- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062552295
作品紹介・あらすじ
恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。珠晶、12歳の決断。「恭国を統べるのは、あたししかいない」。
感想・レビュー・書評
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12歳の女の子が、王様となるために旅する物語。
どんどん成長していく姿に、自分はどうなんだろうと問いかけ続けました。
王様になるにはこんなに大変なんですね。
うん、これはまたシリーズを1から読み直さなきゃ。 -
前向きになれる作品。
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十二国記シリーズファンの知人に勧められて、初チャレンジの作家。
十二国という独特な世界観とシステムの中、十二国のひとつ恭国に新たな王が誕生する迄の物語。
主人公である12歳少女の不完全な正義感と自信、若さ故の無鉄砲な行動力。恵まれた身分に生まれた我が儘さと視野視座が、旅の中で様々な気づきにより成長していきます。
ただ答えを求めるのではなく、理由や判断にいたるプロセスを考え想像することが大切。この少女の傾聴力は、全ての資質を輝かせためのトリガーということでしょうか。 -
恭の先王が斃れて27年。 12歳の少女 珠晶は荒廃する国を憂い、昇山することを決意する。 気が強くて生意気、だけど賢く行動力があり、きちんと感謝も謝罪も言葉にする。 分からないことは尋ね、自分で考えて理解する。 そんな珠晶に惹かれる。 自分には出来てるかな…
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恭国の話。
珠晶は12歳。お嬢さんで生きてきながら、大人が言うことが正しいとは判断せず自分なりに正しいと思うことをどんどんやっていく子。
人に言うには自分が行動してから、という信念がすごい。
頑丘たち黄朱の暗黙のルールを人でなしと怒っちゃうような素直な子どもの面もありながら、考えて意味を見出すところは聡明です。シリーズ内でちょっとずつ登場人物が重なってくるから、相関図が欲しくなった。
黄海が舞台で妖魔がどんどん出てくる。妖魔がどんなに恐ろしいかイメージが追いつかなくて挿絵欲しくなりました。 -
「風の万里 黎明の空」で登場した珠晶のお話
珠晶の物言いやら考えやら行動やらが実にラノベちっくで、そっち系を読み慣れた人にとっては安心感があるのではなかろうか?
あと、珠晶の強運っぷりも実にラノベ
今どきの長いタイトルなら「『王がいないなら私がなるしなかいじゃない』と、お嬢様が家出して昇山してみた件」
そして内容は「黄海の歩き方」閑散期バージョン
もしくは「昇山のススメ」とかそんなところだろうか
都会の裕福な環境で育った子と黄海という過酷で祖国を持たない人の文化や考え方の違い
王がいないから災害が頻発するし多くの人が困るというのは確かだけど
王がいなくても生きていこうと思えばいけるわけで、「国」の存在意義を考えさせられる
頑丘が言う、王が必要ならずっと閉じ込めておいて何もさせ無ければ有益な事もできないけど無益な事もできないという意見は、この世界にハマりつつある読者にとっては衝撃
でも遠甫が陽子さんに、国政は主に官がする事で王の役割は存在するだけで十分に役立っているみたいな事言ってたしな
延王の言ってた事もそうだし、結構な真理を突いている意見なのかもね
しかも最後に描かれている奏国の意思決定システムが正にこれで、王は実質的な決定権を持っていないと言うね
それで600年も国が続いているのだとしたら、結構な真理を突いている意見なんだろうなぁ
それにしても、この世界の王の選定システムにさらなる疑問が増えたな
27年前に王が亡くなって、20年前に麒麟が王の選定ができるようになった
しかしその時に珠晶はまだ生まれていないし、生まれても麒麟も迎えに来なかった
その間に国内のめぼしい人は昇山済み
つまりは王となるべき人が不在の期間が確実に存在するんだが、いいのか?
生まれた時に来いというのも無茶な話で、赤子のまま王になれるはずもない
ただ、何もできない王というのも上の理論で言うと最高の王なんじゃないか?とも思うけどね
それにしても、王の資質と王気を発するのは別という事ね
珠晶は元々王の資質を持っていたけど、麒麟に選ばれるには王気を発する必要があった
昇山の途中で王気を発したのが見えたので供麒が迎えに来たって事でいいのかな?
そうすると、陽子さんは景麒が迎えに来た時点で王気を発していた事になるけど、陽子さんはアノ酷い経験をしたからこそ王としての資格を身につけたと思うんだがなぁ
増々わからんなぁ
ってか、犬狼真君の存在がとても嬉しい
仙の格が高いのとか、里木の入手方法とかのやりとりを妄想すると、何だか微笑ましい気持ちになる
どこかの国のためではなく、妖魔と生きる人達のための存在でありたいという道を選んだんだろうなぁと妄想してしまう -
以前は中国語で読みましたけど今でもその感動を忘れられない。
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風の万里にちょこっと出てきた、供王の昇山までのお話
若干12歳にして王になるべく昇山を目指す珠晶。
豪商の娘として周りより裕福な暮らしをしてきた彼女だが、決して傲りや傲慢さで思い立ったわけではない。
「それが国が傾く中で裕福に生まれた者としての義務」との責任感からの行動である。(こんな12歳がいてたまるか笑)
「出来ることをやらずに文句だけをいうのは卑怯者だ」ってセリフはドキッとくるものがあった。
また、知的な頭脳や責任感から、情報弱者に助けず経験を独占する剛氏達の行動に反感を持ったりと、このあたりは素直に子供らしい一面も持っていて悩むとことか微笑ましい。
ファンタジー小説ではあるけれども、生きていくにあたっての行動理念とか信念と言ったものに学ぶことが多いストーリーでした。
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4.4
長かったけど、面白くて数日で読みました。
予備情報を入れず読み始めて、今まで殆ど出てこなかった話だなと思いながら読み進めていきました。
描写が細かく、こちらの世界の話ではないので知らない単語がたくさん登場してきちんと理解し想像しながら読むのはそれなりに時間がかかりましたが、中盤以降単語も大体理解してきてからは読むペースが上がりとても楽しく読めました。
今まで黄海の話はちらちらとは出るものの、今回はほぼ黄海の話だけで理解が深まりました。
ここまで続けて読んできて、改めて魔性の子から読み直してみたいなと思っています。
でも何年か空けてから読んだ方が面白いんだろうなとは思うので、しばらくは我慢してまずは次に進みます。 -
十二国記シリーズ。恭国のお話。
気丈な12歳の少女珠晶が王になるべく蓬山を目指す。その想いを押して測りながら読み進めるのだけれど、後半、それが言葉で語られた場面には涙。
「これってもしかして…?」って気になる人物が次々出てくるので、登場人物が分かる順で読み進めると楽しい! -
<白>
こんな厚い本を,日中の数時間だけで読み終えてしまうなんて,一体どれだけ面白かったんだろう.
ああ,びっくりした! -
再読。
珠晶もいいなぁ。
でも、陽子と珠晶なら陽子かなぁ?
と分不相応な妄想を膨らます。
ここに来て、珠晶の祥瓊に対する態度も納得。
そして更夜…
前回読んだ時は本作「図南の翼」シリーズの中ではただ楽しんで読んだだけのような記憶があるのだけれど、それは視点が珠晶から頑丘にうつったからなのかなぁ。
十二国記の登場人物の方々は、みんなが魅力的で人間臭い。
次作はどなただったかな?
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新刊発表記念で再読。
やはり一番面白い。 -
再読。
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「運気に巻き込まれる」
かっこいい文言だと思う。私もたまに自分は運がいいなぁなんて思う時があるが、それは偶然からなる運ではなく、周りに私を助けてくれる人が多いだけという少し泥臭いもののように思う。
十二国には本当に王の強運みたいな神がかったものがあると思うが、やはり珠晶も沢山の人の手助けを受けていた。それを受けられるのを運というのか、人望、器というのか。とにかく珠晶はスマートで強い女の子だ。私は大好き! -
珠晶が本当に本当に賢くていい子なんだよな…
誰しも知らないことはあるし、正しくものを見れていないときもあるし、失敗することもある。
そこからどうするかっていう点に人間性が見えるなぁと思いながら読みました…
何度読んでもおもしろい。
立場とか考え方とか様々違う人々をまとめながら先へ進んでゆける珠晶の強さが羨ましい。
テキトーに生きている自分が恥ずかしくなってしまうね… -
2018.10.1(月)¥250(-15%引き)+税。
2019.4.1(月)。 -
大好きな十二国記シリーズの中でも図南の翼は最高に面白い!この話読む前は、供王が良い王なのは分かるけどちょっとキツすぎてアレだな...と思ってたけど、これ読んで良い意味でイメージが変わった!はじめから王の器というよりは、素質を持ってた珠晶が蓬山を目指していく途中、人が死んだり選択を迫られたりする中でどんどん王の器に近づいてる感じがした。最後の平手打ちのシーン清々しくて大好き(笑)
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再読
十二国記が改めて少女向けライトノベルだったことを思い出させてくれる一作
でも講談社文庫に移籍するのだった
でも3冊しかでなくて新潮社に取られるのだった
それはともかく
ご都合主義についてもやもやさせる引きなつくりではある