- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061849310
感想・レビュー・書評
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個人的に悲しい(不幸な?)話はどうしても感情移入してしまうので、大好きな野球も題材のキーになっている本作品はハマりました。
容疑者xが個人的にツボで、そこまでには至らないかなってことで4です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初期の名作という評判なので、期待しつつ読んだが、私には刺さらなかった。殺人事件も爆弾事件もつながりも含めて中途半端に感じた。主人公(だと思われる)の超高校級投手の魅力が少ないのが最大の理由か。こんなに自分を律することができ、かつ約束に固執する偏執的な性格の高校生に共感なんか全くできない。ちょっと残念。
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爆発事件と野球、どんな接点があるのか深読みしながら自分で裏の裏まで考えながら読んでいる時間が楽しかった。これこそ読書の醍醐味なんて舞い上がっていたけれど物語を読み進め
蓋をあければ思いも寄らない展開に激しい切なさがこみ上げてきた。
すごい内容が隠されていて衝撃だった。
一途ということへの狂気すら感じるお話。 -
高校野球を舞台にしたミステリー。将来を嘱望された投手と捕手が遺体となって見つかるという、そしてそこに魔球というフレーズが隠されていて事件との絡みはどうなるかという話。エースと呼ばれた投手は孤高の男という存在感を醸し出していて、投球なども見て儚く切ない最期だった印象。学校からへの爆破予告、誘拐、犯人とされた人物はじつは濡れ衣を着せられていたという事実、投球のあの一球は魔球だったのか、部員らの思う気持ちはどうなのか、緻密な犯行計画の真意は果たしてどうなのか隠された真実が見え、そして物悲しい終わり方が残る。
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最後の武志の手紙の内容が感動的(T_T)
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「魔球」はちょっと仰々しくないか…?ただ揺れて落ちるボールに。そして、その魔球はどれだけ物語の中核を担っていたのか…それと、お兄ちゃんの性格の歪みっぷりが残念だ。約束を守ることは美徳だけど、固執しすぎれば病気だ。でも様々な要素が一つに集約していくときの高揚感は流石です。一度物語を分解して、並び替えて、配置して、俯瞰してって作業なんだろうな。その作業はやっぱり理数系の脳の動きなんだと思う。
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9回裏二死満塁、春の選抜高校野球大会、開陽高校のエース須田武志は、最後に揺れて落ちる“魔球”を投げた。すべてはこの一球に込められていた…。捕手北岡明は大会後まもなく、愛犬と共に刺殺体で発見された。野球部の部員たちは疑心暗鬼に駆られた。高校生活最後の暗転と永遠の純情を描いた青春推理。
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とある高校球児の話。
スポ根ではない。
なにも殺すことなかったんじゃないかな。
しかしやっぱり小説に図説はいらない。 -
1988年に刊行された『魔球』は、『放課後(1985年)』で江戸川乱歩賞を受賞してデビューした東野圭吾さんが30歳の時の作品である。
私が読んだことのある作品の中では『卒業(加賀恭一郎シリーズ/1986年刊行)』に次いで古い作品なので、近年の『祈りの幕が下りる時(加賀恭一郎シリーズ)』のように、読者を序盤から物語の中に引きずり込んでいくような力強さはなく、まるでスタンドから観戦させられているような疎外感を感じる。しかし、後半になると並行する二つの筋の中で、素性があいまいだった登場人物たちの関係が徐々に紐解かれ、紛れもない東野作品であることが判明するのだ。
血のにじむような努力を重ね、運命を切り開こうとした兄を襲った不運とは何か、改めて書くまでもないことだが、東野圭吾さんの作品は、悲しい生い立ち、苦しい経験、辛い結末の3拍子が揃った作品が多い…読んでいる時は結末を知りたくて緊張しているので感じないが、読了後は、その場に居合わせたかのような疲れが出る。
私は、故障した投手が魔球を編み出そうとする設定から、横山秀夫さんの『出口のない海』を思い出した。 -
すごく悲しいお話。壮絶です。
野球がテーマの小説って、東野圭吾さんの作品にはあまりないので
新鮮で興味深かったです。