アフターダーク

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062125369

感想・レビュー・書評

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  • 前作の海辺のカフカとは趣が異なる著者にとって実験的意味合いが強い小説のようだ。全体的に暗い感じ。

  • 「私らの立っている地面いうのはね、しっかりしているように見えて、ちょっと何かがあったら、すとーんと下まで抜けてしまうもんやねん。それでいったん抜けてしもたら、もうおしまい、二度とは元には戻れん。あとは、その下の方の薄暗い世界で一人で生きていくしかないねん」

    一時帰国を終えて、中国に戻るために朝早い羽田空港行きのリムジンバスを待つ。朝5時過ぎのJRの駅。改札を抜けると若者の一団が「じゃあねー」「またねー」と声をかけながら解散していく。どうやら夜通し遊んで、始発を待っていたらしい。「不良」というイメージとは程遠い、どこにでもいそうな高校生ぐらいの若者。女の子も多くいるが、けばけばしい化粧でもなく、普通の印象。駅を出てバスを待っていると、同じような若者が酔っ払っているのか、大声で叫び、歌いながら走り回っている。

    これはあくまでも興味本位で夜の世界を一夜だけ満喫した昼の世界の若者たち(だと思う)。そうではなくて、夜には本物の夜の世界の住人たちがいる。昼の世界で生きられなくなった者、昼の世界を放棄した者。昼の世界で生きるためには陽のエネルギーを溜め込んで放出しないと輝けないが、夜の世界では陰のエネルギーを溜め込んで放出していないと生きていけない、気がする。それは自然のエネルギーに逆らうことに他ならず、肉体的にも精神的にもしんどい生活。

    この作品は村上春樹作品の中でも非常に謎の多い作品だと思います。ちょっと悪いやつが出てきて「痛い目にあうんだろうな」と思っても何も起こらないし、小さな苦悩を抱えて懸命に生きる若者が出てきて「救われるのかな」と思ってもやはり何も起こらない。村上作品群の中でもポジションが微妙で何を意味しているのか、何回か読んでもいまだにつかめない。

    謎の作品です。

  • 現在形が多い。

    余りたいしたこと起こらない。

    なんか文章がださい。

  • 個人的にはこの文体はあまり好きになれなかった。
    新しいことをやろうとしてるんだろうし、それに失敗しているとも思わないけどね。
    ただ、個人的趣味として。

    「あちら側とこちら側」は実はそれほど離れた世界ではない。
    しかもだれもそこから「逃げ切れない」
    なんとも切なくなる話だけど「なんとかがんばってやりとおすしかない」
    「できるだけ政治的に正しい卵焼き」を食べながら。

  • なんだか途中で打ち切りされたドラマのような終わりだった。

    マリの個性的な性格と話し方はとても独特で
    好きなタイプの話し方だったし、
    高橋の話はとても面白かった。

    しかし、ある視点から見た、話と
    マリと高橋がかみ合う事は最後までなく、
    エリのいる世界のテレビの中にいた男はだれだったのか?
    白川は高橋、マリと関係があるのか?
    など謎だらけで終わってしまった。

    アルファヴィルという映画、
    デニーズのチキンサラダはちょっと気になったので、
    試してみたい

  • もっと膨らませそうな内容ですが、
    一夜の物語なら、これくらいのボリュームで適量かもしれません。

    しかし、もうちょっとこの設定で、
    話を膨らませてもらいたかった気もする。

    結局のところ、
    語られぬまま終わった物語が、
    こちらの心の中に、いまだに波紋を作り続けている。

    不安の中に、清々しさを感じるような読後感、
    とでも言いましょうか。

    いや、その逆か。

  • 夜(dark)はどこにいても、誰にでも訪れる。昼間に生きる人もいれば、夜(dark)に生きる人もいる。
    夜、それはとても涼しくて、でもどこか冷たい時間帯は、いつの間にか僕らを包み、明るい、そして温かい1日へと命を繋ぐ。

  • 初めて読み終わったハルキ本。俯瞰的で、感覚的なスタイルにのっかってみた。こういう読後の感覚は初めてだ。

  • よくわからんかった.もう一回読めば面白いのかも.それ以前に性的描写が無駄に多い気がする.

  • 村上ファンの間ではあまり評判がよくないようだが、わたしはかなり好きな作品。
    ノルウェイの森よりも上質な「青春小説」だと感じた。もしかしたらそれは時代の差かもしれない。ノルウェイの森よりも登場人物に共感ができた。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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