ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157612

感想・レビュー・書評

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  • 辻村さんは、こういう格差みたいなものを書くのが上手いなと思う。
    女の人の独特の陰の描写がひどく生々しい。 他人から見れば、なんでそんな大事に抱えているのか、守っているのかわからないようなものに縋っている姿っていうのは、やっぱり滑稽に映るのだろうか。

  • 女同士の在り方を飾ることなくありのままに描かれていた。「普通」な女子は「普通」じゃない女子を見下して接し、たまに罵る女子もいれば、それを眺めるだけの女子もいて。結局みんな相手を見下しながら接しているんだと思い知った。そう言えば「そんなことない」と綺麗事を並べる人もいるだろうけど、でもそれも同じことだ。「普通」じゃない相手を見下して、自分を保とうとする。「普通」なんて、どこにもないのに。

  • 第1章で皆が語るチエと、第2章のチエがなんとなく違う人物に感じた。
    でも、人ってそんなもんだと思う。
    皆から好かれることは出来ないし、自分のことを全て理解してくれる人はいない。
    タイトルの意味が最後の最後までわからなかった。
    この終わりかた、好きだけど、切なすぎる!

  • お友達からのお薦めの1冊。

    幼馴染が母親を殺害して失踪。
    小さな田舎町の人間関係の中であえいでいた彼女の軌跡を辿っていく。。
    女性世界特有のかけひきや赤ちゃんポストのくだりが現実ぽくて生々しい。
    最後に「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」の意味が分かった時じわ~っときてしまいました(>_<)。

    個人的には翠ちゃんの人生が気に掛かります(^^;)。

  • 愛情というのは難しい。
    言わなければ届かないこともあるし、分かっていてくれると思っていても、そうでないことも往々にしてある。
    どんなに強く愛していても、相手の望む愛し方でない場合、それはうまくいかないし。
    ぎりぎりの綱渡りのような愛もある。
    とても難しいものだけど、人はその愛に支えられて生きているのだろう。
    どんなに小さくても、人から見たらつまらなくても、本人にとってかけがえのない愛ならば、それは真実だ。

  • 主人公のみずほが親友を捜し歩く話。
    親友のチエミは実母を殺して逃走中。しばらく疎遠になっている間にチエミの周囲に起こったことを、友人や関係者にたずね回って聞く。
    みずほとみずほの母、チエミとチエミの母を通して、母娘の関係性やらを描写してるといった感じだと思われ。

    辻村深月のサスペンスっつーとまた名前オチかと身構えてしまったけれども、今回は違ったみたいです。

  • 3.0

  • 母を刺殺して行方不明となった幼なじみを探す主人公。
    母と娘、女性同士の嫉妬、妬み、羨望、そして心の揺れが精細に描かれる。男性の中でも鈍感な私は、こんな世界は『普通』じゃない!と思った。が、その『普通』に正解はあるのか?と著者は問う。

  • 登場人物全員好きじゃない笑
    むしろ、嫌いや笑

    地方の「地元」の感じはすごーく分かる。
    県は違えど、どこも一緒やなと。

    やけどいい大人なんやし、友達も環境も自分で選べるのになぜ選択しない。なぜ嫌なのに付き合う?

    自分が嫌い系な人しか出てこなかったので、感情移入できず。

    あ、翠ちゃんは好き!

  • 幼少時に虐待経験持つ神宮寺みずほと、その幼馴染で母親と一心同体のチエミさん。どちらも地方都市によく居そうな二人。及川亜理沙さんが随分チエミに手厳しい。ここまでタイプが違えばお互い余り深入りせずに済ませそうだけど、ガチンコで対決するとこんな展開になってしまうなかしら。。
    第一章と第二章の分量の圧倒的なアンバランスが二人の内面世界の大きさを象徴しているような気がしました。
    最後の反転は完全に想定外。やられたー。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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