- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061836853
感想・レビュー・書評
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外来語をテーマに自由奔放なショートストーリーを紡ぎあった作品。村上氏のそれは普段から氏の作品に慣れている人であれば特に抵抗なく読めるであろう。しかし文庫にして1〜2ページの物語でも氏が書いたものであるということが匂い立つ文体はさすがだった。
一方、糸井氏のそれは、自分の馴れ初めが「ほぼ日」ということもあってか、昔はこんな文章を書いていたんだなぁと時代を感じるような内容であった。「今日のダーリン」なんかを想定して読み始めると、結構びっくりするのではないか。
両氏ともども、文章で生計を立ててきただけに、文体が個性として人を表現するレベルに達している。
「俺でもできそうじゃん」と適当なカタカナ語をテーマに書き出してみれば、いかにそれが勘違いであるかすぐにわかってしまうだろう。自分の浅はかさを嘆くより、両氏の生み出した短文ならではの世界観を享受できることを喜ぼう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
914.6
村上春樹のだけ拾い読み -
村上春樹と糸井重里によるショートショートの競作集。内容的にはきわめて軽い。こうしたものを1,2作書く分には気軽に向えるかも知れないが、これだけの量になると案外たいへんなのではないだろうか。もっとも、ここでは2人とも「軽み」に徹していて、そんな苦労は微塵も感じさせない。そして、同じ「軽み」とはいっても、2人の個性は時には似通い共鳴し合いながらも、それぞれに違っている。ただ、こうした競作ということになると、ついつい村上春樹に肩入れしてしまうのだが。
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『パン屋再襲撃』に登場する1回目の襲撃「パン」目当てで購入。これを読むと『パン屋再襲撃』がより楽しめる。糸井重里氏の言葉の選び方、リズム感も結構好きだな、と思った。2010/053
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この本読むと、村上春樹さんのすごさが分かる気がします。
私が糸井重里さんを別に好きでもないというところから来ているのかもしれないし、
村上春樹さんの作品を昨今結構読んでいるために彼の書き方に馴染んでいるというのもあるかもしれない。
でも。それでも。
村上さんの書いた部分は、一行、少なくとも冒頭部分で、お話が繰り広げられる舞台が想像できます。そしてそのお話の展開が、現実よりのものなのか、ファンタジーを帯びたものなのか、と言うところまで。
糸井さんのは違う。明らかに違う。
なんだか、「こういうのもアリでしょ。」というのを力技でぶち込んできた感じ。あとちょっと下品w
比べちゃ悪いけど、村上さんの書いた部分には、思慮深さに似たものを感じました。それが下品か否かの境目なのかもしれない。別に下品が悪いって言うんじゃないけど。(ただ、下品にしてみた、というのと下品になっちゃったはとてつもなく違うけど。)
でも糸井さんのが全て悪いとかそういうんじゃなくて、現実に即した感じの日々のあれこれを書き綴っているものは、楽しめた気がするな。 -
村上春樹さんと糸井重里さんがカタカナの単語から思いついた事を自由に書いた本。物語だったりエッセイだったり色々です。
短編集とも言えるし、散文集とも言えると思います。
村上さんの文章はだいたい間違えずに分かったのですが、糸井さんの文章は村上さんの文章かと思ったりしてました。
作中で村上さんも「カゲのようなものが残らない」と書いてましたが、糸井さんの文章はなんだかスッキリしている。言葉がそのまま入って来るというか、うまく言えないけれど言葉は文章になるとその文脈による雰囲気なんかが感じられたりするんだけど、それがない。言いたい事は書かれている言葉そのもの、というかそれが全て、という感じ?がする。
村上さんの文章は読み始めるとすぐに世界観が立ち現れるからすぐに分かる。
物語を書く人とキャッチコピーを考える人の違いなんでしょうか。 -
糸井さんと村上さんの超ショートショート。
ゆるゆる読めます。
分かれば面白いかもしれないが、好き嫌いが分かれそうな印象。盛り上がり箇所とかないし。
ショートなのに、いやだからか読むのに時間がかかった一作。 -
『ドックフード』における欲望の達成の物差しを時間で考えてしまう話や、糸井さんの春樹評が特に面白かった。
他の方のレビューで「村上は流石だが、糸井はイマイチ」という評が散見されるが、そんなことは当たり前じゃないか。
ノーベル賞クラスの作家とマザー2のシナリオライターを同じ俎上で語るでない。 -
村上春樹と糸井重里の短いエッセイが100編ぐらい載ってて、村上さんのパン屋襲撃が読みたくて借りたんだけど、糸井さんのはつまんないから飛ばして読んだ。抱き合わせ商法かw
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村上春樹は日記レベルのライトな文章。軽妙でおもしろい。
糸井重里の文章は・・あんまり好みじゃないかな。脱力系おしゃれなのが糸井さんの良さだと思うけど、本作では村上春樹と一緒ということで肩肘張ってる感じがします。
全体としては、うーん、合作の意味があったのかなあ。