親鸞(上) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770606

感想・レビュー・書評

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  • 「人はみな平等である。身分や職業の高下などない。この世に生きることは苦しい。心と体が痛む者を助けなければならぬ。よりよく生きる道をさがそう。そしてよろこびをもって生きよう。それ以外に何がある?いってみろ」河原者法螺房弁才の言葉に藩宴は・・・。

  • 1173年4月1日は親鸞上人の誕生日、と歴史カレンダーにあり、日本版宗教革命というべき人の事跡を読むにはこの古典か、と思い手にとった本。

    9歳で出家した親鸞は、比叡山で20年修行を積みます。浄土教の先輩の法然も天台僧であったらしく、2人とも、比叡山で総合教学と各種の行を学んだ結果、念仏を選んだ訳です。特に親鸞については、底辺の人々の生き様に触れ、驚き、後の悪人正機の悟りに繋がっていく伏線が描かれています。

    このような宗教者の小説にありがちなのですけど、宗教者としての足跡を追いかけようとするあまり、歴史小説としての考証が弱くなることがあります。宗教者の奇蹟と悟りなら、その教団が出す本を読めば良いのですから。

    ということで、この上巻で一旦置くことにしました。自分の中でもう少し熟してから、むた考えようと思います。

  • 発刊された時から読みたくて入手したものの、ながく手をつけずに寝かせていた一冊。

    今が読むタイミングだったのだろう。

    不思議とそんな気がする。

    感想は下巻を読み終えてからとし、上巻では評価のみ。

    説明
    内容紹介
    馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。
    内容(「BOOK」データベースより)
    馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。
    著者について
    五木 寛之
    1932年福岡県生まれ。朝鮮半島より引き揚げたのち、早稲田大学露文科に学ぶ。PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門』(筑豊篇ほか)で吉川英治文学賞を受賞。81年より一時休筆して京都の龍谷大学に学んだが、のち文壇に復帰。2002年にはそれまでの執筆活動に対して菊池寛賞を、英語版『TARIKI』が2002年度ブック・オブ・ザ・イヤースピリチュアル部門を、04年には仏教伝道文化賞を、09年にはNHK放送文化賞を受賞する。2010年に刊行された本書は第64回毎日出版文化賞を受賞し、ベストセラーとなった。代表作に『戒厳令の夜』、『風の王国』、『風に吹かれて』、『百寺巡礼』(日本版 全十巻)など。小説のほか、音楽、美術、歴史、仏教など多岐にわたる活動が注目されている。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    五木/寛之
    1932年福岡県生まれ。朝鮮半島より引き揚げたのち、早稲田大学露文科に学ぶ。PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、’66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、’67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞。’76年『青春の門』(筑豊篇ほか)で吉川英治文学賞を受賞。’81年より一時休筆して京都の龍谷大学に学んだが、のち文壇に復帰。2002年にはそれまでの執筆活動に対して菊池寛賞を、英語版『TARIKI』が2002年度ブック・オブ・ザ・イヤースピリチュアル部門を、’04年には仏教伝道文化賞を、’09年にはNHK放送文化賞を受賞する。2010年に刊行された「親鸞」は第64回毎日出版文化賞を受賞し、ベストセラーとなった。小説のほか、音楽、美術、歴史、仏教など多岐にわたる活動が注目されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 2019年11月27日読了。

    ★P331
    ・忠範→範宴
    ・河原坊浄寛、ツブテの弥七、法螺坊弁才「蛸法師」
    ・後白河法皇
    ・伏見平八郎(六波羅王子)
    ・慈円、音覚法印、良禅

    ⚫️「浄土をひたすら恋う気持ちが分からなければ、
    念仏は分からない。頭で浄土を思い描いているかぎ
    り、法然房のもとに集う人びとの心は理解できないだ
    ろう。そのこころは、心ではなく情(こころ)なの
    だ。浄土は情土なのだ。唯識で心はとけるが、
    情(こころ)はときあかすことはできぬ。 」

    放埓(ほうらつ)…

    傀儡(くぐつ)…

    隠遁(いんとん)…

    ⚫️草にも木にも、土くれにも仏性が宿るという伝教大師・
    最澄さまの教えからすれば、世間の弱き者たちに慈悲の
    光をさずけるのは当然であろう。その当然のことを、
    われらがながく忘れて、朝家、権門、富者にのみ奉仕し
    てきたのじゃ。そこに法然房のつけ入るすきがあった。

    ⚫️法然
     「知恵を捨てて愚者になれ、そしてただひたすら念仏せ
    よ」

    ⚫️<人は目にうつすすべてを見るのではない>と、
    範宴は考えている。外界のさまざまな現象のなかで、
    人は自分が期待するものを選んで見ているのだ。
     
    ⚫️聖徳太子は、家族をもち俗世間に生きつつ真の仏法を
    この国に築かれたではないか。

      末法の世とは、本当の仏法がすたれて、形式だけが残り
    すっかり変わってしまった時代をいう。だからこそい
    ま、釈尊の教えの第一歩に戻って出なおすことが必要
    だ。仏法二千年の垢を洗いおとして仏陀の初心に戻るの
    だ。すなわち人はみな平等である。身分や職業の高下な
    どない。この世に生きることは苦しい。心と体が痛むも
    のを助けなければならぬ。
      よりよく生きる道をさがそう。そしてよろこびをもって
    生きよう。  

  • フィクションの世界
    山口晃画伯の挿画集と並行して読み進めた。
    挿画とその作成過程が手助けになる。

    親鸞と言う存在、浄土真宗の租が少しだけ分かる気がした。
    その他はエンターテイメントだった全6巻。

    • 例幣使さん
      新聞小説って挿画と合わせて読んでみたいね。
      新聞小説って挿画と合わせて読んでみたいね。
      2019/07/15
  • 読み終わったというか…
    私的には面白くなくて途中で挫折。

  • 詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート もご覧ください。
    http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1777.html

    東京新聞に連載された 「親鸞」、「親鸞 激動篇」。
    2013年7月1日から、新聞小説「親鸞 完結篇」五木 寛之、画/山口 晃 が東京新聞に連載。
    その挿絵が面白い! と聞いて 興味がでてきました。
    せっかくだから、最初から読んでみようかな!
    読んでみると、さすが 面白くてグイグイ読み進める。 次は下巻です。
     『 五木寛之氏の朝刊連載小説「親鸞 完結篇」が七月一日から、本紙に登場します。
    第一部にあたる「親鸞」(二〇〇八年九月一日〜〇九年八月三十一日)は京都に生まれ、法然に師事し、弾圧を受けて越後に流された若き日の親鸞像に迫りました。
    続く「激動篇」(一一年一月一日〜同年十二月十一日)は、赦免(しゃめん)の後、関東に招かれた壮年期の親鸞が、布教しながら思索を深める様子を描きました。
    今回の「完結篇」で、親鸞は京都に帰還します。「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」の完成など多くの業績を残し、九十歳で没するまでの晩年を、八十歳を迎えた著者が円熟の筆致でつづる予定です。
    挿絵は、第一部、第二部と同じく山口晃さんが担当します。ご期待ください。 』

    2013/7/4 予約 7/10 借りて読み始める。7/14 読み終わる。

    内容と著者は

    内容 :
    馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。
    怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。
    それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。
    「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。

    著者 : 五木 寛之

  • 最終的に浄土真宗を広め歴史に残る僧となる親鸞、そうなることがわかってその幼少期や青春期を読むのがとても興味深い。あまり記録が残っていないとされているからほとんどフィクションの世界かもしれないが。
    平安末期から鎌倉時代の話とは思えないほど、現代と通ずるところもあり面白く読めた。

  • 物語の進み方がすこし駆け足な感じもするけれど、ポイント毎の出来事がじわりじわりと人の思想を染めていくのが分かる。下巻が楽しみ。

  • 上下巻を通しての感想。
    簡単にいうと幼い頃から、親鸞という名に至るまでの話。
    後白河上皇、平清盛やら歴史上よく知られている人物が登場し、末法の世としてその頃の世情が描かれる。
    そんな中、世俗の民と心安く語らい、ツブテの弥七や法螺房など無頼の徒と出会い、彼らと固く結ばれる。没落貴族の出である幼い親鸞が出家を決意し、比叡山に登り、座主に贔屓にされる中、仏教を極めようとするが、途中から聖徳太子に導かれ法然上人の念仏に帰依し、比叡山を去る。そこで法然からも格別の期待をかけられ念仏にを進化させて行く。途中、紆余曲折はあるものの、法然から受け継いだ信念を曲げずにひたすら突っ走って行く。
    最終的に弾圧され、京都を去ることとなるが、その際の妻のありようと弥七の別れの挨拶は何ともカッコいい。
    親鸞そのものに焦点が当たっているので仕方ないのだが、周囲の弥七や犬丸、敵役の良善や平四郎も魅力的なキャラクタとして物語を盛り上げている。
    物語として面白く読めた。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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