V.T.R. (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827042

感想・レビュー・書評

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  • スロウハイツのファンなので奥付に黒木さんの名前があるのに素直に興奮してしまいました。
    物語としてはひと昔前のライトノベルのような雰囲気。わざと退廃した空気を出しているようで違和感がかなりある。
    でも最後までいくとやっぱり辻村作品だったなと納得できるので、ぜひ途中で諦めないでほしい。

  • 独特の世界観が素晴らしかった。
    最後の展開は、驚いた。先読みしきれなかった自分が悔しい。

  • イニシャルで呼ばれる登場人物たちの、それぞれの優しさが織りなすさまざまなストーリーがひとつのストーリーへ。殺し屋、マーダー、銃、残酷でどろどろした物語かと思いきや、きれいでシンプルな純愛小説でした。

  • 「壊すのは簡単にできる。
     だけど治すのは、本当に大変。」

    『スロウハイツの神様』に登場する、
    小説家チヨダコーキのデビュー作というお話。

    表紙がダブルになっていて、
    辻村深月とチヨダコーキのダブルネームに興奮。苦笑

    ライトノベルコーナーにあって、
    見つけるのに少し苦労したけど。苦笑


    国から殺人を認められ、
    マーダーというライセンスを与えられている
    1000人だけのダークエリート。

    ヒモ生活をしている、マーダー・ティー。
    とても美しく仕事も一流のマーダー・アール。

    「知っていて欲しかったの。
     誰に嫌われても罵られてもいい。
     それを歓迎するわけじゃないけど、そこは諦めてる。
     仕方ない。
     でも、ティーだけには覚えていて欲しい。
     アタシは変わっていない」

    真夜中に突然、別れたアールからの電話。


    その日から、ティーはアールの消息を追い始める。

    ラストは少しショックだった。
    いい意味でも悪い意味でも。

    チヨダコーキ、もっと読みたい!笑


    それぞれの人物に焦点をあてていくのは、
    辻村さんの手法ですが
    文章の描き方はチヨダコーキの書き方なのかな。


    「今どこで何をしているのかな。
     誰とも知れない男と寝たりしているのかな。
     言えた義理は何もないよ。
     ないけど聞いて。
     俺は君とまたここに来たい。

     いい女だね、相変わらず。」

    可愛らしく優しい、
    アールへの語りかけが文中に出てきますが
    切ない。


    さて、『スロウハイツの神様』下巻読まなきゃ!

  • 辻村さんお得意の伏線にはまた気付かず、最後に「おおっ!」と思ったのですが、もう少し続いて欲しいところで終わってしまったなぁと。でもサラッと読めてしまったのに、胸が熱くなった。私はこういう世界観好きです。

  • 怠惰な生活を送るティーのもとに、三年前に別れた恋人、極上の美女アールからかかってきた一本の電話。「アタシの酷い噂話や嘘をたくさん聞くことになると思う。ティーにだけは知っておいて欲しいと思って。アタシは変わっていない」街に出たティーが友人たちから聞くアールの姿は、まるで別人のように痛々しく、荒んだものだった――。彼女が自らを貶め、危険を恐れずに求めたものとは?

    チヨダ・コーキのデビュー作という設定で辻村深月が書いた本。正直物足りなかったなあ。スロウハイツ~でコウちゃんの人生に痺れてずっとずっと読みたいと思っていたけれど、単なるラノベって感じで終わってて残念。設定は面白いのに、何が起こったんだかあっさりすぎてよく分からなかった。結局アールって何で殺されたんだろ?ティーもアール視点だといいところあったみたいなのに、大してカッコよくも思えない・・・。

  • 国によって公的に殺人を認められた1000人のマーダー。
    マーダーでありながらヒモのような生活を送るティーに、3年前に別れた恋人 アールからかかってきた1本の電話。
    「これからアタシの酷い噂を聞くことになると思う。でもティーにだけは知っておいて欲しい。アタシは変わっていない。」

    『スロウハイツの神様』チヨダ・コーキのデビュー作。

  • 「スロウハイツの神様」のチヨダコーキのデビュー作という位置づけ。
    なので、もちろんそれを読んでからのほうが感慨深いと思います。
    単体で読むと、正直消化不良。量が少ないので、え、これで終わり⁈となった。
    デビュー作ということで、未熟な部分もある感じにしたかったのかなあ。
    最後のどんでん返しは辻村作品の王道を行っているけど。
    殺人が職業として認められるマーダーのある世界。
    ヒモとして日々を暮らすティーに、三年前に別れた元恋人アールから突然の電話。
    アールについてのひどい噂を聞くと思うけど、変わっていないって知っていてほしい、というもの。
    以下、ネタバレ。

    結局、アールがなぜそんなことをしたのかよく分からないまま終わる。
    虐げられている女の子たちを救いたかったのか?
    んー、出し惜しみせず、存分に膨らませて出版してほしかった。

  • 「スロウハイツの神様」に出てくる
    チヨダコーキの作品。
    チヨダコーキが書いた、
    ライトノベルで、デビュー作。
    コレが重要です。
    あくまでも、辻村深月では無い。


    主人公のT目線で話が進んで行き、
    物語の本質"R"へと、徐々に
    遠い関係者から、近い関係者へと
    外堀が埋まっていく。

    全く相手にされてなかったテッドから
    よく立ち寄っていた店の2人
    そして、Rの心理を知っているカウンセラーから、
    最後の姿と、事情を知っているドクター
    そしてタイトルにもなっている、
    RからTへの"V.T.R."が録画されているロボットへと。

    その進行の中で一緒に
    Rがしていた事から
    ロボットの廃棄場ストーリーと掛けて、
    それをしていた理由、
    そして、Rの最後へと綴られて行き、
    主人公の正体、そして、その周りとの関係や
    優しさ、そして救われなさが垣間見えるラスト。


    Rとの別れた具体的な理由などは
    一切書かれていませんが、
    それはT目線の話だから仕方ないのかも知れませんね。
    彼は別れた理由をダラダラと語る様な
    人じゃないような気がします。

    お馴染みの伏線もあり(キディちゃん、など)
    スロウハイツの住人を思わせる人物が出てきたり
    辻村作品らしさもありました。

    ストーリーと言うよりは
    辻村深月と言う作家に★5つです。

  • 最高!

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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