眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061828728

感想・レビュー・書評

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  • メフィスト賞、しかし本格。

    館モノでクローズドサークル。
    というか円形の建物はそりゃそうなりますよね。むしろ何故、天才達が疑わないのか問いたい。

    伏線、トリックをこれでもかと提示してきっちり回収。
    吃驚はないけど、満足。うんうん。

    十和田先生が微妙に凡人な印象なので、シリーズ化するならば変人度をあげてほしい!

    たぶん次作の双孔堂の殺人も読む!

  • メフィスト賞受賞作。館もの。
    著者は大学の建築学科卒で、作中の図は著者自ら書いている。

    <あらすじ>
    天才建築家が山奥に建てた巨大な私邸『眼球堂』
    ※絵描き歌のドラエモンの目のような建物で、外円○の線の部分が廊下、
    チョン●の部分が居住区、居住区から廊下に出る扉は2重になってる

    その館に招待された、各界の著名人
    主人公の数学者・十和田只人にも招待状が届いた。
    『眼球堂』を建てた建築家の館主の子供・善知鳥神が天才数学者なので
    十和田はその子供に会いたく、館に赴くことに。
    彼の追っかけルポライター陸奥藍子も同伴する。

    みんな集まった夕食会の後、館主の死体が発見される!
    警察を呼ぼうにも電話は圏外、館の出入口もロックされた密室状態で
    招待客全員は館の中に取り残され、その後、招待客が次々と殺されていく。。。

    犯人はだれなのか?そして眼球堂の秘密とは?


    <感想>
    居住区に通じる扉が2重で形状が円って時点で、館が動くってことが
    序盤でわかってしまい、中盤の考察部分が退屈だったけど
    久々に本格推理の館ものを読んだので面白かった。

    <オチ>
    犯人は館主ってことで事件は閉幕し、陸奥藍子は事件を小説にして売れっ子に。
    十和田はそれを読んで、助手的役割をしていた陸奥藍子が、実は館主の子供の天才数学者・善知鳥神で、彼女が父を操って事件を起こした真犯人だと判る。

  • メフィスト賞受賞作にしては正統派本格…?
    全体としては、新本格、メフィスト賞で育った人が筋の通った本格を書こうとすればこんな感じになるんじゃないかな、って感想を覚えた。

    序盤でかなりの地雷臭がしてかなり読み進めるのに時間がかかったが、読み終わって見ればまあ及第点。
    どうして地雷臭がしたかというと、とにかくチープさプンプンだから。設定や人物造形、描写など、とにかく至るところに安っぽさを感じる。天才が全然天才に見えないあたりなど。

    それでも、展開やトリック、さいごのどんでん返しはしっかりしているので、最後まで読めばちゃんと形になっていて安心。人によっては最後を蛇足に感じるかもしれないが、まあ別にこれはええちゃうかな。

  • つまんなそ~と思って読み始めたが、流石はメフィスト賞受賞。読んでいくうちに引き込まれた。

  • いや、読むのに時間掛かった。
    然程難解でもなく、ぶ厚い訳でもない、普通のノベルスクラスなんだけども。

    なんだろね。
    「眼球堂は***(自粛)」って、割と最初から思って読んでいたし、
    真犯人も半分くらいで解かったからかなあ。
    ハウもホワイも解からないけど、いきなりフーダニットだけ解けた/笑。それも99.9%の確信で/笑。
    それが私の思考力のたまものか偶然かは……さて/笑。

    でも、それでも面白かった、読了あっという間だった、っていう作品はたくさんあるけどね。
    いや、この作品もつまらなかった訳では決して無いのだが。

    こういう「造り」にするには力技が足りてなかった、って事かな。
    私、島田荘司氏の大ファンで慣れてるからね、アクロバティックな「造り」には。

  • ”眼球堂の殺人 The Book”周木律著 講談社ノベルス(2013/04/04発売)

    ・・・天才建築家が立てた巨大な”眼球堂”。そこに招待された各界の著名人たち。そこには放浪の数学者十和田と十和田を追うルポライターの陸奥がいた。異形の建築物”眼球堂”に驚く招待客達。そして惨劇の幕が上がり出す・・・。

    ・・・第47回メフィスト賞受賞作。タイトルに偽りなしの舘ミステリー。図説付き!
    やっぱり大掛かりなトリックは楽しいですね。
    おっと、読者への挑戦状もあり。
    盛りだくさんの一冊でした。

    ・・・続編”双孔堂の殺人”が2013年夏予定。”湖畔に立つ、二つ孔の建物で起こった殺人事件。
    その犯人とされたのは・・・十和田先生!?”だって。ちょっと微妙そうな予告。(笑)

  • 第47回メフィスト賞受賞作。あらすじ、設定、展開、トリック、真相、人物配置――どれを取っても王道の新本格。作者の読んできたもの、読みたいものが還元されていることが凄く伝わってくる反面、真新しさやキャッチーさに欠けるのもまた事実です。21世紀も10年以上経ったこの御代に、敢えてここまで“古臭い”新本格を書く必要性があったのか、またそれをメフィスト賞として送り出す意味があったのかは甚だ疑問。総合点は決して低くはありませんが、作品としてはかなり薄味でした。少なくとも、歴代メフィスト賞受賞作の中ではインパクトの弱い部類でしょう。

  • 2013/04/12読了

  • 第47回メフィスト賞受賞作。クローズド・サークル、奇妙な館、密室などなど、その手のガジェット満載のミステリ。キャラクター造形やストーリー展開、真相などへの既視感がハンパなく、「これだけ?」というのが正直な感想。ここまでオーソドックスなものをそのまま出す潔さは評価できるかも……

  • 第47回メフィスト賞受賞作。
    最近はあまり見かけなくなった大掛かりなトリックを使っていて、スケールの大きい荒唐無稽さを楽しめる。
    文章にやや固さが残っていたのが残念。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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