わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.34
  • (94)
  • (158)
  • (200)
  • (90)
  • (30)
本棚登録 : 2256
感想 : 233
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767101

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • んー。なんともやな。

  • 「私は奥歯や、わたくし率はぱんぱんで奥歯にとじこめられておる!!」

    身体をもった人物「わたし」と自我の「私」、二つが一致している確率「わたくし率」。わたくし率は、なんでどの人間も100%なんか、私はどこにおるのんか、考え出したら止まらない。

    私は奥歯、と思ってる私と思ってる私と思ってる以下エンドレスと続く言葉の奔流が、嵐となって捲し立てる。

    私が私である不思議、存在の有ると無い、その境界に切り込んだ1冊。

  • 137回(2007年上半期)芥川賞候補作。選考にあたったファースト・リーダーたちは驚いたことだろう。何人かは、新しい文学の到来を確信もしたはずだ。破壊的なまでのスピード感に満ちた文体。しかも、それが奇妙な飛躍とネジレを起こし、しばしば停滞もする。その感じは西脇順三郎の詩に幾分か似ているように思う。ただ、妄想独白体の部分は文句なくいいのだが、青木と女が登場する対話場面は日常に回帰してしまうようで残念だ。また、エンディングの「幼女が…」からは不要だ。「一瞬だけのこの世界、思う、それ」で終わるべきだっただろう。

  • 圧倒される。どぎつい色。現実と繋がるのは痛くて生々しい部分だけ。
    けど手段はもっとポップであって欲しかった。手段がポップでなければ伝える誠意がない。マスターベーションすれすれなのにこれが評価される不思議。独特さが突き抜けてるから?ざらざらした棘だらけの不快感。

  • 気色の悪い文体に、おかしな表現力。しかしそれが正しいかのごとく進む世界。
    これは一体何なのか。

  • 川上未映子さんがまくし立てるように喋っていたボクらの時代(TV番組です)そのまんまの超ハイテンションで戸惑いながらも読みましたが、いやー
    面白かったですよ。あ、でもこの主人公とはちょっと付き合えないですね、マジ勘弁っす。

  • 川上さんの本は以前から気になっていたのでお試し、というつもりで読んでみました。

    独特の文体、というより、これ小説家として大丈夫なのかという文章を書かれるのでかなり好みが分かれると思うのですが、内容がとても深いので私は好きです。

    一人称小説らしく語り手の主観で一貫されています。
    中高生の頃恋のような執着からストーカーまがいのことをしていた私にクライマックスは涙なしでは読めませんでした……胸をえぐられるようだった……

    余談ですが、こんなに女として落ちぶれた私の心が共感する小説を書く女性作家とはどのような醜い容姿をしているのだろう、川上さんはこの世のものではないのではないかと思いましたが画像検索すると美人が出てきました。川上さんなんて嫌いだうわあん

  • う~ん、前回読んだ「ヘヴン」が良すぎたせいか、読みにくいし特に心惹かれる言葉もなかったですね。ただ、川上先生はあらゆる事柄について深く考えておられるのだなと思いましたね。

  • この作品を小説デビュー作で書き上げて、出版社に認めさせた彼女の力量というか度量というか決意は凄まじい。

  • 会話のとこが、衝撃的。

全233件中 101 - 110件を表示

著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上未映子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂幸太郎
村上 春樹
川上 未映子
伊坂 幸太郎
川上 未映子
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×