λに歯がない λ HAS NO TEETH (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766081

感想・レビュー・書評

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  • 事件そのものはいつもの雰囲気で発生するものの、今回の目玉は萌絵のトラウマが解消されつつあるプロセスにある。
    シリーズの共通項として真賀田博士の影がちらつき、保呂草氏が登場するなど、森ファンには楽しみどかろが満載ですね。

  • 切ない・・・
    森博嗣作品は、切ないものが多い。
    けれど、萌絵が「切ない」と、人間らしい言葉を口にしたことがあっただろうか。
    (あったかもしれない)
    それだけ、萌絵が人間に近づいているのだ。

    萌絵の、人の仮面かぶった「人とは離れたところ」が好きだった私としては、
    このφ(ファイ)シリーズは物足りなさを感じていたのだけど、
    再読にして(そう、再度です)
    「萌絵のある意味、人への退化」の過程も、
    またいいな、と思えるようになりました。

    今回、保呂草が出てくることになって、
    人間関係が少し見えました。

    生きることって、なんていうか「生」で、
    「正しい」とか「正しくない」とか、そういうのはまったく関係なくて、
    心は泡のようで、
    体はその入れ物のようなフリをしながら、
    そこにも意思があり、
    「複雑」という言葉さえふさわしくない生き物なのだな、と感じさせられました。

  • めずらしく動機が明解。キャラクタが数多く出揃い、Gシリーズが佳境に入っていく事を予感させる。

  • 全体的にこのシリーズは一部の謎を残して物足りなさを感じるのは致し方ない。
    相変わらずキャラクターは個性的で、保呂草も出てきて、今後の展開がきになるところ!

  • トリックが理解でき過ぎた。
    学生時代に習った記憶ある。少し嬉しい。
    全体としては地味。

  • 話自体のトリックなどはまあまあ。

    それよりも、萌絵ちゃんが確実に変わってきているというか、ある意味普通の人になってきている印象を受けた。
    今まで色んなことがあって、感情面で少し人とは違う思考回路を持っているイメージだったけれど、萌絵ちゃんも成長して大人になったのかなと思う。
    少しさみしい気もするけど、やっぱり嬉しい気もする。

  • 久々に読みました森さん。

    事件の様子にゾクっとした。
    真相は切ないなぁと。

    そして犀川先生が相変わらず素敵でした。

  • 次のηは、Gシリーズのターニングポイントだという。この作品は助走かな。

    でも、謎解きは興味深かった。純粋にミステリーとして読めたし、森博嗣作品には珍しく、愛した女性のために復讐を遂げようとする男…などという普通の人が登場する。

    前作に続いて姿がちらつく保呂草と各務。そろそろ何かが起こるのか。

    萌絵の中にも変化が見える。常に生を肯定してきた彼女の中に、死が安らかな心象として現れ始めている。大変興味深い。

    それにしても海月。いったい何者? これまでシリーズを読破してきた森博嗣ファンとしては、実はひとつの答を持っているが。いずれ明らかにされるだろう。この手の伏線は、森作品では当たり前だから。

  • Gシリーズ5作目、企業の実験施設で見つかった4人の射殺死体。

    今回の密室トリックはダイナミックでした、タネが明かされた後にいくつもの伏線に気づく感覚がとても気持ち良い。

    ここまで多くの伏線がありながらもトリックに気づけなかった私、先読みのセンスが無いことを認めざるを得ません。。


    萌絵によって真相の一端が明らかになったと思われる四季と保呂草との現在の関係。
    四季の存在は非常に大きい、まだ一度も本シリーズに出ていないにも関わらず四季の思考を求めてしまいます。

  • Gシリーズ、5作目。

    このシリーズに入ってから、背景に真賀田四季の影がチラつくからか、いまいち動機らしき動機に出会えず気持ち悪かったのだが、今回は珍しくちゃんとした(!)動機が存在。トリックも建築モノならではで、分かりやすい事件だった。シリーズ5作目のこのタイミングで、一連の事件の模倣殺人。模倣なのか、そうでないのか、これからはそっちの点も気にして読まなきゃいけないわけだ。上手いなぁ、森センセー。
    そして今回は萌絵ちゃんの心境も気になるけれど、久々の保呂草さん!!赤柳探偵の存在も相変わらず謎めいているし、早く種明かしが欲しいデス。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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