プラネタリウムのふたご (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062755252

感想・レビュー・書評

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  • いしいしんじさんの作品は初めて読みました。前半から中盤にかけては、大人のための童話、もしくはファンタジーなのかなと思うタッチで優しさと暖かさに包まれているのですが、終盤に向けて一気に現実に引き戻されて、そのままラストへ。このラストは予想してなかったです。もっと暖かいお話のまま終わるのかと…。山間にあるプラネタリウムに捨てられたテンペルとタットルという双子と村の人や手品師の一団との交流を通して、彼らが成長する姿が描かれます。ページ数が多いので途中だれる部分もありましたが、冬の時期に読むことをおすすめします。

  • 6年くらい前に買って、途中でやめてしまったのを再読。
    最後まで読みました。話のテンポがゆっくりで、ちょっとじれったい。表現の仕方もあまり好きじゃないし、読みにくかった。私には合わないけど、人気の本のようなのでちょっと人とは感覚が違うのかもしれない。
    いしいさんの本は初めてだったので、次読むならもっと短いので。
    2013.11

  • いしいしんじは本当に、1冊に1回は必ず、イイことを言う。
    今回気に入ったのは、裏のあらすじにもある、「だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚が人にないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう」という一節。

    あたしの解釈だと、要は、「人生を豊かにするためには、遊び心が大事!」ってこと、たぶん。
    あたしがこの世でもっとも尊敬する人は、「何をするにもユーモアが大切だ」と言いますが、きっと、そういうこと。

    さて、で、もう少し詰めて考えてみると、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンは、「愛とはコミュニケーション・メディアである」と言いました。
    どういうことかっていうと、人と人は、本来ならば、どんなに言葉を尽くしても分かり合えることはないのだけれど、なぜか、分かり合えたような気になってしまう。
    親しい間柄だととくに。
    それは、互いにそこに愛があると信じているから…だと言うのです。
    つまり、コミュニケーション・メディアとしての愛、っていうのは、本来は不可能であるはずのコミュニケーションを可能にさせる仕掛け(?)みたいなものだというのです。
    (詳しくは 佐藤勉・村中知子 訳, 2005, 『情熱としての愛』 木鐸社 を参照)

    とすれば、そもそも、あたしたちがコミュニケーション可能なのは、本来は分かり合えるはずがないのに、分かり合えると信じているから。
    つまり、「だまされて」いるからなのであって…。
    そして、本来、愛なんていうものは実在しないのに、それがあたかも実在するかのように感じられるのも、そこに愛があると信じているから。
    つまり、「だまされて」いるから、なのです。

    でも別に、わざわざルーマンを取り上げなくても、お金がお金として機能しているのは、ただの紙切れに1000円の価値があるとみんなが信じているからだし、モノの名前が名前たりえるのは、みんながそれはそういう名前だと信じているからだし…。
    つまり、世の中、たいていのことは、「みんなで揃ってだまされる」ことによって成り立っているのではないかしら、と思ったりするのです。

    なんだか本の内容とは離れた感じもしますが、要は、やっぱ、だまされる才覚って、ふつーに生きていくためにも必要不可欠な才覚なんだなぁ、って。

  • これを読んだ影響で、プラネタリウムの解説員として働いたことがあります。

  • 最後の約30ページ、涙がとまらない

  • やさしい童話みたいな
    ほんわかしたストーリーかと思いきや、
    序盤からもう、ミステリーのような伏線がちらほら。

    語り部が宇宙と星座の神話を語り、
    季節の夜空を投影するプラネタリウム。

    せわしく世界を飛び回り、
    数々の奇術を舞台で演じる手品師の一座。

    人々を繋ぎ、包み、
    毎夜やさしく魅了するそれぞれの世界で
    こころの在りかた、才覚と役割、
    逃れようのない現実を知る。

    悲しくも、あたたかみのあるお話。
    泣ける本です。

    近所の博物館の中にある小さなプラネタリウムに
    久しぶりに行ってみようかな、と思いました。

  • ふたごも、お父さんも、周りの人も.みんな良い。
    どうしようもなく悲しい事があっても、それでも世界は美しい。

  • いしいしんじさんの作品はいつも読んだ後の気持ちが好き。

    少しだね、近づけた。
    ふたごっていいね。

  • 再読

    騙される才覚をもっていることは楽しみ上手なのかも。

    プラネタリウムへ行きたくなりました。

    読了:20130405

  • 途中まで読んだまま返却。

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著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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