- Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062177627
作品紹介・あらすじ
カスパールは、小屋を見はりつづける。たとえ、敵がひとりもやってこなくても…。イタリアアンデルセン賞受賞作家がユーモアをまじえて描く、戦争のむなしさ。
感想・レビュー・書評
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図書館の児童書の棚でたまたま目について、何気なく借りた。きっとウクライナでの戦争がこの本に私を出合わせたのだろう。いつだって戦争がもたらすものは勝利であろうがなかろうが、無残だ。カスパールは、街に降りた。どうするんだろう。もうひとりぼっちだ。
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絵本
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兵士とは、あまりにも単純過ぎる人間の末路…
イタリアアンデルセン賞 -
イタリアの児童文学。ももちゃんっていう牛、ほんとはなんて名前だったのか気になる。
兵隊の愚かさ、戦争の悲しさとか、そういう感想だけでなくて、何だかいっぱい…!読んだ子ども一人ひとりが、色々なことに頭をめぐらせて、自分にとって大事なことを見つけられる作品だと思う。登場人物のプロフィールはわからず、土地も敵も具体的なことは不明で、記号的に書かれているんだよね。
兵隊はいつまでも来ない命令を待ち続け、融通が利かず、立派な兵隊を目指すわりには寝坊ばかりで、相当愚かなのだが…最後、全てを看取ってから小屋を立ち去る後姿は、決して愚か者のそれではない。この馬鹿真面目さも、ここまで来ると尊敬してしまうかも。 -
ユーモラスなシーンもあり、また人懐っこくも勇敢な老人との交流は心温まるものがあるけど、やっぱり無意味になった命令を、愚直に守り続け、山の風車を見張り続ける主人公の姿は、もの悲しく、虚しい。
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★★★★☆
カスパールは上官にあるものを預けられ、山の上の風車を見張るように命じられる。
「りっぱな兵士であるための九か条」が書かれたメモを胸のポケットにしのばせ、命令を実行しに向かう。
が、山頂には古ぼけた風車と強い風しかなく、ネズミとウシのモモちゃんとその飼い主のおじいさんしかいなかった。
おじいさんとカスパールと二匹の動物たちのノンキなやり取り、ふもとの町を覆っていく戦争の暗雲、そして…。
少し「野ばら」を思い出しました。
静かに、戦争とは何か、人の幸福をは何かを考えさせる本です。
サヤカさんの挿絵も物語の雰囲気にぴったりでした。
(まっきー)