女神のタクト

著者 :
  • 講談社
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感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173223

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと
    読み出したのですが
    いゃあ
    面白い!

    久しぶりに
    「ページをくるのももどかしく」状態
    を堪能させてもらっている

    前作「盤上のアルファ」でも
    活かされていたけれど
    登場してくる人物たちの
    どれもが
    魅力的に描かれている

    このままだと
    あっさり
    最終ページに
    いってしまいそうだ
    … 

    そして
    一時間後
    やっぱり
    最後までいってしまった

    この 読後感
    ちょっと古いけれど
    映画「オーケストラ」を観たときに感じた
    わかっているのだけれど
    それでも 最後まで引き込まれてしう
    それと同じ感覚を持たせてもらった

  • 登場人物たち生き生きしているし軽快な展開で、楽しくさくさく読めるのだけれど、「音楽」を期待すると、その展開の速さのためちょっと軽すぎるかなぁとも思う。

  • 明菜という名の三十路の女子が頑張る話。
    タクトという名の内股の男子が蘇る話。
    神戸のなかでも、若干マイナーな湊川、橋ができなければ誰も知らない舞子。でも、私はめちゃくちゃ知っている
    湊川も舞子も。それだけで、十分にニヤニヤしながら
    読めるわけだけれど、舞子でなくても湊川でなくても、きっと面白いストーリーだろう。
    底辺の今の自分からムクリと起き上がり、
    自分の足で歩く姿は、どんな時も
    気持ちがいい。
    元気になるね、面白かった。

  •  まずいなぁ。
     「舟を編む」に勝るとも劣らない読後感の本が続々登場。

     作者、文化部(?)記者を経験しているらしく、ディテールがきちんとしている。
     本編ももちろん引きつけるが、「終章」が秀逸。

     思わず、ラフマニノフのピアノコンチェルト三番を聴いてしまったぜ。
     残念ながら三番ではなく二番だが、イラン・ヴォルコフ指揮、ピアノをアンナ・マリコヴァで来年二月に聴く予定。

  • 職と恋人を失い傷心旅行で神戸に来た明菜.偶然浜辺で老人に出会う.彼はつぶれかけのオルケストラ神戸のオーナーだった.このオーケストラのために奔走することになった明菜.かつては世界的な指揮者だったが今は何故か隠遁生活を送っている一宮拓斗を引っ張りだし、起死回生の演奏会を目指す.しかし会場の問題やソリストのドタキャン、曲目変更など次々と難題にみまわれる.オーケストラや裏方の面々のキャラも魅力的.当然ながら会話もほとんど関西弁でポイントアップ.読んでいて音楽が聞こえてきそう.ただラフマニノフが成功した理由がもう一つ説得力に欠ける.それと前作でも見られたように不必要な人間関係が気になる.

  • (No.11-86) これはお仕事小説と言ってもいいでしょうか?

    『矢吹明菜(やぶき あきな)、女三十にして全て(厳密に言えば職と男)を失った。人生の谷底・・・、なのになぜかちょっと楽しい。旅に出てなんとなく神戸に。9月も終わりの舞子海岸で旅の開放感から、出合った老人(白石麟太郎)に会社をクビになった話をしてしまう。白石は明菜に京都からある男を神戸に連れてくるというアルバイトを持ちかける。依頼主が白石ということを内緒にして。報酬に釣られた明菜は、嘘と暴力で一宮拓斗を無理やり連れてくることに成功して・・・・。』

    私は音楽全般に疎くて、当然クラシックも全然分からない。それでもこの小説はものすごく面白く読みました。もしクラシックの題名を聞いて、それが脳内で聞こえてきたらもっと臨場感を持って楽しめたと思います。
    でも分からないから逆に演奏会を開くための準備のあれこれが新鮮で、へぇ~こんなに大変なんだ!とわくわくしました。

    登場人物は、はっきり言ってこんな人はいないよね~という人ばかり。変人しか出てこないんです。ストーリーは予想通りに展開して行き、なのにほんとにそうなるのか心配で一気読みでした。予想通りになってがっかりする小説もあるのですが、この本に関してはもし予想通りに進まなかったら不満だったでしょう。
    予想をちょっと外れたのは、明菜が抱えていたものがここまで重かったとは、ということでした。何か屈託があるとは感じていましたが・・・・。

    この物語は癒しと再生の物語だと思います。ありえないかもしれないけれど、でもこんなことがあったら素敵だなあ。
    気持ちの良い読後感で、ほっと一息。
    年の瀬にあまり重いものは読みたくない方に、お勧めです!

  • こんな事ありえないっ!というような登場人物がグイグイ物語を引っぱり、最後は怒濤のラストへなだれ込む。オーケストラの裏方、広報など音楽を作り上げる総合的な面白さが、指揮者一宮拓斗のナイーブで真摯な魅力と重なって、これこそ見事なハーモニー!ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番はもとより、エルガーのニムロッド、運命などを聴きたくなりました。

  • 一人の男のロマンがオーケストラを生み出し、様々な人々のロマンがそこに集う。

  • 面白かったけど、主人公の扱いがいい女すぎない?「女神」って言われるほどっての女性かな~?(^_^;)

  • 男と仕事を失ったばかりの女性に成功報酬として持ちかけられたのは、失踪中の指揮者を連れてくること。
    有無を言わせぬ強い女性、明菜に振り回されつつ、弱小オーケストラを建て直していく。
    ライトノベルのようなノリの作品。 

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著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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