女神のタクト

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 522
感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173223

感想・レビュー・書評

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  • 『盤上のアルファ』でデビューした作者の2作目です。
    相変わらず関西のノリでテンポよく、楽しみながら読める作品でした。
    仕事と恋人を一気になくした女性が、放浪の旅の途中、ある老人と知り合い、弱小貧乏オーケストラを立て直す手伝いをすることになる話。
    キャラがそれぞれに立っていて、特に主人公の女性はまるでライトノベルや少年漫画に出てくる勝気な女の子のよう。
    主人公を取り巻く脇役たちもそれぞれに思わず感情移入してしまう、魅力的なキャラクターたちでした。
    作者が新聞記者なだけに、作中での新聞というメディアの使い方が印象的。
    演奏の描写もお見事でした。

  • 解雇されたての女性とひきこもり指揮者が経営ガタガタの楽団を立て直す話。
    ぶっとんだ展開ながら、主人公がグイグイ引っ張っていくのでテンポ良く読めた。周りの登場人物もそれぞれ良い味を出していて魅力的。
    演奏のシーンは、文字なのに実際に音が流れたように鳥肌が立った。
    読了後は楽器に触れてみたくなる、そんな1冊でした。

  • 失恋・失業中の主人公、明菜は神戸を旅行中に見知らね老人から「アルバイトをしないか?」と持ちかけられる。
    その仕事内容とは、ある指揮者をオーケストラに連れて来ること。

    最初のうちは「こんな都合の良い話があるか!?」と思いましたが、個性的なオケの団員たちや事務局員たちの楽しい会話に噴き出しながらサラサラと読み進めてしまいました。

    話の内容は、利益のあがらないオケが存続をかけて演奏会に挑む!という最近よく有りがちなストーリーなのですが(というか、現実にもよく聞く話ですが)ラストに近づくにつれ、登場人物たちに感情移入してしまい、ホロリと泣かされてしまいます。

    作者の塩田さんは現役の神戸新聞記者で、音楽担当だった際に毎週コンサートに行き、指揮者にインタビューをされていたとのこと。さすがによく取材されている上、読み易い文章です。

  • 「盤上のアルファ」に続くデビュー2作目。「盤上〜」を読んだ時は、面白い作家がデビューしたなとワクワクしながら読んだ。そして「女神のタクト」も期待通り面白かった。「盤上〜」より肩の力が抜けた感じで、相変わらずキャラもたっているし、関西弁での掛け合いもテンポが良い。
    ただ、抽象的な言い方だが、個人的にはハートにガツンとくるものがなかった。
    色々言いたいことはあるが、評論家ではないのでやめておく。次の作品も楽しませてくれることは間違いないのだから。

  • 主人公が強い。脇役が濃すぎる。
    すぐに話に入り込んでしまった。
    笑いあり、しんみりありで大満足。
    前作のキャラがちょこちょこ出てくるのも楽しかった。
    それにしてもYASUSHIの破壊力はすごい。
    次回作も期待してます!

  • 主人公が「高島ちさ子」にしか見えません。
    それなりに面白かったです

  • 正直可もなく不可もなくって感じで惰性で読んでた。
    明菜と別府の掛け合いにクスッとする程度。
    でもラスト8ページに大どんでん返し。
    このままサラーっと終わるかと思いきやまさかの!
    ラストは号泣でした。

  • 昔の作品もいろいろ読んでみようキャンペーン。
    音楽モノとしては、音楽描写がふわふわしていて物足りないけれど、引き出しがたくさんある作家さんなんだなぁ、という新鮮な気付き。
    2019/7/8読了

  • (2019-05-26L)

  • ドラマ化する漫画みたいな小説。
    登場人物の会話が私好み!うけた!
    ドラマ化するならあの役はあの人かな?とプロデューサー気分になった。
    謎だった劇団の運営事情が見えて都会でもそうなのかー、と業界が不憫に思えた。
    遠雷と蜂蜜を読んだ後だからか、出てくる楽曲を聴きたいと思わせるほどの曲に対する熱量、表現力は感じなかった、というか作者はそこは得手じゃない気がする。
    まあ、んなはずあるかいっ!と思いつつ、痛快で読んでしまう。キーマンのマエストロの描きが浅い。落ちたわりには簡単だなって。

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著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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