覚えてないんだけどさ)京極堂シリーズに共通したテーマだった気がする。そういうのは登り詰めていけば最後には己の存在にたどり着く。その己の存在を問うための催眠術であり、そのためにはもうミステリではいられなかったのだろう。

  • オールスターの後編、楽しめました!

  • 「世のため」も暴走すれば悪趣味な娯楽。気功、練丹、風水、民間宗教、占いに研修会――それぞれに怪しげな役者をよくぞここまで集めたものだぁ、おっしゃるとおり「百鬼夜行」お祭りだ。

    ここにきてまで姑獲鳥までを引きずっているとは…といってもこのシリーズはわずか2年ぐらいの間に起こった事件なのだなあ。末恐ろしい人物も登場。

    記憶、意識、家族、制度と自分。ルール・マナー化し、逸脱は法律や村八分で罰する、が過剰化の今、少子化・孤立化は防衛本能のためなのかな。
    滅びるも栄えるも、役者が変わっての単なる繰り返し、過剰深刻は虚

  • ちゃんと教えておいたのに。

    京極堂の過去が少し明らかになるお話。事件が収束していく感じがたまらなかった。再読だけれど、以前とは違う箇所が気になりました。それと、以前は私、に気づくのが遅かった事を思い出した。あと京極堂と多々良君の話が難しいな相変わらず。これは以前もそうでしたね。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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