ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3219
感想 : 605
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157612

感想・レビュー・書評

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  • 終始救いのない絶望に包まれた作品だったように感じる。愛情の形は家庭それぞれだし、注ぐのは結構なことだが、子どもがどう感じるか、理解されないままのそれは悲劇に他ならない。

    ラストの女子大生が清涼剤となるのはいいが、もう少し早めに登場して欲しかった

  • 複雑な人間関係模様が緻密に描かれており、全体に暗いムードの話の中、冒頭のインパクトが残す謎を漂わせることで終始先が気になる展開でした。

    正直、自分が好みの辻村先生の他作品(リンク物)の残す鮮やかな爽快感のレベルが高さ過ぎて相対的にこの点数となりました。

    女性同士のコミュニティは男には理解できないからなのか、感情移入できない場面が多々ありましたが、知らない世界を覗いているようでむしろリアルに感じられました。
    彼女たちの進む未来が明るいものでありますように。

  • 少し重かったけど面白かった
    自分は幸せだな

  • 0807って何だろう…とずっと思っていたけれど、最後の方で分かって、そうだったのかと。結局、親の愛情はありがたいけど時に(かなり)うっとくて、それは、多かれ少なかれ誰にもあることで、女同士の付き合いとか友情とかも同じような面があって、自分も経験してきたことなので、登場人物の皆に共感できる部分があって、一気に読んで自分の人間関係を振り返ってしまった。

  • 女の話。友達、同級生、同僚、母娘。
    登場人物全員にイラッとするけど、全員に共感できる部分があることを自覚し、そんな自分にイラッとする。
    そして母娘は難しい!正解なんてどこにもない。
    どの母娘も自分にとっては普通だし、他人から見たら普通じゃないのだろう。
    子育てしてみて初めて気がつく事もあるし。
    親が生きてさえいれば、まだまだこれからやり直せる。
    初めから知ってたという翠ちゃんにビックリ。みずほは彼女にどんな刺繍を残したのかな。

  • 幼なじみが、母親を殺害して逃げている。

    なんであんなに仲が良かった親子なのにこんな事になってしまったのか?

    それを幼なじみの行方を探すと同時に追っていきます。

    最初は主人公目線から。終盤の方で幼なじみ目線から書かれています。

    どんな家庭でも、それを他人がおかしいという権利はない。ということがテーマなのかなと思いました。

    あきらな虐待とかがあれば別ですが、幸せに暮らしている家族に対して、これがおかしいと攻める方がおかしい。

    家族からの愛があれば、それでいいと思いました。

    最後に本の題名にまた愛を感じました。

  • 「自分の人生の責任を、人に求めて不満を口にして終わり。そんな生き方、楽じゃないですか。与えられるものを待つだけ、自分で選ぶのではなくて、選ばれるのを待つだけなんです。その証拠に、会社にどれだけ不満を持ったところで、契約の更新がされるかどうかに怯え、彼女の口からは一度として転職という言葉がでなかった。自分でなにかを決断したことがないから、変化が怖くてたまらない。そうなると、最初の頃に私にしてくれたアドバイスも意味合いが全然違ったものに思えてきました」

    「格差という言葉で全てをまとめるのは好きじゃないですけど、私と望月さんの間には差が横たわっていました。学歴とか、先生に恵まれたとか、そういう意味じゃなくて、意識の格差です」

  • やな感じ
    やな感じを描きたかったのかなとも思った

  • 女性が読んでもただひたすらに女ってめんどくさい生き物だな、と感じるお話。女の心の闇がありありと描かれていて、登場人物がかわいそうになってくる。

  • 母親を殺害した後失踪した幼なじみを探す物語。
    主人公みずほは、母親との関係が良好ではない。
    それに対してチエミと彼女の母親はとても仲が良かった。
    それなのに、なぜチエミは母親を殺害したのか。
    みずほがチエミの関係者に話を聞くうちに驚きの真相が見えてくる。

    この作品では、女性の本質、とりわけ汚い部分が上手く描かれていると思う。
    読んでいると『あー、この気持ちわかる』、『私と似てる』と感じることが多くあり、自己嫌悪になった。
    辻村さんの作品では、いつも魅力的な登場人物の虜になるが、今回はマイナス面で共感するところは多かったが、あまりはまらなかった。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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