ハゲタカ2(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756877

感想・レビュー・書評

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  • 前作に比べて個々のプライベートな描写が少ない。
    買収に向けて復帰戦に臨む鷲津・起死回生の芝野・鵺の如き飯島が策を巡らす見えたり見えなかったりする攻防は淡々と描かれているが、息を飲む瞬間も多く、前作同様どんどん読めてしまう。
    順調に事が運びそうな予感を抱かせて最後の8ページで爆弾落としてくるあたりが著者のやり口。好きです。
    馴染みのあるメーカーに昔こんな騒動があったなんて初めて知った。
    そして、何よりも割と最初の方で亡くなってしまったアランが好きだったから悲しい。鷲津とリンと別れてしまったのも、3人でバカ騒ぎしながらもIQいくつ?という頭の回転の速さが伺える緊張感ある会話ももうないのかと思うと寂しい。

  • 1

  •  年末に図書館から上下巻で借りていたもの。
     2006年刊行。文庫化が2007年3月。
     今作は、2004年12月から2005年3月が舞台。前作の最後でUTB銀行の前身銀行が著名人の隠し口座を人知れず管理してきたことが描かれていたが、その闇を暴いたために鷲津は1年間、日本と全く接触せず海外に暮らしていたとの設定で始まる。
     鷲津の部下だったアランが殺され、新たにホライズン・キャピタルの社長として送り込まれたピーターは、鷲津のビジョンが理解できず、ふるさとファンドとの縁を切る。ふるさとファンドはミカドホテルの再建を外資ホテルに売却してしまう。恵比寿屋を再建した芝野は妻のアルコール中毒治療に付き添うため仕事を辞めていた。
     そこに戻った鷲津は、アランが鈴紡の買収に手を付けていたことを知り、化粧品部門を買い取る動きを始める。化粧品部門の売却に合わせ民事再生法を申請するとのシナリオだったが、債権放棄を嫌がるUTBの巻き返しにより、土壇場でニッポン・ルネッサンス機構が鈴紡を救済することになる。
     そこにNYのポールから鷲津に電話があり、鈴紡への深入りを止められる、まで。

     なぜ海外に出ないといけなかったのか、種明かしは下巻にあるのだろうが、大事なことが伏せられているので、ちょっとわかりにくい。
     貴子とリンが下巻でどう絡むのか、楽しみ。
     

  • 11.8

  • 一年間の放浪を終え帰国したゴールデン・イーグル・鷲津が聞かされたのはホライズン・キャピタル社長・アランの不可解な死だった。感情をビジネスに持ち込まない冷静沈着な鷲津を荒ぶらせるこの衝撃と眠っていた猛禽類の捕食感。ゴールデン・イーグルは再び日本上空を舞い始めた!

  • 鷲津政彦 が 1年間の放浪のすえ、復帰した。
    鳥葬をみながら 鷲津は 思いにふける。

    ハゲタカ ゴールデンイーグル 
    とにかく、とりにまつわる話が うまい具合に絡んでいて
    おもしろい。

    ホライズンキャピタルの
    アランが酔っぱらって電車にひかれて死んだ。
    なぜなのか?
    それがよくわからない。

    その後がまのピーターが リストラを敢行するが
    それが 鷲津の逆鱗に触れる。

    飯島が あいかわらず ヌエ的な存在として
    うまく立ち回り そこの深さを 知らしめる。

    鈴紡は あきらかに カネボウ。月華は 花王。
    その中に 投資会社が絡んでいた。
    たしかに、カネボウが 粉飾決算をしていた。
    その粉飾決算が 会計会社もグルで 取り組まれていたが
    カネボウの 歴史的な負の遺産。

    それに アイロンオックスの 加地。
    ホライズンキャピタルの 鷲津が切り込んでいく。
    どこに ポイントがあるのか が 見えている。
    なぜ、そして、その背景は?なにが 見えているのか。
    かなり、構成的に積極的に。
    前島朱実が感度がいい。期待が持てる。

    芝野健夫 CRO
    アルコール中毒の妻。快方に向かいながらもすすまず。
    そして ヌエの飯島 鈴紡の岩田に 巻き込まれてしまう。
    くじ運の悪いオトコというのは いつもあるものだ。
    それでも、前向きに 立ち向かおうとする。

    それにしても、ミカドホテル 松平貴子。
    どうなるんでしょうか。
    ホテルというものが グローバルの中で
    展開しているが、そのなかで どう独自性を切り開くのか
    ということでしょうね。

  • 前作「ハゲタカ」の続編。序曲 トリガーから始まる衝撃的な話の流れから、前作場人物達の立ち居地の導入、経済小説としてのコアな部分へと話が進む。この小説が書かれた当時の日本で、ホワイトナイト、ポイズンヒル、ゴールデンパラシュートなど企業買収・買収防衛策などの言葉がマスメディアを賑わせていた。もう一度読みたい本。

  • ・あらすじ
    鷲津政彦はその上をいく!
    ・かんそう
    ほぼ鷲津政彦のターン。僕は殲滅戦が好きだ。だから鷲津政彦が好きだ。

  • 鷲津が帰ってきたら、会社がとんでもないことになっていた。
    死の真相は分からなかったから下巻かな?
    ミカドホテルもどうなるか期待。

  • うーん、前作に比べて話が一足飛びになる所が多い気がする。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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