不幸にする親―人生を奪われる子ども

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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062144483

作品紹介・あらすじ

人生を阻むトラウマ、それは「親の支配」!
不幸の連鎖を、あなたの世代で断ち切るために……。
全米で話題となった名著の邦訳、ついに登場!!
ロングセラー『毒になる親』(講談社+α文庫)の解決実践編!

「いつも損な役回りをしてしまう」「物事がなかなか決められない」「他人がうらやましくて仕方がない」……その正体は、子ども時代の心の傷。心を癒し、希望のある人生を切り開く方法を具体的にアドバイス!

<有害な親の8タイプ>
その1 かまいすぎて子どもを窒息させる親
その2 子どもの幸せを取り上げる親
その3 完全主義者の親
その4 カルトのような親
その5 支離滅裂な親
その6 常に自分の都合が優先する親
その7 身体的な虐待をする親
その8 責任を果たせない親

感想・レビュー・書評

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  • 非常によくできている。

    『毒になる親』(スーザン・フォワード著、講談社)の解決実践編と銘打っているが、これだけでも十分に思う。
    先日読んだ『愛着障害』(岡田尊司著、光文社新書)と合わせて読むとなお理解が進む。
    「許し」の解釈などは特に。
    読みづらいまどろっこしい文体の翻訳もの、という感じは薄く、水を飲むようにすんなり読めた。

    ただ、親の子どもに対する「コントロール」という表現には違和感を持ったまま読了した。
    子どもをコントロールしようと能動的な親もいるにはいるが、その意思もないままに無意識にやっている、罪悪感なき親も多いはず。
    それに、本書が全体的に「虐待(心身ともに)」というアグレッシブな事例がしっくりくる構成になっているのがなあ。
    子育てしている実感があるのかないのかわからない、ただただ逃げを打ち、感情的に共感能力の薄い親(もちろんこの事例もありますが)の方が、日本は多数派なんじゃないかなぁ。

    前項の「許し」について。
    許しても許さなくてもよい。許すことのリスク、許さないことのリスクも含めて、丁寧に綴っているのがよい。良し悪しでは判断できない領域にいる人たちがこの本を手にするのであろうから。道義ではない。そこには「生きられなかった生きていたはずの生きている自分」がいるだけだ。

    いつのまにやら親の価値観でモノを見ている自分自身に、そこから発している自動思考に長い間苦しんできた。今も当事者である。実家に帰るだけで鬱状態になる。それを伝えても、「対決」しても、こりゃ駄目だと悟ったのだ。年老いた親は変わることはない。おそらくこのまま最後まで行くだろう。
    そんな彼らを「あきらめる」こと。あきらめてよいこと、をこの本が後押ししてくれる。

    全体的に良心的な書だが、ところどころにある「エクササイズ」は、これができたらそんなに悩みはしないよ、という域を出ないし、
    「解決」や成長のための実践にはやはり信頼できる第三者か、セラピストなどの専門家をオブサーバーにつけた方が安全だと思う。
    この本だけ読んで実践できる人は、ほんとの専門家くらいじゃないかな。

  • 子どもを不幸にする親にはどういった傾向があるのかを分類し、それぞれのタイプについての説明、対処法、そして傷ついた心を撫でる優しい言葉が書かれている本。
    この本を読む読者層はなにかしら心に傷を負った人間が多いと思うのだけど、彼らに対して非常に気を使って、優しい言葉を選びながらなるべく驚かさないように文章が書かれているので、変な誤解を生むことなく落ち着いて読み終えることができるし、余計なことを考えずに冷静に思考できるはず。この本は一貫して私たちと距離を保ってるので、変に頼らず、きちんと人生の参考にできると思う。

  • 居心地の悪さを学びたくて。子供に対して自分はどうなのか、と問いかけながら読んだにで時間がかかった。
    自分と向き合うのは困難だけれど、一歩ずつ。
    何年か前に、親は好きではないし、大切に思わなくてもいいと心に決めた時に感じた開放感の正体を見た感じ。

  • 自分の心がおかしいと本当に気付いた時に、必死に探し当てた本です(本当に気付いたとは、他人へ依存しよう、とも思いつかないくらいに、心が解決に向かって必死に集中していたという事です)。
    まさにビンゴだったので、私にとっては長年の悪夢から解き放たれるきっかけをくれた本となりました。

    この本の良さは、こうしなければダメだ、こうしなければいけない、
    という、アダルトチルドレンにとってマイナスになるHowToが無いこと、
    それから、読者一人一人の現状も踏まえて、例えば物理的にどうしても変えられないところはそのままでいい、というように、
    所謂「否定」「突き放し」「切り捨て」の無いところだと思います。
    アダルトチルドレンは、本気で自分がそうだと自覚できれば、半分は回復できているので、是非この本を読んでほしいと思います。

  • 児童虐待に限らず、「相手をコントロールしようとする心理」と考えて読めば、いろんな対人関係において、また自己を顧みるに助けになる。日常的な虐待を受けてなくても、親や兄弟、先生などから一時的に傷つけられた経験によって、今現在苦しんでいる可能性もある。「許さなければ」と思うと納得できない。そういう心理ついても詳しく、一般向けの易しい言葉で書かれていてよい。

  • 「毒になる親」を読んでから、こちらを読みました。

    こういった毒親本を読むと感じるのですが、親は子どもだなぁと思いました。色々タイプがいますが、親自身があまり良い幼少期を過ごせていないんでしょうね。
    幼少期ってその子どもの将来に影響します。死刑囚の生育環境を調べると可哀想な方が多いです。毒親も、その亜種か何かなのでしょうか。

    愛着障害、発達障害、パーソナリティ障害などと絡めて深掘してみたいテーマです。

  • この本を読むと、うつの原因として、親の影響もかなりあるのではと思った。仕事上の人間関係にも影響を及ぼす、子供時代の親の影響。改めて大きさを思い知った。うつに悩む方々、自分の性格のせいと悩んでいる方、この本を読めば救われるかもしれません。

  • 衝撃が走り、私自身の眼に別の道を写し出してくれた。
    器用に人の目を気にしながら生きて来た私にとって、この本は力強い未来を教えてくれた、運命の本なのかもしれないと感じている。

  • 毒になる親ほどの読み応えはなかったが、具体的な対処法などが書かれているので、苦しむ方々の一助になり得るものだと思う。

  • 感想
    親と向き合えるようになりました。

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