雪猫

著者 :
  • 講談社
3.55
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本棚登録 : 312
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062181037

感想・レビュー・書評

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  • 哀しいものは美しい。
    想像した風景はたしかに美しかった。



    猫ってやさしい。
    犬もやさしいけど猫のやさしさは
    そっとやさしい。
    独自のルールさえ感じるほど。
    なんだか猫のことがますます好きになった。



    初読み作家さんでしたが当たりでした。
    私の中ではずっと『タマオ』は『シロ』でした。
    なんか『タマオ』て似合わないんだもん。



    哀しいけど読んでよかった一冊。

  • 猫の日にちなんで読んでみた本。思いほか読みやすく、ラストは「猫」らしいのかなと感じた。タマオにこんなにも愛されている理々子は幸せだろう。猫があるひとりの女性に恋をするという話…はファンタジーらしいが、タマオの愛し方が真っ直ぐで切なさが漂っていて、そこは人間にも通じるところもあるのだなとしみじみ。愛情を十分に受けている猫から人(飼い主)への愛を示すのかもしれないなと感じる読後。人間とは違う猫の発想が感じ取れる。「哀しいものは美しい」の文、幸せな未来を信じて、ただまっすぐに…の文が切ない中に光を感じさせる。

  • 『吾輩は猫である』から始まる、猫と人間の物語。
    動物目線から見る人間という生き物は、さぞかしおもしろいものだろう。

    この作品の主人公は真っ白な猫である。
    黒いごみ袋に閉じ込められて捨てられていたところを、
    一人の少女によって助けられ、
    以来その少女の家で生活をさせてもらうようになる。
    名前は「シロ」と少女からは呼ばれたのに、
    いつのまにか、「タマオ」と呼ばれるようになっていた。
    「猫はタマに決まっています」と断言したお婆さんのせいである。

    さてそのタマオは助けられたこともあり、
    ご主人である少女が大好きだった。
    少女の帰宅が遅いのが気になり、探しに行ったある夜、
    怪しげな男につきまとわれた少女を助けようとして、
    人間に変身してしまった。
    もちろん、少女はタマオだとわからない。
    タマオもどうしていいのかわからないという始末。

    その様子をみていた近所のクロネコが
    猫が人間に変身できるという秘密を教えてくれた。
    ただし、エネルギーを使い果たすので、
    自分の寿命をけずることになるんだよ、と。

    タマオはそんな忠告もきにせず、
    少女と同じ人間になれると喜び、なんどか変身をする。
    そして、体力が消耗されていくことにきがついて・・・。

    ご主人である少女を思う気持ちは
    本当に純粋に伝わってくる作品だった。
    一点のくもりもない真っ白な純愛。
    そんな言葉がふさわしい猫の物語だった。

    変身する猫がほんとうにいるのなら、あってみたいものだ。
    うちの黒白ぶち猫にはそんな能力はないだろうし、
    そこまでご主人である私を思ってはいないだろうなと思うから。

  • 人間に恋をしてしまった猫の物語。お読みになる前にの「彼はひとりの少女を愛しましたが、理由はたったひとつのできごとでした。心を奪うのに、数はいらないのです。」にやられた。

  • 「猫好きなら読むべし」的本。
    もっとも好きならばこその考えもあるので
    やや評価が別れる部分もあるのも確か。
    猫弁など他シリーズを先に読んでいる方が
    更に楽しめるかも。

  • 猫視点のはなし。かわいい。こういうの読んでから猫に出会うとおまえもこういうこと考えてるのか?とじーっと観察してしまう。

  • 2014.4.28読了

    これは 期待通りの猫本でした。。。

    ある一匹の猫(タマオ)が
    飼い主の 理々子に ひたすら恋をして、
    自分の命をかけてまでも
    一方的に尽くすお話。

    ネコってより 犬みたいよね。
    その一途さ。

    うちの ネコちゃんも
    ここまでとは言わないまでも
    私たち飼い主に そんな風に
    思ってくれてたら、
    うれしいよな。。。と思いながら
    読みました。

    ラストは少し切なかったけど。

  • 猫のタマオ目線の話。大好きなリリコを守るために生きている。
    切なくて、私は面白かった。
    2014年4月26日

  • 小学生の女の子に救われた真っ白い子猫。10年後、中年猫になったが飼い主で高校生になった女の子が大好きなため自分は青年のつもりでいる。女の子が危険になると助けたい一心で・・・猫にこんなに思われる飼い主は幸せだと感じる本です。

  • 猫…ハッピーエンドでゎなぃ…
    涙が止まらなくなる話T^T
    読み終わった後、家に帰ってもう一度ゆっくりと、温かい飲み物を置いて読み直したいと思える一冊。

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に『赤い靴』、『通夜女』などがあり、「猫弁」「あずかりやさん」など発行部数が数十万部を超える人気シリーズを持つ。

「2022年 『犬小屋アットホーム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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