人生ベストテン

著者 :
  • 講談社
3.15
  • (11)
  • (56)
  • (180)
  • (28)
  • (4)
本棚登録 : 484
感想 : 86
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062128100

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「アウトなんて言いたかなかったよ、だけどあんたが、あんたが」
    「ああもう、だからそれはわかったよ、悪かった」
    「おめでとうくらい言えぇ」

  • 6篇から成る短編集。どれも40歳前女子の切ない話。そんなに重くもツラくもないにでサラっと読了。表題の「人生ベストテン」にクスっときて、と後の「貸し出しデート」にため息。

  • 図書館にて。
    相変わらずこの作者の作品って厳しくてズタボロ…
    起きる出来事がどんどん大きくなったり深刻だったりして、でもそれをさらりと書いていてさらに一層怖さが増す。
    それぞれそれなりに着地してるラストだけど、うーん、手元に置いておきたくはないかなあ。またついこの作者の本は読んでしまうんだけど。

  • 偶然乗り合わせた飛行機で隣りになったり、不動産屋と客だったり、リフォーム業者と客だったり
    久方ぶりの同窓会での奇妙な出会いを経験したりと一見どうでもいいようなまたは
    面倒臭そうなちょっとした人とのかかわりが思いもかけない自分を発見する糸口になる。
    そんな様々なシチュエイションの短編集が6編、収録されている。

    『袖擦り合うも他生の縁』 『旅の恥はかき捨て』とかって言葉があるけれど
    いくら旅先で気が大きくなったからといって赤の他人にここまで愚痴ったり自分をさらけ出せたら
    気分いいだろうな。でも愚痴られたほうはたまったもんじゃあないけれどね(・_・;)
    ココに出てくる登場人物たちはどちらかというと後ろ向きな発想の人が多いんだけど人との小さな関わりの中で何かしら前向きになれそうなものを掴んでいく様子が小気味良かった。
    またとかく妄想にふける人物がこの中には多い。まぁ、私自身妄想にふけることは嫌いではないけれども。
    『飛行機と水族館』では妄想が暴走しまくっていて空恐ろしい気さえした。
    さらに表題作『人生ベストテン』では同窓会で初恋の相手に会えて淡い期待をする主人公の前に
    どーんと迫ってくるラストには「わはは!そうきたか!」と大笑いしてしまったが
    転んでもタダでは起きない主人公の根性は大したもんだと思った。

  • タイトルの表題他、短編6作品。

    角田ワールドといった感じでしょうか。
    通勤の間にさらっと読むのにちょうど良い感じでした。

  • ありふれた日常を書いたような、結構どれもまた印象が薄いんだけど、短編集。
    特に40を前に、中学校のとき2週間くらいしか恋人がいたことのない女が、その男が幹事ということで同窓会に出席。。
    しかし見知らぬ男に騙され。。その彼は欠席してた。。
    まぁいろいろと40にもなると人生で人は変わるんだろうということとともになんか女の虚しさを感じた

  • ★あらすじ★

    ①床下の日常
    水漏れ修理をするためににとあるマンションに岡田。とあるマンションの住民の様々な人間模様を垣間見えるが…。

    ②観光旅行
    長年付き合った恋人との関係を考え直すため、イタリアに旅行に来た私は不思議な親子(母・娘)と出会い、2人と行動を共にするようになると…。

    ③飛行機と水族館
    偶然飛行機で隣になった女はしくしくしく泣いていた。涙の意味は彼女の悲しい恋の話を聞く。もらった名刺に書かれた電話番号に電話をかけ、もう一度会おうと試みるが…。

    ④テラスでお茶を
    恋人と別れを決心した女は、一軒家を購入すると心に誓う。不動産屋さんと一緒にいろんな物件をまわるうちに、その家々に見える生活に心が動いていく。


    ⑤人生ベストテン
    40歳目前に同窓会に出席することを決めた女(独身)は、初恋の相手に会うことを心待ちにしていた。会場であった初恋相手と2人きりで一夜をともにすると、不可解なことがおこる。本当に彼は初恋の相手だったのか!? 

    ⑥貸し出しデート
    夫婦仲が冷めきり離婚を決意する、妻・万朱美(ますみ)は、
    男をお金で借りてデート。
    夫以外の男性と交流を持つことで、自分自身を見つめなおしていく。


    ★REVIEW★
    短編集なのですが、どのお話もなんとなくお話が進み、
    なんとなく終わります。
    はっきりした結末はないので、一喜一憂はしないのですが、
    そこがいいです。
    さらっと読めるし、不思議な気分にもなれます。

  • 角田ワールドらしい普通じゃ終わらせない
    苦みのあるラストが効いている小説。

  • 結末を、もちょっと進めてもらえれば、踏ん切りが付けれそうなのだが
    中途半端な感じが、ハッピーエンドまでは行かないにしろ、ム~

    実際のところ、その先も変わるわけがなく、ただただ流されていくだけと思われる
    主人公たち、共感できるが、そうはなりたくない。

    心情が身近に感じてしまい、どうしたらいいの、あ~~

  •  6つの短編集。
     ぱっとしない30半ばの女性たちが、いろいろ日々に行き詰りつつ、
     妙な成り行きで地味にすれ違う、変な人たちとの一瞬の邂逅で、
     訝しがったり批判したりムカついたりしつつ、
     そう劇的に好転はしないものの、
     わりと気分転換っぽく上向いていく、みたいな。

     優しくは無いし、ザラザラと感じ悪かったりもするが、
     やはり角田氏は上手ですよ。すぐ引きこまれるし、飽きません。
     大作・渾身作ではないが、期待した水準に、必ず応えてくれます。

全86件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×