御手洗潔のメロディ (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733564

感想・レビュー・書評

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  • 長編と比べるとかなり読みやすい。ミステリーではない、短編も2編。

    でも、最後はうんちくもあって、さすが。

  • 今回も新書版。4編収められている。島田荘司作品のストックはこれでおしまいだ。
    作品は「IgE」「SIVAD SELIM」「ボストン幽霊絵画事件」「さらば遠い輝き」。個人的には、これまで読んだどの島田作品より「すばらしい」できだと思う。最高傑作といってもいいだろう。

    マイルス・デイビスが出てきたり、シュワちゃんが出てきたりと、非現実的な描写が多い。トリックだって、すぐにわかってしまう(特に絵画事件)んだが、とにかくストーリー・テリングの妙に尽きる。

    「IgE」は、御手洗のスーパースター振りがまさにホームズを連想させる。茶目っ気たっぷりな名探偵がとてもかわいい。「SIVAD」は、心温まるすばらしい作品。ヘヴィメタルロック・アルバムのなかにすばらしいバラードがあるような感じだ(わかるかなぁ、この感じ)。「ボストン」は、ワトソンのそれ。まさにそのテリングがとにかく懐かしく、生き生きとよみがえる。問題はエンディングの「さらば」だ。先の(といっても私が「先」に読んだというだけだが)ヒロインが登場するのだが、恋愛ロマンスっぽくて、さっぱり意味がわからない。

    いずれにしても、これで在庫が切れてしまった「島田作品」だが、週末にでも本屋で続く作品を買ってこようと思わせるに十分な作品集だった。よかった。ミステリーなんだが、それとは一味違ったよさを感じることができて大正解だ。

  • 『IgE』どうしてあれだけの情報から恵比寿の彼らに行き着いたのかがわかりません。まさか、裏事情を知っていたわけでもないでしょうし…。当事者からしてみれば、きっと本当に狐につままれたような展開だったことでしょう。
    『SIVAD SELIM』位置づけとしては、心温まる日常の一コマ。御手洗がいいとこどりの気もします。
    『ボストン幽霊絵画事件』御手洗大学時代の事件。大学生であっても御手洗は御手洗というか。周囲の人間が振り回されることに変わりはないようです。
    『さらば遠い輝き』まるっきりの番外編ですね。御手洗自身は話題の中にしか出てきません。ただ、この話の中で語られている彼との出会いが、いささか衝撃ではありました。
    あの出来事を、御手洗がどういう風に見て、感じていたのか。彼に対して、どういう思いを抱いているのか。
    彼は御手洗によって救われたけど、御手洗にとってもそれは同じことで、もしかするとその出会いは彼以上に御手洗にとって重要な転機だったのかもしれないとも思います。

  • 読み忘れたと思って買ってみたら、既読だった。
    まぁいいかと思って再読。
    「IgE」…話はともかく、音楽家先生とのやり取りが笑える。
    「SIVAD SELIM」…勝手に約束しといてて1人でキレる石岡君。君は病んでいる。
    「ボストン幽霊絵画事件」…ハーヴァード時代の御手洗。あのダイイングメッセージはちょっとな…。
    「さらば遠い輝き」…おまけ的な作品だけど、久しぶりに読んだらこれが一番良かった。
    御手洗ファンだから、レオナには感情移入してしまう。
    御手洗の石岡に対する感情はやはり愛なのかなぁ。

  • 何度も壊されるレストランの便器と、高名な声楽家が捜し求める美女。無関係としか思えない2つの出来事の間に御手洗潔が存在するとき、見えない線が光り始める。
    御手洗の奇人ぶり天才ぶりが際だつ「IgE」のほか大学時代の危険な事件「ボストン幽霊絵画事件」などバラエティ豊かな4つの傑作短編を収録。

  • ミステリィとは言えないかもしれない「SIVAD SELIM」と「IgE」が好き。短編集の前2作と比較すると切れ味が若干鈍いかも。

  • ラスト御手洗さんの発言にのたうちまわりました(笑)
    石岡くん本人は手探りで必死だったんだろうけど!
    たしかにこれは「異邦の騎士」を読んでから読むべきですね・・・!

  • 久しぶりに読んだ御手洗シリーズ。
    そういえば小学生のころホームズにはまりにはまってしまい、ホームズの住むロンドンの町の詳細を紙に書き写したものを下敷きの中に入れてたりし、本当にホームズに会いに行きたくなるほど好きだったんだけど、御手洗と石岡の出てくるシリーズは今のわたしにとってまさにあれ!!大好き(笑)

  • 御手洗の短編集。短編だけど読んでて疲れることもなく。個人的にはSIVAD SELIMの石岡君が面白かった。シリーズモノなので押さえておくべき一冊かな。

  • 御手洗シリーズ短編集
    『IgE』
    『SIVAD SELIM』
    『ボストン幽霊絵画事件』
    『さらば遠き輝き』


    やっぱり短編ですね。御手洗シリーズの短編は文句無くいい。最後の話はレオナだけなんで、あまり思い入れは無いのだが、SIVAD SELIMは好きだな。別に事件も無くて結もみえてるが、これは石岡くんが笑える。この話の石岡くんは強引だ。御手洗ばりの強引さ。これに関しては御手洗の言い分の方がスジが通ってる。それを無茶な言い分でわめくんだから殆ど子供。それがツボに入った(笑)

著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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