- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062761468
感想・レビュー・書評
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そして誰もいなく・・・
「鏡の国のアリス」をモチーフにした作品。いかにも意味ありげな増える扉、人形やチェス盤などが配置された「アリス・ミラー城」は怪しい雰囲気満点です。
チェスの駒に見立てて次々と人が殺されていく様子は、海外の某作品を彷彿とさせます。容疑者が絞られていくなかで、顔のない死体が一役買っているのもそうですが、章ごとに視点が変わっていく演出で、どこか犯人が絞りきれない感じがあります。
著者のお家芸である物理的なトリックは、なかなかのインパクト。ですが、本書の企みは大きく分けるともう1つあります。こちらは舞台の必然性にも繋がっており、納得した反面、かなりずる賢い印象を受けました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2016年1月2日読了。
2016年3冊目。 -
いつも北山先生には最後に驚かされます。
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『アリス・ミラー』を探すため、集められた探偵たち。
そこで殺人が起こり、次々と犠牲者が増えていく。
クローズドサークル好きには是非オススメしたい作品。
叙述トリックは好きではないが、この作品は素直に許せた。
ただ、どうしても「現場の探偵たち気付けよ」と思ってしまうので、敢えての☆4つ。 -
クローズドサークルの話は、けっこう好きで、この小説も気になって読んでみた。
ある孤島に集められた10人。島にある城、アリス・ミラー城に隠された鏡を見つけるために集められた。しかし、翌朝に探偵の1人が殺害された。顔を硫酸で焼かれ密室だった。次々に殺される探偵たち。犯人は誰なのか。その目的は。
かなりスプラッターなかんじで、グロイかんじ。そして、ちょっと怖いなーと思いながらもわくわくしながら読んだ。犯人は誰かな?動機とかなんだろとか。
だけど、いざ読み終わって、犯人が分っても納得がいかない。ネタバレサイトみてももやもやする。
なんか、そりゃないよーってかんじ。
作者の罠にまんまとハマったかもしれないけど、納得がいかなすぎ。
2015.2.7 読了 -
北山猛邦の『『アリス・ミラー城』殺人事件』を読了。
ある孤島での連続殺人。『そして誰もいなくなった』のインディアン人形を彷彿とさせる、消えていくチェスの駒。そして集められた探偵たち。
本格ファンならこれらだけでワクワクしてしまうだろう。
舞台設定だけでなく、非常に様々な物理トリックが使われている点も面白い。思いもつかないようなものから意外性抜群のものまで、前作までに比べてかなり楽しめる。
登場人物がきちんと書き分け出来ていて非常に覚えやすいのも評価できる。
但し、読み終わったあとに残念だと思うこともあった。それはズバリ犯人に関することなのだが、どう考えても不自然だと言わざるを得ないのである。詳しくは書けないが、あえて言うなら「探偵が何人も集まっている中でそれはないのでは」と言いたくなるほど。当然こんな説明だけでは意味不明ととられてしまうだろうが、気になった方は読まれるとよく解ると思う。本当にこの点だけは納得が行かなかった。
しかし、見たこともないような物理トリックが使われていることも事実(それが実際に可能かどうかは兎も角)。総合的に見て、城シリーズでは断トツの作品ではないだろうか。
最後に、城シリーズは10年ほど前から第五作となる『『石球城』殺人事件』が予定されているようだが、幻にならないことを切に願う次第である。 -
2014/12/22
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2年近く積んでいたことが悔やまれる傑作。
物語は幻想的な雰囲気で始まり、あまり説明がないままに進んで行くので最初は戸惑ったが、慣れてしまえば一気読み。
中盤に差し込まれるサスペンスフルな展開も良いアクセントになっていて中弛みすることはありません。
正直物理トリックは「へぇ〜そうなんだ〜」という感じでしたが、最後に明かされる真相には完全にやられました。
実は1度可能性としては頭に浮かんだのですが、すぐに排除してしまったものだったので余計に悔しい。ミスリード部分を否定の根拠にしてしまうという都合のいい読者っぷりを晒してしまった…
物理の北山などと呼ばれているが、それだけではない事が証明された一冊なのではないでしょうか。