ぼんくら(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747523

感想・レビュー・書評

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  • この後は先日読んだ「日暮らし」に続くんだな。
    鉄瓶長屋の話がそういうことだったのねってことで理解できた。

  • (p189)
     死者は、自分が死んだことをどうやって悟るのだろう――そんなことを、唐突に考えた。
     死者が祟ったり幽霊になったりするのは、死後も強い感情が残っているからだろう。しかしまずそれ以前に、自分が死者となったということを、どんなふうにして理解するのだろう。誰かに告げられる告げられるのだろうか。閻魔様か。地獄の獄吏か。しかし、いちいちそんなことをしていたら、死者は大勢いるのだから、地獄の方々は休む暇もないだろう。やはり、死者自身が嘆き悲しむ残された者の顔を、物陰から見つめてそれと理解するのか。
     だとすると、嘆いてくれる者がいない場合にはなかなか死者になったことを納得できないのではないか.
    ――面白いことを言うね

  • 再読。謎解きはしてみたものの、やっぱり謎は解かなかったことにしちゃいました・・・っていう結末はどうなのよ。と思いながらも主人公平四郎のいい加減さのおかげでそれでもいいか、と思ってしまう。平四郎のまわりに、なんと多くのユニークで有能なキャラクターが集まってきて平四郎を助けてくれることか。特に養子候補の弓之助となんでも覚えるおでこは秀逸。名前だけ登場の回向院の茂七の後をつとめる政五郎や幼馴染の黒豆なんか、平四郎が頼めばささっとなんでも調べてくれるありがたいお助けマン。こんなになんもしない主人公いないよ。

  • 一気読み( ´ ▽ ` )ノ。
    けっこう類型といえば類型なキャラばかりなんだけど、組み合わせの妙か? とにかく読ませる。
    しかし、ものすごく回りくどい計略。だからこそ破綻して見破られるんだが。
    だいぶ前、連続ラジオドラマでやってたな?「ぼんくら......ぼんくら......ぼんくら!」と、だんだん迫り来るタイトルコールが不気味だった。
    けど、内容は何一つ覚えてない

  • 登場人物のそれぞれが魅力的
    面倒くさがりの見廻り同心だけど、やるときはやるし、清濁併せ呑む平四郎を筆頭に
    人情あふれるおっかさんのお徳さん、若くして結構頭の切れる佐吉、美少年で計測好きでかなり頭の回る弓之助、一度聞いたことは忘れない人間ボイスレコーダーのおでこ
    他にも魅力的なキャラがいるし、それぞれコメディ要素もシリアス要素もあってどんどん先を読みたくなる展開

    江戸を舞台にしているものの、描かれているのはやはり宮部ワールド
    人間の業というか、情をうまく演出に使っているあたりは流石

    真相は藪の中、というか結局は真実なんてものは人それぞれの中にあるという終わり方でいいのかな?

  • おもしろかったー。
    謎がとけてみれば、人間の愚かさ、哀しさにしんみりするも、まあきっちりすべて明らかにするよりあいまいなまま人生進めていったらいい、みたいなおおらかな感じがあって後味もよかった。
    登場人物全員を大好きになる。すぐに続編の「日暮らし」も読みたい。またみんなに会えるといいな。
    時代モノってほとんど読んでなかったけれど、こういうからっとした雰囲気のものならいろいろ読んでみたい。

  • 年末年始のお楽しみに『おまえさん』をとってあるのだが、いつものように前の作品のことをほとんど忘れているのでちょっと再読。

    おお、こんな構成だったかと初読のように楽しむ。
    こんなに忘れてなんだかなぁ、だが、何回でも楽しめてお得、と考えることにする。

    いつもながら登場人物がいい。
    同心らしからぬ井筒平四郎、甥の弓之助、お徳といった主だった人物と共に、脇役それぞれに味がある。

    今回は特におくめと平四郎の妻が良かったな。
    読む時々で気にかかる人物も変わってくるのも面白い。
    様々な女達が登場しそれぞれいい味があって、いろんな人生があるよねぇ、と思う。

    弓之助、おでこの活躍も楽しく、こうなったら『日暮し』も読もうかな。

  • 主人公の平四郎よりも、周りの登場人物が面白い。
    記憶力の「おでこ」くんに、鯨尺の「弓之介」、隠密同心の「黒豆」に伝書カラスの「官九郎」
    続編が楽しみです。

  • 宮部みゆきによる、一大時代劇ミステリー。
    時代小説であり、多少難しい単語は出てくるものの、全体的には読みやすく親しみやすかった。
    多くの登場人物があるが、それぞれが個性的で魅力的だ。
    とくに弓之助と「おでこ」のキャラクターがよい。
    子どもであるものの、大人びた振る舞いや考え方には驚かされるし、それでも随所に見られる幼さが可愛い。
    主人公である平四郎のキャラクターにも好感がもてる。
    めんどくさがりやで朴訥としてはいるもの、根っこの部分では優しさや人情味があり、人に好かれやすい性格なのだろうと感じた。

    描かれている事件は、今となんら変わらない、複雑な人間関係のもとに起こる殺人や軋轢で、憎しみや執念といったものは何百年たっても同じものなのだなと思った。
    女性の恨みは恐ろしい。

  • 上巻の謎を回収して謎が解明。
    事件は表沙汰にしないで終わることに。

    最後は、死んだと思ってて実は生きていたことがわかったあの人が、名前を伏せて登場。あらーそんな感じの人だったのね。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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