2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」
- 講談社 (2013年4月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062183765
感想・レビュー・書評
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この本は、米国国家情報会議が作成した世界の中・長期トレンドを予測した報告書の日本語訳版です。
アメリカの国家戦略策定に関わる者や、アメリカの国家戦略に関心があるものは必ず頭に入れておくべき情報とのことですが、別にアメリカにかかわらず、みんな読むべきでしょう。確かにアメリカの視点で書かれている所もありますが、基本的には誰が読んでも役に立ちます。
タイトルに「こう変わる」とあるので、断定的に世界のあり方を語るものかと思うと、実はそうではなく、さまざまな可能性を列挙するものです。このようなシナリオ、また、このようなシナリオが考えられる。どれになるかはわからない。ただし、世界はおよそこのような方向へ向かう。また、このようにはならない。という感じで語られます。
文章も明解かつ平易でたいへん読みやすい。たいへんよくできた報告書であり、たいへんよくできた訳本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もう日本の出る幕はない感じですね。インドがそれほど台頭して来るのかは良くわかりませんが。多分国家は重みを失っていくのでしょう。
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2030年を世界という観点で書かれているので、日本のことはあまり書かれていない。未来の各国のパワーバランスを知りたくなったときに再読すればよい。
インドと中国の成長は、20世紀のアメリカよりもはるかに早いペースであることは驚いた。
国や大陸、地域単位での将来を確認したくなったら再度読んでみるとよい。 -
17.04.27読了。
3冊読み「世界のこれから」の1冊目。
4つのメガトレンドと、6つゲームチェンジャーからパーツパーツでの世界の今後を考え、4つのシナリオ(欧米没落、米中協調、格差支配、非政府主導)を提示。 -
アメリカの国家情報会議という機関が作成したレポート。大統領を始め、官僚、学者、エリートなどが本レポートをベースに各種考察を行うという。当たり前だが、確かな未来は予測できない。予測できるのは人口推移ぐらいなもの。その意味では人口推移をベースにしたメガトレンドは正しく理解しておく必要がある。各論はパターン提示に留めざるを得ないが、それでも世界の流れを理解する上では有用。原文をタイムリーに読むのがベスト。
メガトレンド
個人の力が拡大。貧困層は減り中間所得者層が大きくなる。米国と日本は購買力が減る。権力が拡散し、覇権国家がいない状態になる。高齢化が進み移民政策がカギとなる。都市化が進む。エネルギー不足懸念は後退。 -
予測では、寂しいことに日本は衰退の一途を辿り表舞台から消える。三流国にさせないのは、私たち一人一人でしかない。
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2030年は遠いようで直ぐに来る。他人事ではない。米国の国力がなくなると思わぬ作用がアジアにも起きそうです。
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・米国国家情報会議の作成した近未来のトレンド分析
・大統領選に合わせ、4年1回作成される。新大統領はこのレポートディープ版で、国家戦略を練るとこと。
・メガトレンドは、以下の4っつ
(1)個人の力の増大
貧困層の縮小
地域の政治・宗教・文化的伝統とグローバルスタンダードとしての西洋的価値観の対立
(2)権力の拡散
中国の地位は短命、インドが世界経済の牽引役
米国が中国にトップを譲るのは2040年
覇権国家セロの時代
(3)人口構成の変化
高齢化、都市化
(4)食糧・水・エネルギー問題の連鎖
気候変動
天然ガスの生産量増加より再生可能エネルギーは不発
・ゲームチェンジャーの要素
①危機を頻発する世界経済
負債が減少しているのは米国、豪州、韓国だけ
最も不安な国 日本
失速する中国と躍進するインド
②変化に乗り遅れる「国家統治力」
③高まる大国衝突の可能性
中国/インド、米国/中国
水資源をめぐる争い
④広がる地域紛争
サウジアラビア、イランの核開発
⑤最新技術の影響力
情報技術(データ処理、SMS、スマートシティ)
機械化と生産技術(ロボット、自動運転技術、3Dプリンター、)
資源管理技術(GM、精密農業、水管理)
医療技術(病気管理、能力強化)
⑥変わる米国の役割
覇権国から、トップ集団の1位
米国、中国、インド、日本、英国、フランス、ドイツ、ロシア
・「2030年」4つの異なる世界
①欧米没落型→自由貿易圏の消失
②米中協力型→アメリカンドリームの復活
③格差支配型→アメリカ恩恵、EU分裂、アフリカ打撃、テロの温床
④非政府主導型→強調ムード、国際社会比較的安定
GDPは②>④>③>① -
色々な情報が描かれている。
特に4つのケースについては、興味深かった。
また、インドのことがたくさん記述されている点に驚きを感じた。
それに引き換え、日本の記述はとても少なかった。