ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157612

感想・レビュー・書評

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  • 毒母
    母と娘

    支配なのかな。
    愛なのかな。

    みんな寂しいのかな。

  • 題名のゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。の正体が何なのか。最後まで分からずに話は進んでいく。2組の母と娘を中心に話は進む。母を殺した娘に、どんな訳があったか。これも、最後に解決する。人間の誕生に関する題材を、上手く書き連ねて読書を飽きさせない著者の力量に感嘆する。

  • 全く共感できない、理解できないと手放しで言える人が羨ましいです。今まで読んできた中で一番大きな衝撃でした。年齢と今の自分の立場、過ごしてきた歳月、もちろんそれで感じ方は変わるのでしょう。自分を育ててくれた母に改めて感謝し、自分の子育ても考えてみたり、そんな作品でした。この本を書いている時点で彼女は母親ではなかったと思うのでその心理描写には驚きです。

  • 図書館で借りたもの。
    "30歳"という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。
    何かに突き動かされるように、警察の手を逃れ今なお失踪を続けるチエミと、 彼女の居所をつきとめようと奔走するみずほ。
    行方を追う中、不可解な事件とその真相が明らかに。

    殺人を犯したかもしれない友人と赤ちゃんポストが交わって、なんとなく道筋は見えたけど、「タイトルの数字はなんだ!?」と一気読み。
    その数字に思い当たった時に鳥肌が立った。
    そういう意味だったのかと。

    女性同士の関わり方がリアル。
    スクールカーストや女性同士のマウントを描くのが本当に上手いなぁ。

    子どもを自分の思い通りにしてはいけないなぁと改めて思った。

  • 女性なら誰もが奥底で感じる勝ち組、負け組という意識。世間的にはそんな概念ないと綺麗事をいうけど、未だに日本人の中では蔓延っている常識や女子特有の関係が嫌になり疎遠になる様も上手く描かれていて感情移入しやすかった。母娘の関係がみずほとチエミが対称的だった。事件の真相やタイトルの意味が分かった時、とてもやるせなくて悲しかった。できないけど、お母さんに会わせてあげたいと思うぐらい切なかった。

  • 女子特有の格差、面倒くささ、
    そして、母と娘との関係、
    辻村さん、嫌になるぐらいうまい。

    農家に育ったチエミの環境、
    極端にお菓子類を制限されるみずほの環境、
    どちらも辻村さんのエッセイで見られた部分がありますね。

    最初のほうは、女の面倒くささが続き
    何だかな~と思っていました。
    だけど、みずほと母との関係、
    また、及川さんの話から出てくる、チエミと母の関係を見て
    息が詰まりそうになってきた。

    「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」の意味を知ったとき、
    これまでの話がつながり、あっと驚いた。
    最後まで娘を守ろうとする母に感動した!

    しかし、時間が経つにつれて
    それがいかに身勝手なエゴであるかと思うと
    怒りを覚えるやら、切ないやら……。

    動物の本能なのか、母と娘の関係は
    同性ゆえの歪んだ支配や虐待がある場合がある。

    子供をコントロールしてはいけない。
    親にコントロールされてはいけない。
    そんなことを思った本でした。

  • 登録が4月半ば。読み終えたのが7月終わり。

    前半読むのやめよかなて何回思ったか。
    半分過ぎたあたりからテンポよく物語が進むようになって
    後半は面白かった。
    タイトルの「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」の理由とか、
    あ!そうだったんだ…とかもあって。

    女の子、女性特有(なのか?)のゴタゴタ。
    私だって女だけど、そんなの今ちっとも考えてない。
    え、そこまで恨む?とか、だから何でって部分多くて、
    自分がそれなりに平穏に暮らしてる、今まで平和やったということか?とか考える。
    そんな他人を羨んでも、妬んでも、しょうがなくね?

    読み終えて、諦めず読んでよかったとは思う本。

  • とある殺人事件をめぐる、複雑な女友達の物語、そして、母と娘の物語でした。
    地元の友達と、自身の環境が変わることによって気づく価値観のズレがリアルで、ヒヤリさせられました。疎遠になっていたかつての友人と会う場面の、気まずさや気の置けなさにはハラハラさせられました。
    2人の主人公が対照的で、それでいて完全に切れることができない、羨望と罪悪感の混じり合った複雑な関係には、読んでいて引きつけられました。
    どちらの生き方も極端で、選べないけれど、友人を羨みながら泣き崩れる主人公には、哀れみを感じました。自身の友に対する憧れによる固執と、母子関係の異常さに気付かなかったのだから、これ以外の道はなかったのだろうけども、それにしても、やはり哀れでした。救われない末路が、すごく、悲しかったです。

  • この作家さんの作品は、心がもやもやして最初は中々読み進めないのだが、最終的には一気に読んでしまう。登場人物の女の子の中に自分が見えてしまうからなのか?何故か読後感がスッキリしない。

  • 泣けるわ。女子っていろいろ怖いよね。
    とか言いつつも、共感というか、女子特有のいろいろに頷けました。タイトルの0807がいつ出てくるのかと思ったら…!気づけなくて悔しい!!いい作品でした。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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