ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157612

感想・レビュー・書評

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  • 読み続けるのがつらい、でも読み進めずにはいられない、そんな小説でした。
    母親を殺して逃げている幼馴染みを探す物語なのですが、最後に小説の題名の意味を知って衝撃でした。
    親子関係や友人関係に悩んでいる人には特におすすめしたい1冊です。

  • いい年したオヤジの私ですが不覚にも感動してしまいました。
    カラダの中から書きたいことが沸き上がってきてるような、そんな作者さんじゃないかって感じます。

    父と息子モノってたくさんありますが、母と娘モノってのもアリですよね。
    妙に暗いトーンとか不自然な部分とか、欠点も抱えた作品だと思いますが、そういうところを差し引いても十分残っている大事なものがこの小説にはあります。

  • ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナって・・・・そういう意味なのか。
    割とさらりと真実が最後の方で出てきたから「おぉ・・・・そういう意味か・・・。」と、静かに驚いた。

    この話はきっと女の人が読んだ方が強く感情移入できるのかなと思う。
    最終的にはチエミは誰も殺してない??
    という解釈をしてもいいのかな??
    こういうのって法律的にどういった解釈になるんだろう。

  • 14/01/19

    及川亜理紗の言葉がえぐい。
    「誰かに拒絶されて、それを自分の中で咀嚼して立て直す過程を全然通ってきてない感じがする」「いつまでもあなたは変わらない」。
    まるで自分に言われているようでえぐい。

  • 理想だと思っていた親子の事件の真相が、その理想を崩さないもので良かった。躾は大事だけど、人としての尊厳は忘れないようにしないとな。

  • 終わりの方、めくるページを止められないくらいに一気に読んだ。
    この本の中には、いろんな女性がいて、女のめんどくさいところとか、嫌なところとかが、いっぱい出てくる。
    誰か1人に自分を重ねることはできないけど、共感できるところもいっぱいあって、なんか自分の将来が怖くなってしまった。
    私もいつか負け組の自分を恥じながら、生きていかなければならないのかと。
    自分の幸せは自分で決めたいけど、やっぱり1人は怖くて、
    群れるのは嫌いだけど、結局女って群れなければ生きていけない人間なのだろうか…。

    「三十までにやりたいことをやって、落ち着いてなきゃいけない。何でもいいから、結婚したり、結果出しておかなきゃ、笑われるし、おしまいなんだって思ってた。そのときまでに何にもないままだったら恥ずかしいし、でも、逆に言えば、そこで、苦しいのもきっと終わりになるって思ってた」

  • いろんな種類の女が出てくる、ミステリーの形を借りた女図鑑。母と娘、結婚、妊娠…。

    私自身は、東京に出た四大卒、今は専業主婦。ワーキングマザーしてる友達や、結婚せず、あるいは子供を持たずに仕事とマイライフに没頭する同級生を見ると、私が大学に行ったのなんか無駄だったかなあと思ったり、思わなかったり…。

    娘を育てながら、女の一生って何が幸せかは、本人と、彼女のパートナーにしか決められないものだなあと思う日々。

    私は娘をできるだけ縛らないようにしたい。でもきっと、娘は私に傷付けられているのだろう。私が母に傷付けられたのと同じように。

  • 始めのうちは少し読みにくかった。伏線の張り方がスムースでないからなのか、ガクンガクンと、いちいち立ち止ってしまった。
    自分の読解力の無さなのかと頭を悩ませたが、レビューに同じように始めの方が読みにくいと書かれていたし、途中でやめたくなるほどではなかったので、気を取り直す。
    そうこうして読み進めていくと、段々スムースに流れていくようになり、そうなるともうはまってしまった。
    どの登場人物も脳内で鮮明に映像化できて(この本の場合は実在する俳優ではなく、全くの自分の作り上げたイメージとして)ストーリーが進んでいった。
    どの人も実際にはあまり関わりたくないタイプだが、言わんとするところはわかる。

  • 辻村本はやっぱり好きだ。
    辻村さんに女子を書かせたら天下一品。
    女子の見栄、ズルさ、弱さ、強さ、優しさ、怖さ…
    意地の悪いとことか、すぐ思い込んじゃうとことか、思い当たる節がありすぎて(笑)

    30歳の同級生のお話。
    この本で私が重ねたのはチエミ。
    私はいつでもチエミになる要素を持っている。

    ハラハラドキドキしない辻村作品だけど、今の私には考えるところが多い。

  • これは女性だからこそ書ける小説だなあと実感した。
    女同志の友人関係の微妙な心持ちとか2組の母娘の関係を通して描かれている脆さとか愛しさとか。
    共感できるだけに読んでいてあんまりいい気分にはならなかった。
    でもラストへ向かう後半は一気だった。
    あまりにも辛いラストのチエミ。
    でも救いはあったのかもしれないとも思う。
    ゼロハチゼロナナ・・・・の意味は最後の最後に分かります。
    中盤の中だるみの割に余韻が残りますね、これ。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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