- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062157711
感想・レビュー・書評
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図書館で見つけて、さらっと。
初夏の風のようにさわやかに、駆け抜けていきました
日本橋人形町で起きた一つの殺人事件を横糸に、
そこで生きる人々の群像劇を縦糸にの、連作短編のような。
東京下町の、昔ながらの人と人とのつながりが、
綾糸のように絡みながら、多彩な色合いを見せてくれます。
さて、二人の新参者の物語はどうつながっていくのでしょうか。
ちょうど今の時期(初夏)に読むのに、いいかなぁ、、とも。
ふと、昔あった『ブギーポップは笑わない』を思い出しました。
ドラマもやっていたとのことで、今更ながら観てみようと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういう切り口か!と途中で気づきラストが楽しみになりました。
小伝馬町の殺人事件の捜査なのですが、外堀を埋めるように話は進んでいきます。
とても面白かったです。 -
加賀恭一郎シリーズの中で、一番最初に読んだ作品。
ドラマ化されるということで読みましたが、ガリレオシリーズとは違った味わい方がありました。ガリレオではトリックを楽しむのですが、こちらは人間の心情を楽しむ印象でした。
また、今回の舞台は日本橋ということで、下町の人々ならではの人情模様が楽しめました。
ミステリーとして読むと、トリックは複雑というわけではないので、物足りなさはあります。
しかし、読んだ後はスッキリとした気持ちになってくれましたし、様々な人たちの切なさ・暖かさなどそれぞれの思いを味わい深く楽しめました。ただ、犯人を捕まえるのではなく、一人一人の絡まった関係を修復していくという繋がりの大切さ・重要さも大切であると感じました。
何よりも「加賀恭一郎」の存在さが大きかったです。
この作品をきっかけに今でも好きなシリーズのひとつとして、最新刊がでたら、必ず読ませていただいています。 -
すごい斬新な読ませ方!
短編集かと思ったら、最終的に全てが繋がってた。
鋭い観察力は本当に呆気に取られてしまう。
加賀さん。面白すぎるー!
そして、なにより温かいハートフルな作品。
ドラマ版も良かったけど、原作も非常に良かった。 -
加賀恭一郎シリーズ第八弾。これもドラマを見ました。私の中では加賀恭一郎=阿部寛(笑)
今回は人情派加賀恭一郎の活躍譚といった感じで、殺人事件の犯人あばきよりも、日常に潜むちょっとしたすれ違いや誤解を解いていくスタイル。
寡黙でクールだけではない加賀恭一郎大活躍。といっても熱くならない所が彼の持ち味には違いない。 -
なかなかのオススメ本。はじめは短編もの?と思ってたらいろいろな絡みがあってで繋がって続いていく話で面白かった!ひとつの事件解決!ある女性が殺害され日本橋署にきた新参者刑事が解決へ!家族や友人様々な温かい関わりが裏側にありました。スラスラ読めた!
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悪く言えば、映像化しやすい本だな、という印象。
加賀見という刑事が一つの事件を追う中で、舞台になっている人形町に住む人の下町情緒、息づかいが聞こえてくるように描写が綺麗。
ただ、一つのミステリーとして俯瞰してみると、期待感を持ちすぎるのはやや失望の感がある。 -
江戸の下町風情が残る日本橋で女性の絞殺死体が見つかった事件を、日本橋でお店を構えている人々に加賀恭一郎が話を聞いていき真相に近づいていく短編集。
嫁姑問題が勃発しているお店や、娘を勘当した頑固店主の本当の気持ちなどなど直接事件に関係ないけど加賀刑事が紐解いていくのに人情を感じた。
犯人を予想するのも楽しいし、不可解な出来事が色々な人間関係に繋がっているのが明かされるのも楽しかった。 -
安心して読める。面白い
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第1章を読んだときは、後味はいいけど終わり方が曖昧な短編集かな?と思いましたが、パズルゲームのようでいてテンポの良いステキな作品でした。
東野さんが以前住んでいたからなのかわかりませんが、「東京の東側」の昔ながらの風情と人情感が、加賀恭一郎を通じて暖かく記されていてすごく楽しませていただきました。
今の時代に逆行している超アナログ派な加賀さんですが、いつの時代でも忘れてはいけない本質を学んだ気がします。