- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062157711
感想・レビュー・書評
-
事件に関わる事柄が程よい情報量で出てきて解決に向かうテンポが良かった!
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下町に溶け込む加賀恭一郎。
1話1話が温かくあるのにもかかわらず、事件の真相に近づいていく。単純な犯人探しに止まらないのがいい。
-
麒麟の翼で彼に出会い、赤い指ですっかり魅せられ、その後は発行順に読んでここまで来ました。赤い指までの彼とは服装も違うし雰囲気も柔らかくなっているのがわかります。短編仕立てのストーリー一つ一つは小さな謎を解くだけの大きな事件の裏側の一部なのですが、一貫して家族愛を描き出してひとつ読むたびに優しい気持ちになれるのが嬉しいです。ちょっとテイストが変わってくる後半は余韻をかみしめる時間も惜しく次々と読んでしまいました。このスポットの当て方や構成はすごく好きです。東野作品の中でもお気に入りの一冊になりそうです。
-
ドラマを先に見てしまったのだが、これは原作も面白い。地元に馴染むこと第一と考える仕事の仕方も納得できる。
しかし専業主婦ってのはホント良くない選択だ。 -
ショートストーリーが続き、あまり深入りできなかった印象
-
事の発端は、日本橋の一角で起きた殺人事件。事件に関係していると思われる人々が住む人形町を新参者の
加賀が歩き回り、煎餅屋、瀬戸物屋、時計屋・・・など1軒1軒を訪ね、それぞれの短編集のような小説。
犯人は被害者の元夫の会社の税理士であり、使い込み発覚を恐れた犯罪であった。 -
東野さんの作品を読むのは、15年ぶりだ。
-
新しく警部補として就任した「新参者」の加賀警部補が挑む、商店街界隈で起きた女性殺人事件。
殺害された女性はできちゃった婚で結婚し、長年の夢であった翻訳家という夢を諦めざるを得ない状況に。しかし彼女の本心としては翻訳家としての夢を諦めておらず、息子が役者を志して家を出たことから夫と離婚、そして翻訳家への一歩を歩み始めた…ところでの殺害。
被害女性の周りの人からは「あんなにいい人だったのに…」と悔やみの声ばかり。
少しずつ商店街を調査していくうちに彼女の元旦那の会社の経理を担当していた旦那の長年の友人が犯人であった。
東野圭吾を連続して何冊も読んでいたからかもしれないけど、東野圭吾のストーリー制がなんとなくわかった。どの本も一つの事件に対してその周りの人々を主人公とした章がいくつも連なって、最後に種明かし、っていう流れ。
-
なるほどこれは超ドラマ化向きだ。ドラマ版未見だけども。各話やたらに読みやすく、切なめな人情話がそつなくちりばめられ、職人芸のような構成の妙でズルズルと一気読みを誘われる。加賀刑事が完璧超人過ぎな気もするけど、この安心感も売りの 1つなんだろうな。
-
東京の日本橋人形町で起こった殺人事件と、その解決に挑む所轄の日本橋署の加賀刑事を主人公とした連作短編。各章を構成するのは、それぞれ事件の被害者と何らかの関わりを持っているが故に捜査の対象となった下町の人々。彼らはいずれも人情に溢れた人柄であり、自分の周囲の人のためによかれと思って行動しているのだが、それを口に出して相手に伝えるような無粋なことはしない。口に出さないのが美徳の下町なのだろうか。しかし、それ故に相手に伝わらず誤解されてしまうことも多い。加賀刑事は、殺人事件の捜査をしながら、ごく自然に彼らの中に入り込んで鋭い観察眼で彼らが口に出せない真相を見抜く。そして掛け違っているボタンをそっと掛け直して去っていく。下町の風景と人物の描写がうまく溶け合って絶妙な人情譚に仕上がっており、東野圭吾の手練の技にうならされた。ところで、主人公の加賀刑事は、本書の中でもあまり具体的な描写がなく、30代半ば、彫りの深い顔立ちのTシャツに半袖の上着を羽織ったラフな服装であることくらいしか明かされていない。テレビドラマでは阿部寛をあてていたが、なかなか良いキャスティングだと感じた。