五体不満足 完全版 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649803

感想・レビュー・書評

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  • 著者が特に障害も持ってない人ならこの本は世の中に出る事もなかったし注目されることもなかっただろう。彼の言うように、四肢が無いのが彼の特徴である。その特徴と、両親や周囲の環境が、著者の人間形成の上で大きな影響を及ぼしたのは間違いない。なので、特徴に関するエピソードが面白く、興味深いのは前半。大学生編から、四肢の無さならではの記述が少なくなり、よくある学生の自己紹介文のよう。

  • 読もう読もうと思っていてずっと読んでいなかった本。やっと読みました。よく学校で推薦図書にされるのがわかりました。

    最後の、この本を書いてからの乙武さんの本音の部分が良かったですね。

  • 学生時代に一度読んだことあるのですが、「完全版」なるものがあることを知り、今回改めて読んでみました。
    最近は私の一番のお気に入りTwitterフォロワーである乙武さんですが、この本を読んでていても彼の性格の良さが滲み出ています。
    この本の中には出てきませんが彼のよく言う言葉「皆違って皆良い」という言葉が正にしっくりくる作品です。
    「完全版」にて追加された"第4部"と"エピローグ"では有名になった後の苦悩や殻を破ることができた時の話しが載っています。
    これは皆に読んで欲しい一冊です。
    優しい気持ちになれますよ。

  • そう、だいぶ前に話題になって、ベストセラーになったあの本です。
    実は今まで読んだことがなかったんだよね。
    今さら、な感じですが読んでみました。
    感想:この人はすごい。超超超超超、前向き。
    それが周りの人の協力を引き寄せる力(?)になってる。
    そして、ご両親がすごい。このご両親だったからこそ、
    今の彼があるのだと思う。
    もし、自分の子供だったら…。
    私は無理だろうな。

  • この本に出てくる『「真に自由な」21世紀』という言葉が好き。
    ただし、乙武氏は生まれ持った運命に立ち向かっている反面わたしは今果たすべき義務から逃げ回っているという前提を忘れないようにしたいw

    これからの将来楽しく生きたいと考えるにあたってすごく参考になった。
    自分とは全く違う他者の中にあって、どう自分を主張して生きていくか、自分が持つどのカードで勝負をしていくかが大切で、それがすごく面白い。楽しい。
    それを守るにはたくさんの障壁がそこらじゅうにあって、だけどそれを乗り越えるチャンスは誰にでもつかむことができるんだ。
    その体がよくも悪くもその人生に作用した乙武氏の人生はとても興味深くて、この本もまた何回も読み返してしまいそう。


    目が悪いから眼鏡をかけるのと、足がないから車いすにのるのとは何も違わない。みんながそれぞれ持つ障害とは本当は障害なんかじゃなくて、みんな違った顔とか性格とかを持っていることと変わらないんだって人々が認識できる世の中になってきている。実際に建物や町並みの中に『ユニバーサルデザイン』の風潮も高まってきている。こんな風に世の中の意識を変えつつある彼は、米倉誠一郎氏が著書『未来をつくるイノベーション 創発的破壊』の中でいうところの『イノベーター』なのだろう。
    ってことちょっと思ったからメモ。

  • 障害はそれを経験しない者には理解はできない。

  • 例えばもし、自分の子どもが障害をもって生まれてきたら…。
    どういう育ち方、育てられ方をすればあんな風に前を向いて進んで行けるのだろう、
    と今さらながらに手に取った一冊。
    周囲の人々に恵まれていたこともさることながら、
    何より当時はまだ、世の中の理解も今ほどではなく、年齢的にも若かったはずのご両親、
    あっぱれ!

  • この本が一番初めに出たころ、絶対読むものかと思った記憶がある。98年は小学6年生とかかな・・・。抵抗があった。
    25歳になって、ようやく読もうと思った自分はなんて幼稚な人間なんだろうと思うけれど、当時読んでいたとしても、きっとこの内容を受け入れられなかったと思う。
    楽天の始球式?か何かを動画で見て、あまりにびっくりして、思わず泣いてしまったのだけれど、この本を読んで泣くことはなかった。ただただすごいと思う。魅力的な人だなと思う。他人に障害を感じさせないだけでなく、自分自身でも障害を障害と感じていない。いつも前向きで周囲への感謝を忘れない、言ってしまえばそれだけのことなのだけど、私にできないことを小さいころからずっとやってきた人なんだろうな。
    かっこいいな、と思うしかっこいいと素直に思える自分がいることにほっとした。
    付け加えられた第4部のあたりは、当時25歳の乙武さんが書いているからか、親近感がわく。自分の独自性とか生き方とか。

  • 「『五体不満足』のオトタケさん」。

    いっとき、話題になった人だ。
    その後、見かけない時期が続いて、
    あるときニュースで先生になったと聞いた。

    そんな彼の、始球式の様子を動画で観た。
    ちょっとびっくりした。
    どうなっているんだろうと、サイトを訪問した。
    ――かなり変わった人のようだ。

    そういえば、彼の代表著書をまだ読んでいなかった。

    ***
    結果から言うと、今読んで良かった。
    完全版で読めて良かった、という意味だ。

    五体不満足を著した当時、乙武さんは22歳。
    完全版には、有名人として社会に出て、
    25歳になった彼の追記である「社会人編」が載っている。


    あまりに明るく人生を謳歌している人は、
    ときに眩しすぎて、近づいた人をかえって暗くしてしまう。

    「大学時代」までの底抜けに明るい記述を読んで
    落ち込みかけていた私を、「社会人編」は、少し慰めてくれた。
    変わった人、強い人だという印象は変わらないけれど。

    ここまで内面が特殊な人だから、
    五体不満足が個性にしか見えなくなってしまうんだろうなあ。

  •  今更ながら拝読。本屋で手にとってみて、「用賀小学校」という単語に反応。同世代で近くに住んでいた、っていうそれだけで読んでみました。面白かった。どんどんと成長していく様と、障害は関係なく、同時期の自分の中学や高校生活が蘇ってきて懐かしい気持ちになった。 
     ただ、完全版に追加された、五体不満足を出版したあとの世界の変化が切なかった。大人になることは、岸にいろいろなものを置いていく旅でもあるんだな。
     そして、この時代に、この国に、生まれてきた自分の「役割」を考えてしまう。
     

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が600万部のベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身も出演。現在は、執筆、講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『AbemaPrime』の水曜MCとしても活躍している。『自分を愛する力』、『車輪の上』(以上、講談社)、『ただいま、日本』(扶桑社)、『ヒゲとナプキン』(小学館)など著書多数。

「2021年 『だから、みんなちがっていい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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