- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062731799
作品紹介・あらすじ
「これは貸しだからな」。謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった…。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ一人、銀行の暗闇に立ち向かう!第四四回江戸川乱歩賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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面白かったです。
銀行に立ち向かう主人公。
かっこいいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
銀行員の伊木が、同僚で友人の坂本の死をきっかけに、銀行の債権の裏にある謎を解き明かしていくストーリー。
予想外の展開で、ハラハラしながら読了。 -
池井戸さんのデビュー作。
江戸川乱歩賞も受賞してる。
銀行ミステリー〜!
「アナフィラキシー・ショック」。聞いた事はあるけど怖いな。別に蜂だけやないみたいアレルギー検査してもらお〜^^;
何か銀行って、出世!出世!学閥!学閥!ばっかなや?って思ってしまう。(池井戸さんの影響やけど^^;)
私には関係ないことなんで、少し羨ましくもあるかも(⌒-⌒; )
お金の為、自分の成功の為に頑張る、自分の道を阻む者を弾くのもええけど、弾き方が命まではね。
自身にそんな欲がないから(出来ないとも言う)、何でそんなに必死こいてんの?と常に思いながら…
訳分からん言葉を残して死んでいった同期の為にも調べていくと…出るわ!出るわ!悪事!
この作品は、銀行を舞台にしてるけど、ドロドロだけやなく、ハードボイルドタッチになってて、面白かった!
池井戸さん得意の大どんでん返しはなかったけど、最後は、ええ感じに終わるのは同じで安心して読める!
死亡率は高めの作品でした〜
しかし、これがデビュー作やから、やっぱ凄いわ! -
私が読む池井戸潤氏作品の10冊目にして、デビュー作。
凡人の私には、本作が一番難しかった。
「割引・不渡・和議・融通手形」など、何言ってるんだかわからないことばかり。
私は倒産の仕組みすらわからない。
そういうところは飛ばし読み。
それでも結構面白かった。
しかし、本作を最初に読んでいなくて良かったかも。
もし本書が私の読む池井戸潤氏作品の1冊目であったなら、その先、氏の作品を読んだがどうかはわからない。
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●本書は江戸川乱歩賞受賞作。著者は銀行出身者でこれを読むと、銀行内部の業務・組織・人間等の事情がよくわかります。
●私は、「ゴメイ」や「病院」という銀行用語を初めて知りました。他方、ミステリーとして、読みごたえは勿論ですが、 私は描かれいる人間模様に興味を持ちました。
●書中の記述、①人間関係や道義的な問題を指摘し、すみません、と言えば相手が悪い ②官僚的な本部機構のなかに身を置くうちに、知らぬ間に卑屈な競争意識を植えつけられていた ③必要なくなったら子飼いだろうと平気で踏みにじるような連中 など、人間社会の醜い面です。
●私は、銀行勤めをしたことはありませんが、何となく理解出来ます。これを他山の石として、道義的な振舞いの出きる人になりたいものです。 -
人死が出る半沢直樹だった。
銀行員である主人公の伊木。彼の同僚である坂本が急遽、死亡したという事から物語は幕を開ける。
巨額の債権、不渡倒産の会社、それにまつわる人々。なかなか全貌を見せない深い闇に向かい、その果つる底なき底に落ちていく。
という感じのあらすじ。
ミステリーをあまり読まない自分にとっては、殺人の方法やトリックが、なんとなく現実離れしすぎている気がしていたが、とにかく先を読ませる展開が凄まじく、最後まで退屈しない作品だった。
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Amazonオーディブルで聴いた。
しばらくマタイ受難曲ばかり聴いてたし、長時間の車の運転もなかったし、聴きたいものもなくて、久しぶりのオーディブルだよー。
昨日今日と長時間の運転があったから、はかどった。
池井戸潤のデビュー作。
まあまあ面白かったけど、主人公が銀行員とは思えぬ武闘派(笑)。
これくらいのことで人をどんどん殺すのはちょっとやりすぎだよねぇ。 -
主人公の伊木は半沢直樹のベースのような人物像のようで、面白くてどんどん引き込まれた。池井戸潤作品はどちらかというと殺人ミステリーとは無縁の作品が多い気がするけど、本作は銀行の内部事情と殺人を織り交ぜたミステリー仕立てとなっているのが良かった。
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池井戸潤『果つる底なき』講談社文庫。
第44回江戸川乱歩賞受賞作品。長らく未読だったが、テンポ良く、読み応えのある作品だった。半沢直樹のような主人公が活躍するミステリー。
謎の言葉を残し、アナフィラキシー・ショックで亡くなった同僚の坂本。主人公の伊木は坂本の死を巡り、銀行内の腐敗の構図に気付く… -
2021(R3)8.6-8.15
これまた久しぶりの池井戸作品(『空飛ぶタイヤ』以来?)。
銀行マンが、行内で起きた事件解決に立ち向かう。
物語の展開としては、よくありがちな、いわゆら「ベタな」展開だが、推理ものが久しぶりということもあって、どんどん読み進めることがてきた。
銀行って、資本主義の良さといやらしさの両面が見える所のような気がした。それは、『ハゲタカ』でも同様で、お金のために生きたくはないけど、お金に頼らないと生きていけない。
銀行というフィルターを通すと、きれいごとではいられない、人の本質的な「欲」みたいなものが見えてくるのだろう。その中で本作の事件も起きているし、主人公の人生も成り立っている。
最近、「読んでよかった」と思える作品にあまり出会えず、読書熱が下がり始めていたのだが、本作を読んで、ちょっと元気になりました。
読書への熱が下がった時には、池井戸潤と東野圭吾に助けてもらうとしましょう。