死ねばいいのに

著者 :
  • 講談社
3.50
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本棚登録 : 4650
感想 : 784
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161725

作品紹介・あらすじ

死んだ女のことを教えてくれないか-。無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、それは-。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい本ではあったが、微妙だなと感じる点がいくつかあり、
    ・各章の展開が同じなため、途中で少し飽きがきてしまう。
    ・殺人事件を取り扱うものの、ミステリーとしては謎がなく(犯人も早い段階で示唆される)、人物の心理描写が中心なため、謎解きを期待していると少し残念な気持ちになる
    ・渡来の喋り方が(キャラ設定上仕方ないが)読みにくく、読み進めるのにストレスがある。
     理解力がない設定故かと思えば突然頭の回転が速くなったかのように喋るので、都合のいい動きをするためのキャラクターに思えてしまった。
    ・自分自身がふとした時に死にたいと思ってしまうタイプの人間なため、各キャラクターの死に対する心情に寄り添うことが難しかった。
     みんなそんな生い立ちとか精神状態で、なんで死にたいって思ったことないんだ。

     死にたい、と人生で一度も感じたことない人にとっては面白い一冊になるのかも。

  • なんて掴みどころのない男!
    話しているとイライラしそうだけど、口調がちょっと癖になる笑
    犯人は想像できたけど、思ったより読みやすかったのでよかった。

  • タイトルに惹かれて読んだ。
    読めば読むほど面白い。
    そして、生きている人間の怖さを知った。

  • 正論モンスターやわ。

    人間誰しも自分は悪くないと思うものよね。

    渡来怖い

  • 死んだ女のことを教えてくれないか…。無礼な男が突然現れ、私に尋ねる。私はいったい彼女の何を知っていたというのだろう…

    凄く深い。読後、放心するくらい。何が正論なのか。ていうか、正論て誰に対しての?って考えさせられた。

  • 独特な文章なので最初は読みにくいかと思ったが、テンポの良さが心地よくクセになる。ほとんどの場面が会話か心の声で構成されており、情景描写はあまりなく、すごくセリフの多い会話劇を見ているような感覚になった。
    わたらいけんやは独特なキャラクターで、一番の特徴は自分に対しても他人に対してもとにかく正直であるということだろうか。馬鹿正直なキャラクターが出てくる物語はよくあるけれど、大抵の場合その正直さゆえ、多少無礼でも憎めず魅力的で、読んでいてスカッとするようなことが多いが、わたらいけんやはそうではない。正直すぎて失礼で、イライラさせられる。でも言ってることは一理あることも多く、もしかして気分を害している自分がの方がおかしいのかという気持ちになってくる。
    会話の中でそれぞれの抱えている秘密や死んでしまったあさみとの関係性が明らかになっていくのが興味深く、最後まで飽きずに読めた。

  • 面白かった。
    京極夏彦ってこんなに読みやすいっけ?
    とか思いながらスラスラ読んでいった。
    犯人は薄々わかっていたが、なんかなんとも言えないというか。
    死にたいって言うから殺して、どんな子だったかを殺した後に聞きにまわるって異常ではないか?
    しかも、もっともらしい事を言って、相手を論破しているが「お前が言うな」感がすごい…

  • 読みやすい!京極さんの文書好きかもしれないと思った。
    ケンヤがアサミの周辺の人に書き込みをしていって、アサミの人物像が段々と浮かんでくる。
    そしてケンヤが人々に言う言葉が!卑屈になりやすくなっている自分に浴びせられてるようで、、笑
    楽しみながら、刺さりながら読めた。

  • 旦那が好きな作家。私は難しいかなーと思って手を出してこなかったけど、
    これはパラパラーとめくったら、読めそうだったので挑戦。

    亜佐美という女が死んで、
    その女について教えてほしいと、ケンヤという男が訪ねてくる。
    愛人、隣人、彼氏、母親、警察。そして最後はとある弁護士。
    みんな、亜佐美のことじゃなくて自分のことばかり喋る。違う、亜佐美はどういう女だったのか知りたいのに。

    このケンヤがまず、読んでてイライラする。
    それが作者の手中に入れられてるのだろうか、本当にムカつく。
    学歴もないやる気もない仕事もない何にもない、ただのクズっす。頭悪いから分からないっス。
    そんな感じでのらりくらり。
    そして対峙する上記の人々は、何かやましさを持っているからか、余計に翻弄されていく。

    最後の6人目でなんとなく全体がわかる。
    けど、ケンジへのイライラは治らないまま、物語が終わる。

    他の作品も登場人物、こんな感じなのかなぁ。
    ちょっとしんどいなぁ

  • 2022.5.6

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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