- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062720038
作品紹介・あらすじ
悩み、傷つく心を知ると自分も他人も見えてくる!!人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている「心の専門家」である著者が、「人の心とは何か」に心理療法の現場から答える。
感想・レビュー・書評
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臨床心理士の皆さんへのアドバイスを延々と共有されている形だった。はじめ違和感を感じたが、臨床心理士さんの着眼点や考え方を知ることができて良かった。しかしタイトルの『人の心はどこまでわかるか』、ということに対する答えのようなものはあるようでなかったのが気になるところ。
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人の心に向き合う苦しみと喜びを痛感する一冊。自信がなくてもいい、悩んでもいい、そう思うことができ、なんだか救われた。
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学校や病院など、様々な場所に勤務する臨床心理士たちからの質問を、著者であるベテラン心理士が回答する形式。臨床心理の現場で心理士たちはこういう問題に直面するのか、ということがよく分かり、興味深い。
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人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている者が、「心の専門家」である、と私は思っている。
要は、本気でやっているかどうか
人間が生きていく場合、ある程度、モノがないほうが生きやすいのではないか
私たちの言語表現能力には限界がありますから、実際の体験、実際に起こっていることのほんの一部しか表現することはできないはずですが、いったん言語化されると、あたかもそれがすべてであるかのような錯覚を招きがちです。だから、つねにそういうことを踏まえていないと、大きな間違いをおかすことになります。
自分が変わるときには、苦しいもの -
今の自分にとって、ジャストタイミングで出会えたと思えた本。
「答えは問処にあり」という言葉がとてもしっくりときて、折に触れて思い出すようになりました。
そのほか、「その人にとってほんとうに幸せか」考えること、「相手が攻撃できる可能性を残すこと」、「そこにいること」、言葉と心を一致させることなど、多くの示唆をいただきました。
また、カウンセリングは本人の心に深くコミットするものであり、連携はコミットのための便宜である、という説明は、とてもすっきりと受け取れるものでした。
これからも、きっと、読み返す機会が訪れる本だろうなと思いました。この本ができるきっかけとなった本も、ぜひ読みたいです。 -
この本の対談者たちとの、河合さんの対談は、すでに「閉ざされた心との対話」と「心にある癒やす力治る力」という2冊の本に載っている。
この本とその2冊と何が違うかというと、一連の対談のあとの食事をしながらの雑談のときに、たまたま挙がった質問を本にしたものがこの本なのだ。なんという編集者の商魂!。でも、内容は充実している。
以下の話がおもしろかった。
(河合さんの師匠の)マイヤー先生も、そのときの流れで、カウンセリングが50分のところが1時間になったり、40分でやめるときもありました。そこで私が、「先生はあんまり時間どおりにやりませんね」と言ったら、こんな返事でした。
「君は、『カルメン』は三時間だけど、『椿姫』は二時間だから、同じ値段ではおかしいとか、『カルメン』のほうが割安だとか言うかね。その作品を見にいっているんだから、作品が終わったら終わりじゃないか」
この話は、河合さんの「イメージの心理学」という本の「人間は生まれたときから完成しているとも言えるし、どんな人も未完のままに死ぬとも言える」という言葉に通じる逸話である。その人の人生という作品が、周りの人には未完に見えたとしても、本人には、それで完成なのだ。死は相対的なものではないのだ。 -
これを読みながら、つくづく人々が抱える問題というのは、一夜にして瞬間的に治る・解決するなんていうことはそうそうなく、じわじわと、じっくりだんだん治る、良くなるものだと改めて感じさせられる。カウンセラー・臨床心理士とは、なんとも忍耐力の必要な仕事だなと思わされる、、
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心理学に携わるカウンセラーの疑問や問いかけに著者が答えていく。クライエント側としても勉強になった。専門家サイドの現場を知るのに良いきっかけになった。カウンセラーも葛藤があるのだと、(人間なのだから当たり前のことなのだが)知ることができた。面白かったが、タイトルに準じた本ではないという印象。
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ユング派の権威である河合隼雄の一冊。
2000年初版なので今は若干古臭く感じる記述もあったが、読みやすくて勉強にはなった。