新参者

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157711

感想・レビュー・書評

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  • あなたは何者なんですか?の問いに対して、

    何者でもありません。この町ではただの新参者です。

    日本橋人形町で起こった事件のキーパーソンとして、

    加賀恭一郎が登場し、主役を張ります。

    2010年の春、阿部寛主演によってドラマ化されました。

  •  人形町のマンションで一人暮らしの女性の絞殺死体が発見される。離婚し、自立しようとしていた彼女が誰に?なんのために?

     煎餅屋、料亭、瀬戸物屋…人情にあつい下町を日本橋署に着任したばかりの刑事加賀恭一郎が、聞き込みに歩き、真相にせまっていく。

     一つ一つのできごとが、思わぬところでつながるかと思うと、思いやりによってその真意が見えなくなる。表面だけではわからない人の思いや悪意。その奥の奥にまで、そっとやさしい眼差しを向ける加賀さんがなんとも温かく…素敵な物語でした。

  • 久しぶりに東野圭吾さんの本を読んだ。

    図書館で予約してから、
    比較的早く手元にきたので、とても嬉しかった。

    それ以上によかったのが、
    この本が面白かったということ。
    一気に読めた。

    人情を絡めて進んでいくストーリーは読みやすく、
    ジーンとくるものがあった。

    加賀シリーズはこれが初めてだったので、
    他の作品も読んでみたいと思った。

  •  章ごとに小さな謎を解決していきながら40代女性殺人事件の犯人を追う加賀刑事。各章に登場する町の人々の人情に触れながら真実に迫る様相は、相変わらず鮮やか。首都圏以外に在住の読者には日本橋を観光している気分で楽しめる。犯人が隠していた真の動機を話させるよう仕向ける手腕も凄い。刑事としての捜査能力は素晴らしいのに、パッションフルーツと杏仁豆腐のゼリーを気に入ったのか、関係者に配り歩いて近所のおばさんと化している可愛らしい一面もあり。

  • ミニコメント
    短編集かと思いきや、各章で明らかになる小さな謎を解いていくと徐々に本来の事件解決が浮かび上がってくるという、この伏線が凄い。ラストの一言が素敵です!

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/724290

  • 本来、ミステリといえばドロドロであっと驚くどんでん返し!といったものが好きな私だが、こちらの新参者は心が温まる物語もありつつ、最後もすっきりと解決していて、最初から最後まで楽しめました。
    9章の一つ一つの物語が繋がって、事件解決へと進んでいく様は爽快で、加賀刑事の人情も温かくて、また加賀刑事シリーズは読みたいと思いました。
    星5か迷ったくらい好きな本。星4.5

  • 格好良いね❗ ブクログで推しの方が多かったので読んでみましたが、とても入り込めて面白かった✨こんな形で事件を明らかにしていくとは

  • 加賀刑事の、 物事や人の見方が冷淡で情に厚く、
    人との距離感をたもってるのに、
    いつの間にか懐にはいってる感じがとてもよき。

  • 最高に面白かった。
    謎が解決されていく面白さと、ひとつひとつのストーリーに温かさもあってすごく良かった。
    夢中になって読んでしまった。

  • 加賀シリーズ再読。8つめ

    三井峯子のマンションでの他殺事件を巡って、周りの人間のほっこりした話がいくつもある短編みたいな構成になってる。人形町の煎餅屋のおばあちゃん子の家族の話、そこに出入りした保険の外交員に嫌疑がかかったが、彼はおばあちゃんの病気を隠すためにアリバイを正直に話さなかった、優しすぎる人の話とか
    三井峯子の部屋にあったわさび入りの人形焼の話(同じマンションの人にたまたまもらっただけではあるけど)料亭の雇われの高校生が主人に頼まれて人形焼を買ったのを、主人は愛人(店の女の子)に渡していて、女将さんが冗談のつもりでわさび入りにすり替えていた話
    三井峯子が通っていた瀬戸物産では、夫婦箸を買いたいという事だったがちょうど品切れで買えなかったこと
    顔見知りだった時計屋さんの主人は、とても頑固で駆け落ち同然で出ていった娘を許していなかったが、娘が妊娠していたことを調べ、水天宮に家族には内緒で通っていたこと(ここで峯子と出会っていた)
    峯子は早くに直弘と結婚、すぐに弘毅が生まれていたが、弘毅が家を出たことをきっかけに離婚、弘毅を探してこの街の近くに引っ越してきてすぐの出来事であった。峯子は翻訳の仕事をするのが夢であったため、友人であった翻訳家の助手として働くことになるのだが、その友人がプロポーズを受け、海外へ行くことに。もちろん仕事に期待をしていたため、峯子も腹を立てたような表記があり、死んだ今となっては憎いていただろうと友人は気に病むのだが、夫婦箸はこの友人のためであったことが加賀の推理によって分かる。

    弘毅がこの近くに住んでいるというのは、友人が弘毅とその彼女がこの近くを通っているのを見かけたからというもの、その彼女がアルバイトしている先の喫茶店を、峯子は間違えてしまう。間違えた先の喫茶店では、妊娠中のアルバイトの女の子がおり、峯子はそれを弘毅の彼女であると勘違い、いつも優しく接し、そのために水天宮にも通っていた。

    離婚の際、峯子はお金などには固執していなかったが、初孫の誕生や、仕事が無くなることを考えると、直弘から慰謝料がとれないか考えることとなる。そこで、離婚後に直弘がそばに置いている祐理
    という女の子に目をつける。不倫関係ではなかったかと。
    しかし、祐理は実は弘毅の腹違いの兄弟、直弘が昔好きだった女性が実は妊娠出産しておりその時の子であることが分かっており、そばに置いていたものだった。

    直弘の会社の税理士の岸田は克哉という息子がおり、息子夫婦にも子供がいる。
    今回、峯子が慰謝料をとれないか考慮した際に、税理士の岸田に相談したのだが、岸田は
    以前から直弘の会社の金を横領しており、それが今回バレることを恐れて峯子を殺害。

    今回加賀と一緒に捜査をしたのは、上杉刑事。上杉は我が息子が無免許でバイクを運転したことが警察にバレた時に、どうか見逃してくれと頼んだ過去がある。その後息子はバイク事故で死亡。守ることには繋がらなかったと後悔。
    ここで岸田に話が戻り、岸田が横領した本当の理由は息子の克哉が実は横領しており、それをどうにかしてやるためであったというもの。
    真実を語らせることは上杉しか出来ないと加賀は過去の話を持ち出していうのだ。

    全体的にほっこりする話が多くて好きな話。もちろん最後は殺人事件の捜査だから犯人の話はいい話ではないんだけど。
    峯子に好感が持てる感じでずっと書いてある

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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