13階段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.07
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本棚登録 : 14284
感想 : 1605
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748384

感想・レビュー・書評

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  • 個人的に江戸川乱歩賞の受賞作は好みでないことが多いのだけど、これは出色。
    記憶喪失の死刑囚の冤罪を晴らすフーダニットものとしても、死刑制度に切り込む社会派ものとしても素晴らしい。
    一気読みすること疑いなしなので、ちゃんと時間を作って読みましょう(翌朝、仕事に寝坊した僕からの忠告です)。

  • 久しぶりに再読!やはり最高!
    途中からスリル満点でハラハラしながら読む手が止まりませんでした。死刑制度について、死刑の執行時期の問題、被害者遺族の感情、更正とは、たくさんの論点が盛り込まれ、面白いトリックや粋なセリフに魅了される作品です。

  • ーあなたの罪は正しく裁かれていますか?

    〈あらすじ〉
    死刑執行の実行を待つだけの被告は、殺害犯行時間の記憶を失っているままであった。状況証拠のみが、彼を有罪と判決していた。彼の冤罪を信じる者から10年前の事件の証拠を探すよう依頼された、刑事と元前科者の相棒の調査が始まる。

    〈感想〉
    再読でした。
    6〜7年以上前に読んだので、正直何も覚えてなくて、また新しい気持ちで読めて面白かったです。
    今は心温まる話が大好物ですが、本当に7〜8年前はこういった重厚なミステリーや、どんでん返しな展開の本が大好きでした。
    タイトルも含め何重構造?と思うような展開が久しぶりに読んでもやっぱり凄すぎます。
    そして、作者が終始「死刑制度」について、あらゆる方向から考えているのが分かります。
    死刑執行の場面の描写がまたすごくリアルで恐ろしいです。
    死刑囚に同情する気は全くありませんが、死刑執行側の方々の苦悩を想像すると、たまらなくなります。
    もう再読はしないかなぁと思うんですけど、やっぱり頭の片隅にはちゃんと存在しないといけない本だなぁと思います。 

  • 記憶喪失のまま死刑囚となった男の無罪を証明するため、刑務官と保護観察中の主人公が調査を始める。
    『ジェノサイド』が面白かったから読んだけど、ミステリーとしての面白さはもちろん、司法に対する問題提起も織り込まれていて、デビュー作とは思えない完成度だった。 凄い。

  • 今までの人生で、法律は勉強しておいた方が良いと、何度も何度も思ってはいたが、敬遠してきました。
    なぜなら、難しそうだから!
    そのため、この話を読み始めた時も、馴染みのない単語の連続で、自分はこの話を気にいることができるのだろうかと不安がありましたが、それは裏切られて、夜更かししてまで読み進めてしまうほどでした。
    というか、裏切りの連続でした、特に後半は。
    「やっぱりそうなるか・・・」と思った次の瞬間にはそれが覆される、それが心地良くて、ついつい長時間読んでしまい、最後の2章はあっという間でした。

    法律の限界や矛盾に切り込むヘビーなテーマですが、私のように法律に疎くても感情移入できる巧みな描写で、自信を持っておすすめできる一冊です。

  • 最近読ませていただいたミステリーの中で一番読みごたえがある作品でした。
    通勤中に読み始めたら続きが気になり休憩中に続きを読み、帰りの電車でも続きを読み進めてしまうほど引き込まれました。
    死刑執行についてもはじめて具体的に知りましたがこの作品はただミステリーなだけではなく、永遠に難しいともいえる社会問題や正義とは何か。を考えさせられる内容であり、読みながらそれぞれの登場人物の立場に立つといたたまれない気持ちになるようなとても奥の深い作品で圧巻でした。
    まさかこれが長編デビュー作品とは作家さんの頭の中はどうなっているのかと思うくらい素晴らしい1冊でした。

  • 面白い!!
    人の死というものを考えさせられますが、それでも話的にまとまっていて、いい感じ。

  • いろいろ怪しいなと思いながら読み進めたけど、犯人には全然気づけなかった。伏線も張られてたのに!
    純一と南郷さん同様、依頼人だと思ってた人が犯人で驚き。罪をきせられ、死刑執行されそうだった青年には同情しかない。こんな風に簡単に罪を着せられると思ったらゾッとした。

    冤罪や死刑についてよく考えさせられた。死刑は犯罪者に対する極刑だが、それに関わった職員には傷ができる。実際にはこの本と同じような残酷さなのだろうか

  • これは面白かった!!!読んでいて常に先が気になる感じ。だんだんと真実が明らかになっていく感じ。そして驚愕のクライマックス。

  • しばらくは入り込むのに時間がかかったんですが、2人が捜査を開始し始めてからは一気でした。正義とか悪とか、真実とか事実とか、人の誠実さとか考えさせられました。今、被害者も加害者と同じくらい、いやそれ以上にさらされるじゃないですか。裁くってなんだろう。そもそも人に人は裁けるのかな。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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