決壊石奇譚 百年の記憶

著者 :
  • 講談社
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828421

感想・レビュー・書評

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  • 鉱物をキーワードにした少年の友情と成長を描いたファンタジー。
    ミステリのシリーズと違った雰囲気で別の人の作品を読んでいるようだった。
    会話中心で地の文もあっさりしている。

    父親の言いつけに従って祖父が住む山間の田舎町に引っ越してきた徹。
    入学した高校で唯一の地学部員である同級生の大地に誘われ、地学部に入部。
    大地は石の記憶を読み取る力があり、ある事件が起きる。
    一章を読んだ段階では連作短編かと思ったが、長編だった。
    物語は徹の父や大地の祖父も出てきて、百年を超える歴史を遡る。
    ファンタジーなのか現実なのか微妙という違和感が続いて物語に入り込めない感。
    超能力と物語のからみ合いがイマイチで、ファンタジーって難しいな、と思った。

    少し長野まゆみチックだなと思うのだけれど、下位互換的である。
    あの耽美さというかぎりぎりの空気を出すのって本当に難しいんだなあと感じた。

    中高生向けにはちょうどいいかもしれないけれど、こういうライトなファンタジーは物足りなくなってしまった。

  • 同級生の大地に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹。鉱石の話になると途端に饒舌になる彼と過ごすうちに、徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝から記憶を受け継ぎ、昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をする―。水晶、瑪瑙、琥珀、翡翠…、鉱物が照らし出す真実とは。

  • 世代を超えた、男子の友情物語。
    この設定で、もっとラノベっぽいやつを読んでみたいかも、と思いました

  • あわあわと

  • 鉱物に持っている漠然とした印象と、登場人物たちの生真面目さやひたむきさや瑕疵や頑なさが――とても近しく思われて、切なくなった。
    それでも、時間を経てもそこにある石から感じる、安定と安心とが彼らの心を迎えてくれることを――期待できるラストシーンだったと思う。

  • 11月に行われたジュンク堂でのトークイベントでサインを入れてもらった大切な一冊。ほんとうは年が明けてから読もうと予定していたのに……あと1日を我慢できずに読んでしまった。しょうじき、浅慮すぎたのではないかと考えずにはいられない頑なさに、ひとの想いをこじらせないでほしかった、とおもわずにはいられなかった。悲劇のうえに輝く友情は一度でじゅうぶんだし、その不自由を甘んじて受けなければならない理由は個人にはない。けれど、琥珀が記憶したあのひとの生きざまはあまりにも気高かったから、理解されにくかったのかもしれない。

  • 人の気持ちなんてわかるはずないのに、決めつけてしまうほど、裏切ったという罪の意識は強かったのだろう。
    でもきっと誤解だってわかるはず。そう感じるラストでよかった。

  • 世界観はとても良かったのだけど、終わり方が…。

  • 一言で言うならイマイチ。
    何がどうと言う訳ではないけれど、話に乗れないまま読み終わってしまった感じ。

著者プロフィール

1975年生まれ。秋田県出身。2008年、第2回ミステリーズ!新人賞最終候補作となった短編を改稿、連作化した短編集『人魚は空に還る』(東京創元社)でデビュー。他の著書に『クラーク巴里探偵録』(幻冬舎)、『百年の記憶 哀しみを刻む石』(講談社)などがある。

「2019年 『赤レンガの御庭番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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